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アウグスへ報告

 そして、夜が明けて……


 大聖堂の大司教の部屋の中でアウグスと会見するディーノ。


「昨夜は、まことに……」


 昨日、色街で乱痴気騒ぎをしていた変態貴族を殺して奪った秘宝を失ったことを詫びる。

 娼館を買収して、あたりの人払いをした、大掛かりな準備をしたうえでの失態だ。

 関与を知られたら大司教の立場を危うくしかねないリスクをとった作戦であった。

 ディーノは、アウグスよりの厳しい叱責も覚悟していたが、


「まあ、しょうがない……(イクス)は想像以上だったということだ」


 深く頭を下げるディーノに、アウグスは冷静な口調で言う。


「他の大司教にあれ(・・)が渡らなかっただけでも良しとせねばなるまい。聖女があの男に頼んでいたのなら厄介だが、第二聖女の庇護下にいるのだから、その可能性も低いだろう……いや、そもそも、あの男が何を考えてあんな物を奪ったのだが……どちらにしても我らの計画は変更が必要となるが……」


「申し訳ありません……この失態の挽回は必ず」


「そうだな、昨夜の失敗の埋め合わせは、今後、してもらうつもりだ……しかし……」


 今度戦ったら イクスに勝てるのかと言うと、


「あの男から。聖樹の杖を取り戻せるかは、正直自信がありません」


 という事であった。

 ならば、アウグスは思うのだった、手勢で最強の者が言うのだから、


「力づくでは無理なのだろうな……」


「私の組織総動員でも難しいかと」


 驚いた顔になるアウグス。

 さすがに男一人だけに、そこまで警戒する必要はないだろうと思いつつも、


「ともかく、少なくとも、力で屈服させるには……目立ちすぎるというものだな」


「はい、アウグス様の計画は今はひっそりと進行中ですので……計画の邪魔をしたあの男を消すのに、無意味に目立ってしまっては元も子もありません」


「確かに……男は、第二聖女の元におるのだから、そこに聖騎士隊を向かわせるわけにもいくまい。力押しは難しいだろうな」


「そのとおりですので……」


 ディーノの意味ありげな目配せに、アウグスが頷き言う。


「力ばかりが、やり方では無いからな…… ニーナを呼べ」

 

  聖都でもっとも有名なサキュバス名前を。


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