第6話 鬼と書いてサカキと読みます
おはようございます!
時刻は8時20分でございます。
・・・うふふ、ええ、分かっていますとも!寝坊したんですよ!
今から、身支度して、ご飯食べて、たとえ転移しても、8時半までに登校は無理!
授業は8時50分から始まるので、問題は無い!
えへへ、ご飯食べてこよ♪
***
「すみませんでした!もう二度としません(怖いヒィー(((゜Д゜)))ガタガタ)」
ただいま、教室の外で正妃候補が護衛騎士に謝り倒すという、一風変わった光景が繰り広げられていた。
結果からいうと、学園に到着したのは始業3分前でした。教室の目の前に転移したら、サカキの姿が見当たらない!
だけど、探していたら授業に間に合わない!
ってことで・・・・・・、授業を優先しちゃいました (ノ∇≦*)
1時間目の授業が終わって、サカキを探しに行こうと教室のドアを開けたら・・・
目の前に鬼がいたんです((( ゜д゜;)))
あっ、間違えた。鬼のような形相をしたサカキがいたんです。
「私は、言いましたよね?到着の際には、『必ず』声を掛てくださいと、まさか聞いていなかったのですか?」
お、怒ってる。物凄く怒っている・・・。
「はい!いえ、聞こえていたし、忘れていません!ただ、チョット朝に弱くて・・・、1人で起きるのも苦手で・・・、今までは寮の友達に起こしてもらってたから・・・・・・・・・いえ、すみません・・・」
チラリと顔を見ると、まだ鬼の形相を維持していた(怖)。
「とにかく、今後はメイドに起こしてもらうなりして下さい。わかっていますか?私はあなたの護衛です。それが仕事なのに、護衛対象の位置が把握できないなんてあってはならないんです!」
そ、そうだよね・・・。サカキは仕事で護衛してくれてるのに、私が好き勝手して何かあったら、サカキの責任になっちゃうんだ・・・。
「ほんとうに、ごめんなさい。明日からは後宮(仮)に8時半に迎えに来て下さい。」
「?馬車で行くのならもっと早く・・・」
「いいえ、サカキも一緒に転移すれば問題ないでしょ?恥ずかしいんだけど、これから先も、正直遅刻しない!なんて自信はないんだ。それなら、一緒に転移するほうが遅刻も何もないでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
なんだろ?めっちゃ見られてる。
私、なんか変なこと言ったかな?
サカキが声を発するのを待っていたら、次の授業の開始を告げるベルが鳴ってしまった。
「じゃ、授業あるから・・・、ほんとうに、ごめんね?」
最後に、もう一度謝罪をし、教室の中に戻った。
***
今日の授業が終わったことを知らせるベルが学園中に響き渡ると、んッと伸びをして首をほぐす様にコキコキと回してみた。
そんなことをしていたら、高校に入ってからできた友達、ナナ・サナカがニヤニヤしながら私の机に近寄ってきた。
「カ~ズ~サ!見たよ~、昨日!!選ばれちゃったか~(笑)凄かったね、あの馬車!」
そりゃ、見るわな・・・。校門であんなケバケバしい馬車を横付けしたら、そりゃ~目立ちますよ。
「ウルサイヽ(`Д´)ノ!ほっとけ。人事だからって面白がってさ」
サバサバした性格で、水色の瞳に黒髪という美しい容姿をしていた。
くっそう!私もこのくらい綺麗なら・・・、もっと自分に自信が出来たのに!
「アハハ、まぁ、仕方ないよ。この国の伝統でしょ?で、もう皇帝陛下に会ったの?他の候補者はどうだった?勝てそう?」
「・・・・・・・まだ。会ったのは執事とメイドと護衛騎士だけ。後で他の候補者のリストくれるとか言ってたから今日帰ったら貰えるんじゃないかな?皇帝陛下の方はまだ何にも聞いてないよ。それにこれは勝負じゃないし」
「おおッ!護衛騎士!!カッコイイね~、いいじゃん、いいじゃん!もしかしたら、未来の后妃だもんね、今のうちにしっかり仲良くならなくっちゃ!」
何でも思っていることを、口に出して言ってくれる為、サナカとは友人としていい関係を続けていられる。だけど、物ッ凄いミーハーなんです。
恋愛、修羅場、愛憎大好き!
この残念な性格さえなければ、今頃恋人の1人もいたことであろう・・・。
「サナカは楽しそうでいいね・・・、私は今から憂鬱でならないよ。早く1年終わらないかな・・・」
「何言ってんのよ!割り切っちゃえ!そのほうが特でしょ?この学園で室長になれて、しかも魔法の腕は天下一品!顔だって絶世の美女ではないけど、可愛い顔してるよ?」
サナカはサナカなりに、私の事を心配してくれていたんだ。
きっとわざと深刻にならないようにしてくれているんだろうな・・・。
「あっ、皇帝陛下と何か進展あったら教えてね?」
・・・・・・前言撤回。