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幼馴染と7年ぶりに同じクラスになった  作者: とらとー
第4章:秋・冬イベント編
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第42話 悠珠の誕生日①

 アタシ、甲斐琴美が、恋人の緒方悠珠と恋人同士になってから、もうすぐ半年になろうとしていた頃。

 アタシは、とあることで、頭を悩ませていた。

 2学期が始まってしばらく経って、文化祭も終わり、中間試験も無事乗り切った時期。

 多くの人にとっては、様々な悩みが解消された時期だろうと思うが、アタシにとっては次が一番悩ましい。


 その日は、11月23日。


 アタシの恋人、緒方悠珠の、誕生日だった。


*******


 悠珠の誕生日をお祝いするのは、それこそ子供の頃以来、7年ぶりになる。

 その頃は、友達同士でプレゼント交換する概念もなく、だいたいどちらかの家で、二人でケーキを食べていた。

 だけど、今回は、それだけではいけない。

 なぜなら、この間、アタシの誕生日には、悠珠はたくさん趣向を凝らして対応してくれたから。

 普段使いできて可愛いものを、というアタシのことを考えてくれたプレゼントも、恋人として特別なものを、というブレスレットのプレゼントも、本当にアタシは泣きそうなくらい嬉しかったのだ。

 だから、悠珠にも同じくらい、誕生日には喜んでほしい。

 だけど、悠珠ってあんまり物欲ないんだよねぇ。

 だから、悠珠が欲しいものと考えても、なかなかこれといったものが思いつかないでいたのだった。


******


「緒方くんの好きなもの? ……そりゃあ、琴美じゃない?」

 一人で悩んでいても仕方ない、と思って親友の江藤(えとう)()()に相談してみたものの、回答はこんなものだ。

「ちょっと、真面目に考えてよね」

「と、いってもねぇ……。緒方くんの趣味は、琴美の知ってるもの以上のことは知らないし。『アタシがプレゼントです!』って言うのが、一番喜ぶんじゃない?」

「えっ、なっ、何言ってるの!?」

 都由の突拍子もない発言に、アタシは顔が熱くなる。

「うーん、その反応だと、二人、実はぴゅあぴゅあだね? それじゃあ、なかなか難しいかもね」

 ぴゅ、ぴゅあぴゅあって……。

 ぴゅあぴゅあかはともかく、アタシたちはその、そういうことはまだしていない。

 アタシの方から、一回、悠珠に向かってキスしたことがあるくらいだ。

 あれもアタシが我慢できなくなって、って感じだったし……。

「だいたい、そういうの悠珠が求めてるかなんて、わからないじゃない」

「求めてるでしょ、彼氏なら」

 何を言っているんだというような反応をされてしまった。

 ……そう、なのかなあ?

「まあ、それはともかく、琴美の想いが乗ったものが、一番いいと思うよ」

「そ、そうだよね」

 それが何なのかを考えるのが、一番難しいんだけどね……。


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