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弥生の空に1 出航編  作者: 柴野 独楽
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第4章 脱出 5-6

     5

 その夜は、久々に陸の上で一夜を明かすこととなった。

 ホヒをはじめとした「クニの追っ手」が、刻々と背後に迫りつつあることを思えば、一刻も早く船出し、「うみ」を目指したかったのだが、

「海に出るのは、並大抵のことではありませぬ。しっかり食べ、しっかり寝て、万全の体調で臨まなければ、たちまち波にはね返されてしまいますぞ」

とマダカに諭され、しぶしぶ一泊することにしたのである。

 よその里へと足を踏み入れ、寝床を提供してもらう、となれば、その晩はお礼の意味もかねて、当然宴となる。

 この日も、里から抱えてきた財物と交換に菜を用意してもらい、夕刻から準備万端整え、貸してもらった川下の里の交易場で、ニグィの里の里人たちにマダカとその仲間たち、それと、この里の主だった者たちを交えての、盛大な宴を――ただし、明日は日の出前には船出しなければならず、しかも、積みこんでこれた量がわずかであるゆえ、神酒はほんの一瓶ふるまうのみ、と決めて――開くことになった。

 楽しみにしていた酒がない、と聞き、マダカたちは少々物足りなそうな顔ではあったが、宴が始まり、酒が入ればすぐに機嫌も直り、皆、いかにもうまそうに山盛りの菜を平らげていく。

 先ほどあれだけうちしおれていたカグチも、宴の賑やかな雰囲気に心がほぐれたのか、徐々に笑みをもらすようになり、今では、痛手をすっかり忘れたかのように呵々大笑し、誰に乞われたのか、狩りで大きな獲物を仕留めた時の様子を、大仰な身振り手振りで熱心に語っている。

(あれほどの痛撃を喰らえば、普通はそうそう立ち直れないものなのだがの。どうやらあのカグチという少年、過ぎたことは速やかに忘れる性格(たち)であるらしいな)

 過去を引きずらない、というのは、美点であると同時に、欠点でもある。常に前向きに、どのような困難をも恐れず立ち向かっていく果敢な性分は褒められるべきだが、一方で、過去と向き合い、検分し、自らの失策がなにに起因していたかを考える習慣がなければ、幾度失敗を繰り返しても学ぶことなく、似たような失敗をまた繰り返す羽目になってしまう。

(民を束ねる立場を目指すのであれば、向こう見ずな蛮勇よりも、思慮深い慎重さこそが求められるはずだ。周囲の者もそれは知っているはずなのだが……)

 見るとはなしに彼の様子を見ているうちに、ニグィはふと、おかしなことに気がついた。

 けれん味たっぷりな自慢話が終わり、カグチが至極ご満悦の様子で酒をあおった後、絶妙な間を置いて、彼の隣席に腰かけた男――こちらも、カグチとそれほど年が変わらぬ若者なのだが、見るからに落ち着いて、既にすっかり大人びた雰囲気を身につけている――が、そっと何やら話しかける。と、

「そうだ、そのことよ!」

 かがり火を挟んで向かい側に腰かけたニグィの耳にも届くほどに大声を張り上げ、カグチが、熱のこもった自慢話を、再びたらたらと垂れ流しはじめる――そんなことが、幾度か目についたのである。

(あれは……まさか、あおっておるのか?)

 酒と、自らが吐き出す勇壮な話とに酔い、かがり火に身を焼き焦がさんばかりの勢いで前のめりな言葉をはき続けるカグチのかたわらに座し、にこにこと目を細めながら――おそらくは、これまでに何度も何度も同じ話を聞いているのだろうに――男は、じっと話に耳を傾けている。

 と、こちらの視線に気がついたのか、不意に、男はこちらが驚くほどの素早さで振り向き、「ぎっ」と金属製の視線を浴びせかけてきた。

 ニグィは、とっさに、長年の交易で鍛え上げた「この上なく柔和な笑み」を浮かべ、丁寧な物腰で黙礼する。と、男もさるもの、一瞬垣間見せた剣呑なほど鋭い目つきを一瞬で拭い去り、ややはにかんだ、年相応の控えめな笑顔でもって、この上なく愛想のよい一礼を返してくる。

(……これは、油断のならぬ相手だ)

 男からゆっくり目線を外し、相手も目線をカグチに戻したのを確認したところで、ニグィは、隣に座り、旺盛な食欲を発揮している最中のマダカの肩を、そっとつついた。

「カグチの隣に座する……ああ、ククチですな。クムタクルの上の息子の子で、カグチよりやや年下なのですが、これがよくできた子でしてな。カグチに言われるがまま付き従いながら、ヤツがあまりに非道なことをしでかしそうになると、それとなくいさめたり、矛先を変えたりして、収めてくれるのです。若いながらに礼儀もわきまえておりますし、末頼もしい子ですよ……」

 目を細め、我がことのように嬉しげに、ククチの長所をあげて褒めそやすマダカにいちいちうなずきつつ、ニグィは、なにやらぞくりと背中を走るものを感じていた。

(末頼もしいのではない、末恐ろしいのだ。あれほどの若年ながら、自らの分をわきまえ、決して出過ぎることなく、それでいて、年上の兄貴分の首根っこを、さりげなく抑えられるとは……)

 そのような「できる男」が、なぜあえて主導権を握ろうとせず、思うがままにふるまうカガチに諾々と付き従い、あまつさえ、その蛮行をあおり、ますますおごり高ぶらせようとするのか。考えれば考えるほど、尋常でない危機感がつのる。

(とにかく、あの男には決して気を許さぬことだ……)

 なおもククチを持ち上げ続けるマダカに曖昧な笑みで応じながら、ニグィはひそかに、あの男には常に最大限の注意を払って接しなければならぬ、と自分に言い聞かせたのだった。


 翌朝。

 ニグィらは、予定通りまだ夜明けの光が地に達していない頃合いに、舟を(うみ)の上に浮かべた。

 寝過ごすことのないよう、昨晩の宴はあらかじめ酒の量を絞っていたというのに、それでも男衆のうち数人は、青い顔をして、いかにも調子が悪そうに、のろのろと身体を動かしている。

 それに対し、マダカ率いる男たちは、確かに自分たちの数倍は酒を飲んでいたにもかかわらず、皆しゃっきりとした様子で、きびきびと碇を上げ、帆を下ろし、櫂を操っている。

(普段、地にしがみついてはこつこつと作物を育て、酒を口にするといえばマツリの時に限られる我が里人と、舟の上をすみかとし、立ち寄る里ごとに宴を開いては飲み、かつ食べしている者たちとは、こうも違うものか……)

 感嘆の念を覚えながらも、同じく交易を生業としているがために、ニグィ本人も、しゃっきりと普段通り、確かな腕で舟を操りつつ、あちらこちらに目を配っている。

 それにしても、だらしないのはカグチだ。

 昨晩、一通りの宴が終わり、多くの者が家に帰ったり、あるいはその場に毛皮を敷いてごろりと横になったりしていく中、この若様は、取り巻きたちを従えてただ一人気炎を吐き続け、深夜に至るまでずっと酒をあおり、大声で自らの手柄を吹聴し続けていた(里人たちが青い顔でふらふらしているのは、酒のせいだけでなく、大声によって眠りを妨げられたため、というのが大きかったのだ)。深夜に至るまであれほどの大騒ぎを続けていては、きっと朝に差し支えるのではないかと、心ある者は皆、身体を横たえながらも眉をひそめ、懸念といらだちの視線を密やかに送っていたのだが……案の定、カグチは、皆が起き出した中でもただ一人高いびき。出航準備が全て整い、後はこの大荷物をどうにかするだけ、という段になって、里人が数人がかりで手荒く揺り起こしても、とろんとした目ををこすりこすり、犬のように這いずって船板の上に上がり、そこでまた大の字になって、があがあ眠り続けているのである。

 ニグィらの舟は、二艘の丸木舟に丸太を差し渡した、舟と筏の中間のような形の造りである。そのため、普通の舟に比べれば、格段に多くの人と荷物を載せられるようにはなっている。が、それでも、図体だけは一人前の男がそのど真ん中、帆柱の真下で大の字に寝入っているとなると、邪魔で仕方がない。

 漕ぎ手たちは仕方なく、彼の手足を踏みつけぬよう、気をつけて両舷に別れ、手足を折りたたんだ窮屈な格好で座り、水をかいているのだが……心なしか、昨日までよりも船足が落ちているように感じられる。

(まったくもって、世話のかかる若造であることよ……)

 「追っ手がすぐそばまで迫っている」と、うなじのあたりの肌がヒリヒリささやいている今、正しく「足手まとい」そのものであるこの傲慢な男に、さしものニグィですら、いらだちを禁じ得ない。

 目付役として、本来このような醜態が起こらぬよう目を光らせなければならぬはずの男――ククチにとがめるような視線を送ると、いかにも申し訳なさそうな表情こそ作ってみせるものの、何らの手を打とうとすることもなく、ただカグチのかたわらに座り込み――マダカの一族の者としては例外的に、このククチという男、ニグィらと同じように、地べたに尻をつけて、どっかりあぐらをかくのである――気遣わしげな視線を、若親分と、かたわらに置いた長い包みとの間で往復させるばかり。

(今日はあいにく、逆風。それでなくても船足が遅いというのに、この上漕ぎ手が満足に力を出せない、とくれば……)

 焦るニグィの心配が現実のものとなったのは、それから間もなくのことであった。

(おさ)!後ろ、後ろをご覧ください!」

 それまで船首で幼い子供の世話をするかたわら、昼餉の準備にいそしんでいたトゥジ子飼いの娘の一人が、ふと川上へ目を向けたその瞬間。みるみる血相を変え、金切り声に近い叫び声を上げた。

 すわ、と振り向き、はるかかなたに目をこらすと、確かに、ぽつんと芥子粒のような大きさのなにかが、水面と空との継ぎ目近くに在るのが見て取れる。

 と、みるみるうちに、芥子粒が砂粒、砂粒が米粒と、その姿が大きくなり……あっという間に、乗り組んでいる者の見分けがつくようになった。

(あれは……間違いない。ホヒだ)

 クニの者たちから譲り受けた、目が痛くなるほど鮮やかで、彩りに富んだ冠に、長衣。北の者たちの持つ技術と権威――そして、残酷さと冷徹さ――を象徴する装束に身を包み、ホヒは、丸木舟の舳先に座って、何やら叫んでいる。

(大方、「舟を止めよ」とか「クニを裏切る卑怯者」などと叫んでいるのであろうが……この距離で叫んだところで、到底こちらに届きはせぬが……)

 舟が波をけたてる音、櫂がしぶきを上げる音、帆がはためく音、丸木のきしむ音……(うみ)の上は、意外に様々な響く上、広々とした川面に音が吸われ、声が通らない。ニグィらについて、何度か交易にでたことがあるホヒとて、そのことを知らぬはずがない。にもかかわらずの怒声であるなら、それは、こちらを牽制するためではなく、自らの陣営の者たちを鼓舞し、叱咤激励する意図での「なじり声」なのかも知れぬ。

 果たして、追っ手の船足はますます上がり、こちらも必死で櫂を使い続けているというのに、みるみるその差を縮め――もはや、本当に声の届く距離にまで、近づいてくる。

「……我らが里の財を根こそぎ盗み逃げるとは、卑劣の極み!漕ぐ手を止めよ!おとなしく縛につけ!王に代わって、このホヒが、厳しく詮議(せんぎ)してくれる!」

 ニグィは、思わず顔をしかめた。

 まことにこちらの漕ぐ手の力を削ぎたいのであれば、言葉の鞭を振るってはならぬ、相手を追い詰めれば、ますます腕に力が入り、逃げ足が早まるのが人の情というもの……と、つい、里の大人(おびと)であった頃のように考え、彼の行動を批評していたのである。

 が。

 一瞬後、ニグィは、頭に浮かんだその「里を率いるものとして、なんとうかつな言葉か」といういらだちを、直ぐに改めた。

 先ほどの言葉からほぼ間を置かず――すなわち、相手が反応・返答するのはまず無理、という、刹那ほどの時間しか待たずに、

「ええい!これほど言うても止まらぬとは!もはやここまで!皆、弓を持て!」

 たたみかけるように――そして、言葉の端々に意気揚々とした調子をにじませて――ホヒが、そう叫んだのである。

(なるほどな。ここまできて、しおらしく投降などされては困るということか。できれば我ら全員引っ捕らえ、里へとしょっ引いていき、皆の前で処刑することで、里にくすぶっている「トゥジへの敬慕」を一掃し、クニを背景にした自らの支配を、盤石にしたいと。それがかなわぬのなら、せめてこの場で先代と、首謀者であるこの私だけは命を奪い、後々の火種をなくしておきたいと。そういう意図での言葉であったか……)

 ニグィにつき従い、里を後にしてきた者たちは、その人数こそ五十を数えるが、その内訳はといえば、トゥジの一族とその子供、先代にかしずく若い娘、そして、里の保守派である数名の大人とその親族と、ほとんどが女子供、初老を迎えた男ばかり。若い男は数えるほどしかいない。対するホヒら追跡組は、今が体力の盛りである屈強な男ばかりが揃っている。

 争いとなれば、土台が勝負にならないのである。

 それを見越して、この際、里の不平分子を一掃してしまおうと、彼らはそのつもりで舟に弓を積みこんできたに違いない。

(先ほどの、届かぬうちから声を張り上げる策といい、なかなか見事……といいたいところだが、いかんせん、まだまだ力不足よの。あれほどまでに急ぎ言葉を吐き、いそいそと弓をつがえているようでは、やすやすとその心根を読まれてしまう。おそらくは、クニによって授けられた策をそのまま、見事にやりおおせたつもりであろうが、まだまだ尻が青い……)

 少しは見直そうかと思ったものの、やはりまだまだ経験が足りぬ、これではやはり、里の舵取りを任すわけにはいかぬと、ニグィは――やはり、里の大人としての目でホヒを評し――渋い顔で首をゆっくりと振った。

 なんとものんきで、ある意味、おごり高ぶった態度だ。

 このような姿勢でいられたのも、ひとつには、事ここに至ってもまだ、ニグィはどこか、「同じ里で暮らす仲間なのだし、よもや、本気で矢を射かけてくることなどあるまい」と高をくくっていたからであった。外の世界を知る分、他の里人らに比べれば、かなり大きな危機感を抱き続けていた方であったとはいえ、それでもなお、内でも外でも大きな諍いなく、穏やかに暮らしてきた「呪い」に犯され、心のどこかに「ゆるみ」がこびりついていたのである。

 が、それも、ずが、と音を立て、足下の丸木に深々と矢が突き立つまでのことだった。

(射てきた……本気で、矢を射かけてきた……!)

 目を皿のように丸くし、信じられぬ思いで両足の間、あと少し高度があれば間違いなく自分の脾腹を貫いていた矢軸を、矢羽根をじっと見つめる、その耳元に、ひゅん、という音とともに、またしても矢が飛来し……

「ああっ!」

 うわずった悲鳴に振り向くと、自分のすぐ背後に座っていた若い娘の、生白い太ももに、深々と矢が刺さっていた。

 たちまち、その傷口から真っ赤な血がじくじくと流れ出し……その生々しい様子を目にしてようやく、ニグィは我に返ったのである。

「射てきたぞ!女子供は、皆、何かの後ろに隠れよ!戦える者は……」

 そこまで口にしたところで、ニグィは絶句した。

 戦える者など、誰もいない。

 これまで平和のうちに暮らし、安全を当然のものとして生きてきたがゆえに、戦いの技術などというものは、まるで伝えられておらず……せいぜい、見よう見まねで弓を放つ程度のことしかできない。もっとも、それは追っ手も同様で、先ほどから放たれている矢は、山なりの、なんとも弱々しい軌跡しか描かぬ「ひょろひょろ矢」ばかり。狙いもまるで定まらず、気をつけてさえいれば、そうそう当たるようなものではない。

(とはいうものの、我らはその「情けない矢」すら、射ち返すことができないのだがな……)

 あまりの情けなさに、力のない苦笑がにじみそうになるのをなんとかこらえ、ニグィは、叫んだ。

「皆、なるたけ身を低くし、何かかたいものの下に入り、身を守れ!そして、手の空いている者は、みな櫂を握れ!奴らの舟では、「うみ」に乗り出すことはかなわぬ!皆、気持ちを一つに「うみ」を目指すのだ!」

 言うが早いか、ニグィ本人も舟縁(ふなべり)へと急ぎ、憑かれたような勢いで、櫂を前後に振り始める。

 対抗する手段がないのならば仕方がない、残るは、逃げ出すのみ、と心を決めたのである。

 怪我人が出たことで、追っ手の「本気」を皆が肌で感じたせいか、先ほどまでと比べ、船足は一挙に伸び、近づきつつあった数艘の丸木舟との距離が、再び、徐々に開きはじめる。

 が。そこへ、

「油だ!油と、火種を持て!」

 ホヒの金切り声が、背後から追いつき……ニグィは、目の前が真っ暗になった。

 自分たちの技量では、この距離で船上の人間に致命傷などそうそう与えられぬ、と悟り、ならばと、火矢を射かけてくるつもりなのである。

(船板に火矢が刺さったとしても、叩き消せば済む。だが、もし帆に火矢が命中すれば……!)

 南方の植物の繊維を粗く織り上げた布でできた帆は、丈夫で、風雨によく耐えるが、火にはてきめん弱い。もしも火矢が命中すれば、たちまち燃え落ちてしまうに違いない。そうなれば、船足はがた落ちし、追っ手のさらなる追撃を許すこととなり……いずれ、とらわれることとなる。

(そうかといって、風上より吹き下ろす風を頼りに逃げている今、うかうかと帆を下ろすこともできぬ……)

 八方塞がりとなったニグィにできることといえば、

「皆のもの!漕げ!漕ぐのだ!」

 悲鳴に近い金切り声を張り上げ、自らも水車のような勢いで櫂を水にたたきつけては抜き、たたきつけては抜きを、ひたすら繰り返すことのみ。

 が……その努力もむなしく、やがて、ホヒの放った一射目の火矢が、ひゅうと風を切り、帆柱の根元、あとわずかで布に火が移るところに突き立った。

(もはや、これまでか……)

 近くに座していた者に火を叩き消すよう、すかさず命じ、自らはなおも力一杯櫂を操りながらも、ついそんな弱気が頭をかすめた、その時。

「熱っ!熱いではないか!」

 耳障りな甲高い声が上がった。

「人が気持ちよく寝ているというのに、なぜやけどしそうに熱いものをかける……ん?」

 カグチである。

 寝起きのせいか言葉がはっきりせず、「ヒロガキョーチヨクネレイルッテウノニナレヤエロヒソーニアウイモンヲカエル……」と呪文めいた言葉で、火を叩き消そうとしてた娘に食ってかかっていたのだが、突き立った矢と、その先に巻き付けられた、いまだくすぶっている布きれとを見て取った途端、

「敵か?敵だな!」

 言葉も姿勢も、いきなりしゃっきりとしたものになった。

 そのまま、矢の射られた方へと目を向け、追尾している舟を――そして、その舳先で、次なる火矢ををつがえようとしているホヒを――がっとにらみ据える。

「ククチ!」

 目線はホヒらの舟に据えたまま、年近き甥がそこに控えているのは当然といわんばかり、斜め後ろに左腕を伸ばし、ばっと手を開く。と、ククチはククチで、待ちかまえていたかのように、その手のひらに、なにやら細長いものを握らせる。

 手にしたそれ――彼の身長をも超えるほどに長い、大弓を、カグチは、おもむろに、自らの目の前に構えた。

 続いて手渡された矢をその弓の真ん中につがえると、カグチは両腕を高々と差し上げ、三日月を引き裂くようにして、ゆっくりと引き下ろしていく。

 ただでさえ不安定な舟上で、しかも、川面をかなりの速力で走っている最中である。当然ながら、舟は左右にかしぎ、震え、お辞儀をし、全く安定しない。が、そんな中、カグチの両足は、船板に吸い付いているかのように離れず、しなやかな足腰はその揺れの全てを吸収し、打ち消し……構えた両腕と上半身は、目標である一点に据えられたまま、微動だにしない。

(こ、これは……!)

 カグチのその姿を視界の端でとらえた途端、思わずニグィは漕ぐ手を止め……その姿を注視していた。

 礼儀知らずで傲岸不遜などうしようもないこの若者の、今にも矢を放とうとしているその立ち姿は、かつてニグィが少年の頃に憧れ、この上なくしなやかで美しいと感動した友、ヤズそのもの――いや、あのヤズの五体をさらにしなやかに磨き上げ、鍛え上げた――究極の捕食者、完全なる狩猟生物の姿だったのだ。

(そうか……ヤズよ、そなたは……そなたらは、そなたらの一族とは、もともと、こういう種族であったのだな……)

 遙か昔に山野をさまようことをやめ、地べたにすがり、耕すことで糧をえてきたニグィら「農耕民」とは、全く違う、人間のもう一つの姿。肉体を酷使し、その持つ力を極限まで「狩り」「戦闘」に特化させた、おそろしく、気高き獣。

 かつての自分が見入ってやまなかったヤズのあの姿は、安定した生存とひきかえに自分たちが葬り去った「もう一つの未来」に対する、遠い憧憬であったのだと、ニグィは、この時になってようやく、卒然と悟ったのである。

 ひどく長い時間のように感じられる刹那が過ぎ去り、カグチはふっと、指をゆるめた。

 反り返った弓がはじけると同時に、小川を流れる若鮎のようにまっすぐ、なめらかに矢は空中を切り裂き、狙い違わず――彼の放った矢が外れるなどということが、どうしてあり得ようか――びしり、と音を立ててホヒの胸元深くに突き立った。

「が、あっ!?」

 衝撃と、驚きと、そして痛みとを同時に覚えたのだろう。ホヒは、今にも放ちそうにつがえていた火矢を取り落とし、のけぞるような格好で、無様に崩れ落ちた。

「ほ、ホヒ殿!?」

「なんだ?どうしたのだ!」

「矢だ!胸に矢が!」

「まさか、返し矢だと!?……ぐあっ!」

 騒然とする追っ手の舟。おろおろと混乱し、棒立ちになった兵の背中に、カグチの放った矢が、再び突き立った。

「狙われているぞ!」

「バカな!相手は女子供に年寄りばかり……ぎ、ひいいいいいっ!」

 三本目の矢が、一人の男の顔面――右目に深々と根を生やし……驚愕と混乱のあまりだろう、男はそのまま竿立ちになると、体勢を崩し、頭から水面へ落下した。

「お、おい!落ちた!ヒキが落ちた!」

「引き上げねば!舟を止めよ!」

「いや、しかし、それでは逃がすぞ!」

「そうだが、では見捨てるのか!」

「そういうわけはない!だが!」

「どうせよと……」

「まさか、こんなことに……」

 指導者格のホヒは、船底に身を横たえ、動かないまま。その声に導かれ、励まされてここまでやってきた里人たちは、頭をつぶされた蛇同様、むやみにのたうち、狼狽して右往左往するだけで、行先がまるで定まらない。ために、その舟もまた、往き足が鈍り……再び、彼我の距離が少しずつ開きはじめた。

 そこへ、追い撃ちとばかりに、カグチは矢を射かける。

「……ぎゃあっ!」

 またもや悲鳴が上がり、どさり、と里人が一人、倒れ――斃れる。

 さらにもう一撃、と弓を引きしぼったところへ、その真ん前に、小柄な人影が、精一杯大きく手を広げ、立ちはだかった。

「やめろ!もう十分だ、やめろ!」

 クシナである。

 幼き頃より同じ里で過ごし、つい先までともに働き、ともに笑い合っていた「仲間」が、次々と斃れていくのを見かねたのだろう、その目には激怒の涙が光っている。

「ここまでやれば、もう追いつかれることはない!なのになぜ、まだ殺そうとする!」

 クシナの凜とした声は、それだけで相手をひるませ、萎縮させる響きを持つ。ましてや怒りのこもった声ともなれば、その効果は絶大で、相手がどれほどの巨漢であろうと、どれほど怒りに我を忘れていようとも、その矢面に立つやいなや、桶いっぱいの水を頭から浴びせられたかのようにしおれ、縮こまり、すごすごと非を認め、立ち去っていく羽目になる。

 現に、昨日は少々冷たい言葉を浴びせられただけで、カグチはしょげかえり、なにもできぬまま、尻尾をたれてすごすごと引き下がった。が……この時の彼は違っていた。

 殺戮の興奮に酔っていたのか、それとも、クシナの言葉にひそむ「甘さ」に、どうしても許せぬ「なにか」を感じ取ったのか……無類の暴れん坊は、弓を引き戻し、つがえていた矢を弓手で手挟むと、空いた右手で、思い切りクシナの頬を叩いたのである。

 ぱぁん、と小気味よい音が水面を走り、はるか遠くの岸にまでこだました。

「な……なにをする!」

 打たれた片頬を手で押さえ、衝撃と驚きに、目を大きく見開き、つり上げて、クシナは叫んだ。

 が。

「おなごが狩りやいくさに口を出すな!」

 その叫び声を圧倒する声量で、カグチが吠えた。

 その声の内にある、誇り高い男の純粋な怒りを感じ取ったのか、さすがのクシナも、あ、う、と言葉にならぬ声を発するので精一杯。冷静沈着な仮面も剥げ落ち、戸惑った顔で、ただじっとカグチを見つめている。

「奴らは、我らに向かって、殺す気で矢を射かけてきた!ならば、奴らも我らに殺される覚悟があったということだ!いくさとは、敵とはそういうもの。ままごとではない、命をかけたやりとりなのだ!」

「で、でも、ホヒやヒキは、我らの里の仲間で……」

「分からぬやつだな!お前は、仲間を射殺そうとするのか?矢を、それも火矢を射かけてきた時点で、奴らは仲間ではなく、敵になったのだ!」

「でも……でも……」

「殺す気でくる相手には、こちらも殺す気でかからねばならぬ。気を抜けば、足下をすくわれるからな。それが、いくさというものだ。だから、おれは奴らを斃した!そのおかげで、お前らは助かった!感謝されこそすれ、なぜ責められねばならぬ!」

「…………」

 とうとうクシナはなにも言うことができなくなった。拳を握りしめたまま、じっとうつむき、しばらくの間、上目遣いにカグチをにらみつけ……それからぷいと顔をそらすと、そのまま、人の少ない船首の方へ向かい、そこで、誰にも顔を向けることなく、どさっと座り込む。

 ニグィは、櫂を持つ腕を力一杯動かしつつ、彼女の剣呑な後ろ姿を気遣わしげに見つめていた。

(はじめて見たな、クシナが言い負かされるところなど……屈辱と敗北感で、また無茶なことをしでかさないといいのだが。しかし、今回の言い合いは……)

 カグチに圧倒的に分がある、とニグィには感じられた。

 カグチらは、狩りを生業にして生きる民である。

 大地に生える、物言わぬ植物たちとともに生きるニグィらとは違い、カグチらが相手にするのは、生きて動き回る動物たち。自らの命を守るため、必死に逃げ回り、狩人たちの虚を突いてだまくらかし、そして、いよいよ追い詰められれば、全身の毛を逆立てて、牙を剥く。

 ねずみやうさぎといった、ひ弱そうに見える小動物であっても、安易な気持ちでちょっかいを出そうものなら、思わぬ反撃を食らい、ひどい怪我を負わされることもありうる。ましてや、相手が話に聞く熊や虎といった、巨大な、おそろしい生き物であれば、一瞬の油断で、狩る者と狩られる者立場が逆転し、自らが命を落とす結果になることすら、あり得るだろう。

 そういう意味で、狩る者も狩られる者も、命の重さは同じであり、であるからこそ、相手が牙を剥くのであれば、こちらの命が危うくなる前に、全身全霊をもって、相手の息の根を止める。それが、カグチらにとって――そしておそらく、北の民にとっても――当然の考え方なのである。

(われらは今まで、争いのない、飢えることのない土地に生きてきた。骨惜しみをせず土を耕し、草をとり、稲を刈りさえしていれば、どうにか生きてこられた。隣の里との争いごとも、せいぜい小競り合い程度で、膝を交えてじっくり話さえすれば、なんとか解決できることばかりだった。だが……それはたまたま恵まれていただけに過ぎなかったのだ。人に恵まれ、土地に恵まれ、風に、日に恵まれていたから、穏やかに、ぬくぬくと生きていくことができたに過ぎなかったのだ……)

「ええい、せっかく敵を立て続けに仕留め、よい心地であったというのに、全く面白くない!あの調子であれば、もう後三人は仕留めることができた!長きにわたり、人に謳われるほどの手柄を立てられるところであったというのに、本当に面白くないわ!」

 おなごに手を上げた後ろめたさのせいか、ことさら大声で不満を述べたてると、カグチは、その身を放り出すように床へ腰を下ろし、そのまま、ごろりと横になった。

 その姿を――そして、その横で、うっちゃられた弓矢を拾い上げ、丁寧に布で包み直しているククチを――じっと眺めつつ、ニグィはさらに、

(人を殺したことに恐怖や後悔を覚えるどころか、それを誇り、さらに多くの者を殺そう、などと貪欲に考えるカグチは、我らからすれば、ただただおそろしい、忌むべき者のように感じられる。だが、厳しい土地で生きていくには、そのような考えこそが必要で……そして、この先どんどん、天下は厳しい土地へと化していくはず。我らも、そろそろ考えを改めねばならぬのかも知れぬ。少なくとも、荒ぶる者たちと大過なく付き合うやり方を、この先は覚えていかねばならぬ……)

 舟の真ん中でふて寝を決め込むカグチと、ただでさえ小さい身体を小さく縮め、船べりにあごを乗せるようにして、船の進む方をじっと眺めているクシナを、かわるがわる、気遣わしげに見つめつつ、ニグィは、櫂を持つ手に一層の力を込めたのであった。



     6

 追跡してきたホヒを撃退した後は、穏やかな船旅が続いた。

 (うみ)は、もはや流れているのかどうかも定かではないほどの流れしかなく、船を進める力として、全くの役立たずとなっていたが、その分、穏やかな風が帆をふくらませ、ゆったりと舟を川下へと押し流してくれる。

 これならば、漕ぎ手の数を減らしてもよいかも知れぬ、と思っていたところに、

「里長どの、そなたは船出よりずっと、櫂を握りっぱなしではないですか。そろそろ、一度休まれてはいかがか」

と、先代が声をかけてくれる。

 ありがたくその申し出に従い、櫂を置くと、ニグィは、先代が用意してくれていたかゆを、ありがたく受け取った。

(おお……熱々ではないか)

 匙でかゆをかき回し、ふうふうと息を吹きかけつつ、ゆっくりと口へ運ぶ。

 この船旅がはじまって以来、といっていい、ゆったりくつろいだ気分に包まれ、気がつけば、おのずと頬に笑みが浮かんでいる。

(ああ……なんとも心地よいことだ……)

 いつの間にやら空になっていた器を先代へと手渡すと、ニグィは、船べりに身体をもたせかけ、ふと、目を江へと転じた。

 川幅があまりに広くなったためか、もはや岸辺は目にすることができない。灰色の平坦な水がどこまでも広がる中、斜め前方に、ぽつりぽつりと仲間の舟が浮いているのを、かろうじて見てとれるだけで、後は、なにひとつ目に映るものもない。

 あまりに茫洋とした、代わり映えのない光景に、つい、舟が静止してるかのような錯覚を覚えるが、目をつぶり、よくよく耳を澄ますと、さぶさぶとかすかな音を立て、舟が水面を進む、確かな音が聞こえてくる。

 柔らかい風に頬をなでられながら、じっと船音に身を任せているうちに、ニグィは、いつの間にか寝入ってしまっていたらしい。

 それから、どれほど時が経った頃なのか……ふと、身体を揺さぶられる気配を感じ、ニグィは、うっすらと目を開いた。

 色あせた青空と糸のような白雲を背景に、じっと自分を見下ろしている先代の滋味あふれる顔が、目に映る。

 と、その顔にやさしい笑顔が宿った。

「ニグィどの。起きてご覧なさい」

 事情の飲み込めぬまま、船べりに手をかけて身体を起こし、目を舟の外へと向ける。

 と、そこには、今まで見たこともない光景が広がっていた。

 空こそ、先ほどまでと変わらず、穏やかにややかすんだ青を頭上に広げている。が、その空を――江の上をさえずりながら飛んでいた小鳥の姿は、もうどこにも見えない。代わりに、大きな翼を悠々と広げ、風を切るように進む鳥の群れが、ぎゃあぎゃあとかまびすしい声を、はるか高空から、遠く響かせている。

 そのまま、視線をやや下に転ずれば、雲を浮かべた空よりも濃い、どこまでも深い青――群青の水が、どこまでもどこまでも、空と交わり消え去るところまで、ずっとはるかに続いている。

 そして、細かなさざ波はどこかへ消え、その代わりに、大きなうねりが、時折白いしぶきをてっぺんにまといながら次々と押し寄せ、そのたび、ざあん、ざざあん、と激しい雨のような音を立て、後方へと流れていく。

 今しも、船べりを飛び越えて飛んできた白いあぶくが、ぴちゃりとニグィのはりつき、反射的に手で拭ったのだが――心なしか、江の水よりもやや粘り気があるように感じられた――ニグィは、はっとしたように、その水に濡れた指先を、そっと口に含んだ。

 からい。

 ほんのわずかの水しか口にしていないはずなのに、里で作るごった煮汁よりもまだ塩辛く、あまりの刺激に、舌がびりびりする。

 これは……間違いない、ヤズから聞いたとおりだ……!

 ニグィは、にわかにガバッと立ち上がると、舟の舳先へとつんのめるように急いだ。

 うねりに合わせて舟は上下し、そのてっぺんに乗り上げてはどうにか乗り越え、速度を上げて谷間へと向かい、そこでまたうねりにぶつかっては、舳先を情報へと向け、水塊でできた坂を上り……というのを繰り返している。うねりのてっぺんへさしかかる一瞬だけ、視界が開け、前方やや遠くに、僚船が――ニグィらの舟と同様、やっとの事でうねりを乗り越え、きりきり舞いしながら進んでいる――目に入る。

 莫大な量の水。見当もつかないほど広大な、どこまでも続く水。そして絶え間なく、いつまでも続くうねり――波。

 「うみ」だ……(うみ)をでて、ついに、「まことのうみ」へ出たのだ……。

 不意に、ニグィの脳裏に、はにかんだ、しかし開けっぴろげの、この上なく人なつこい笑顔が蘇り、同時に、

「この水をどんどん下っていくと、やがて、向こう岸がなくなる。水の色も変わって、もっともっと深い、透明な濃い青になる。そして、水の表面が大きく揺らぎ出すんだ。おれたちは「なみ」って呼んでる……」

 そんな声が、響き渡った。

 ヤズ。おれは、やってきたぞ。おまえが言ってた「うみ」へ、とうとうやってきたんだ……。

 望んでやってきた「うみ」ではない。

 むしろ、敵に――時代に追い立てられるようにして、里を捨て、逃げ出してきたあげくの「うみ」だ。

 この先、いまだ見たこともない土地に住みつき、血をつなぎ、一族を絶やさず生きていけるのか、そのために、どれほどの苦労をしなければならぬのか……先はまさに真っ暗闇で、一体これからどうなるのか、見当すらつかない。

 が……今この時、現在の不安も、将来の懸念も、ニグィの胸中からは吹き飛び、ただただ、理解を超えるほどの莫大な、巨大な何かに対する畏怖と感動だけが、彼をいっぱいに満たしていた。

 すごいや……これが、これが「うみ」なんだ……ヤズ、お前の言ったとおりだ、ここは、なんてすごいんだ……。

 目から噴き出した熱い液体が頬を伝い、風に拭かれてへばりつく波頭と混じり合う。

 外からもたらされるからい「うみ」の水と、身体の内側から湧き上がるからい涙と、双方で顔をぐしゃぐしゃにしながら、それでもその頬に、ヤズが乗り移ったかのような満面の、少年のような笑みを浮かべて、ニグィは、ただひたすら、じっと舟の進む先を見つめていたのだった。




今回投稿分で、「弥生の空に1 出航編」は完結です。次作「弥生の空に2 移住編」は、住み慣れた里を離れ、いよいよ未知の土地目指して出航した一行が、目的の土地へたどり着いたところから、話がはじまります。主人公もニグィからクシナへとバトンタッチし、中国南部から日本へとたどり着いた一行が、四苦八苦しながら現地の自然や人間と折り合いをつけていくさまが描かれる――予定です。

そちらも近日――おそらく10月中には投稿を開始する予定ですので、ご笑覧くだされば幸いです。

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