第3話 長い沈黙の気まずさは、経験しないとわかりません
2時間後、私はソファーの上でぐったりと力尽きていた。
何故かって?
アリサが、淡々と2時間ずっーーーと、後宮(仮)で過ごす為のルールをお話してくれたからです。
2時間ですよ?
1、食事は部屋で取ることも、食堂で取ることも可能
2、予定外の外出の際は必ず報告すること。また、その際は必ず護衛騎士を付けること
3、最低でも、月に3度は皇帝陛下と2人で過ごすこと
5、皇帝陛下への取り次ぎには、執事のコウ・アズマを通すこと
4、月に1度行われる茶会は皇帝陛下も出席なさるので、候補者全員が出席すること
5、基本的に今までの生活、仕事などはそのままでよい
こんな感じでした。後は、細かいことを延々と・・・。
って、憶えきれるかーーーーーー!(怒)
「こんな感じでしょうか?わからないことや憶えれなかったこと(チッ)は、いつでも聞いて下さい。後は・・・今回の候補者のリストを後ほどお持ちいたしますので、目だけ通しておいて下さい。夜のお食事はどちらでお取りになりますか?」
この人舌打ちしたよ!?なんか、怖ッ!
「へ、部屋で食べます・・・」
「!!あぁ、そうでした、カズサ様は食べられないものなどはございませんか?」
「へ?大丈夫です。何でも食べれます」
「畏まりました。すぐに用意致します」
そう言うと、アリサは部屋を出て行ってしまった。
当然、部屋には護衛騎士のサカキと2人だけになったわけですが・・・。
気まずい・・・。沈黙が!!なんて息苦しい空間!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何コレ?どうすればいいわけ!?
もう腹黒くても何でもいいから、この気まずい空間を打ち破って欲しいよ!
コンコンコン
何の我慢大会かと思うほどの部屋の沈黙を打ち破ったのは、アリサのノックだった。
「失礼致します。続きの間にお食事の用意が整いました。お食事にメイドはお付けになられますか?」
「いいえ、1人で食べれます。ありがとう。食べ終わったらどうすればいいですか?」
「伝心鏡でお呼び下さい。では、失礼致します」
ゆっくりとアリサが部屋から出て行くと、サカキがドアに向かって歩いて行く。
「?」
首を傾げてその様子を伺っていると、こちらを向いたサカキと目が合ってしまった。
なんとなく、真正面からサカキの顔を見たのが初めてな気がして、マジマジと見てしまった。
よく見ると、意外と端正な顔をしているし、髪の色は・・・・・・、あーゆう色って何色っていうんだろ?青みを帯びた銀色?そんな感じ。歳もアリサと同じくらいに見える。
20代中盤か後半ぐらいだろうか?
かなり落ち着いていて、場慣れしているのは経験値が高いのかな?
ジーとサカキを凝視(観察)している私に、サカキは小さく嘆息した。
すると、苦笑いのような複雑な表情をしながらこちらに歩み寄ってきた(なんか怖い)。
「私は外で待機しますので御用の際にはお呼び下さい。22時以降は夜間となり、後宮(仮)の夜間警備担当の騎士が警護致しますので、私は失礼させていただきますが、何かあれば扉の外に声をかけていただければ警備のものが対応致します。明日は何時に伺えばよろしいですか?」
あぁ、それはそうだよね。うん。1日中べったり引っ付いているワケないもんね。
よかった~(笑)
「はい、お気遣いありがとうございます。明日は学園にいつも通りの時間に登校しますので・・・、ってココから学園までどのくらいかかります?」
「馬車で30分ぐらいだと思いますが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無理!!そんなに早くに起きれない!
今までは学園の寮から登校だったから10分で着いたけど、30分?起きて、ご飯食べて、着替えて・・・、無理!!!
「無理!!!」
「は?」
「そんなに早く起きれないから!」
「・・・。」
あぁ!白い目で見られてる(滝汗)
絶対に、この小娘、わがままばかり言いやがって。とかとか思っているに違いないよ(泣)
それでも、無理だもん!こうなったら、必殺!最終手段!
「・・・、あのっ、魔法で転移しちゃ駄目ですか?」