夢のなか
「アマリには、今日かぎりでチームを抜けてもらう」
「な、なんで!?」
「いままで言わなかったけどさ、アマリって足でまといなんだよね」
「足でまとい……」
――夢のなか。 また思い出したくないことを思い出した。
「ボク、みんなの足をひっぱるようなことはしてない!」
魔法と科学が融合した時代。
アンデッドの作成と使役、死者の魂の利用ができる唯一無二の職業『ネクロマンサー』は、子供たち憧れの職業にもなっていた。
ボクこと御園アマリは、ネクロマンサーを目指してアカデミーの特別クラスに進級した。
けれど、クラスのみんなから嫌われている。
みんなから嫌われる理由は単純で、素質も無いのに進級してきたうえに、アカデミーから特別扱いされていたからだ。
「いつも戦わないで、守りとサポートばかり。 おれたちのチームは攻撃がキホン。 戦力にならないアマリはお荷物なんだよ」
ネクロマンサーは、死霊魔術という魔術を使って、呼び出した霊体を操ったり、ゾンビをはじめとしたアンデッドを作ったり、死者の魂を別のものに利用したりする。
人としての倫理を捨て、生と死を中心とした魔術の発展に貢献した人でなしの魔術師たちを嫌う者もまた存在した。
「アンゲルスも倒せないなら、ネクロマンサーになるべきじゃない」
ネクロマンサーを認めない者たちは、産まれてすぐに亡くなった無垢な赤子の魂や水子の霊を組み込んだ人形「天使」を作り出し、ネクロマンサーたちを襲撃した。
国際条約にも反した魔術兵器であるアンゲルスに立ち向かうため、ネクロマンサーは動物の魂をこめた武器「コフィン」を開発。
今の時代のネクロマンサーは、コフィンを手に、アンゲルスと戦ってもいる。
「アマリはあまりものらしくしてなさいよ」
特別扱いされてるから、まともに戦えないからという理由で嫌われて、おまけにあまりものって言われた……。
ボクはなにも言い返さないまま、チームメイトと最後のミッションに出撃して……その途中で意識を失ったんだ。




