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盗賊団襲来!


「……そろそろのようですね」


「そうじゃな」


 ローゼとヘンリたちが乗る馬車を追いかける盗賊たちは、襲撃に移るため隊列を整えるところだった。ちょうど登り坂を登りきって見通しがきかない、坂の向こう、ガラの悪い集団がの乗る馬にムチを与えたところだった。

 

「何人いますかね」


「百人くらいなのじゃ」


 勇者となって格段に感覚の拡張したヘンリといえども、ローゼのように、まるで眼の前で見ているかのような正確な知覚はできない。彼にできるのは、大体の集団の脅威度の判定と、特に強い力を持つ者の特定であるが、

 まあ戦うか逃げるかの判断するにはそのくらいでも十分であった。

 で、彼の出した結論は、


「ちょっと、めんどくさいですね」


「お主が焦らなきゃいけないような奴はおらんじゃろ」


「そうですが、数が多いので……」


「丸ごと全員ぶち殺したらどうじゃ、今のお前にはたやすいだろう……なのじゃ。それともなるべく殺さずに捕らえようなんてあまいことをかんがえているのかえ?」


「そんなことは……捕まえても、この連中はどうせ死刑ですよ。投獄されて尋問されて、死ぬ恐怖に怯えながら過ごすよりも、むしろここでしんだほうが幸せなくらいでしょ」


「ならば どうしてなのじゃ


 ローゼは わかりきったことを言わせないよというような表情で行った


「このまま殺してしまってはわからないですよね


「何がじゃ」


「我々の敵が誰なのかがです」


「なるほどじゃな……だが大司教はこの程度で繋がるような不活なものはしないと思うぞ……なのじゃ」


「それは答えを言ってるようなものですが ……」


 苦笑いするヘンリ。


「それはどうかな……なのじゃ」


 ローゼは何か意味ありげな 悪い意味を浮かべる。


「つまり……大司教だけではないということですか」


「はて。勇者の能力には 独身術はなかったかと思うがの」


「……そこまで話いただければあとは私が何とかしないとだめなのかと思います」


「では、やってみるが良い……のじゃ」


「はい」


 頷くヘンリ。

 馭者に合図して馬車は止まり、地面に降り立つと後ろを眺める。


 すると、まずは少し離れた森の中から現れる黒装束の斥候達。

 大量の馬のの蹄の音が聞こ坂の上に現れる百人ほどの盗賊団。


 そして……


 ドスーン!


 集団の後ろにそびえ立つ ゾーン 取引 分もあろうかという大きな地竜が見える。

 横に控える 3人がヘンリの警戒する3人ーー魔獣使い、幻覚使い、魔法剣士なのだろうか。

 いかにも只者でないオーラを醸し出しているが、


「それでは……行きますか」


 油断も教育することがないような、ごくごく自然な様子でつぶやくと、 ヘンリーは的にに向かって剣を構えるのだった。


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