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性春時代  作者: あかいとまと
春休み
49/50

カズの再出発と新たな人生

### 最終章 カズの再出発と新たな人生


 カズが行方をくらまして、再び戻って本を出版するまでに9年もの年月が過ぎていた。


 カズも25歳になり、人生を落ち着かせたいと考えるようになっていた。


 マンガ家や小説家を引退した訳ではないが、活動は控えていた。


 カズはもう、他人に寄り付かれ、騙されたり利用されたりするのが、つくづく嫌な思い出になっていたのだ。


「なあ、ハヤト。オレ、そろそろ落ち着きたいな」


 久し振りに訪ねたハヤトの部屋で、カズがそう言うと、ハヤトが言った。


「そういえば、お前がいなくなった事でマサシがものすごく心配してたぞ」


 久し振りに聞いたその名前に、カズの心は大きく揺らいだ。


「連絡はしたのか?」


 そう尋ねるハヤトに、カズは、


「いや⋯⋯全然」


 と、力なく応えた。


「お前が中退したのでも大騒ぎだったのに、行方をくらますんだもんな。そりゃあ、マサシも心配はするよ」


 カズの顔を正面から見つめながら話すハヤトに、カズは、


「ゴメン。でもオレ、一人になる時間が必要だったんだ」


 そう言うと、


「俺にじゃなく、マサシに謝ってやれよ」


 カズは、ハヤトの言葉に胸を刺されるような思いを感じた。


 マサシのことを思い出すと、心の奥底に封じ込めていた感情が一気に溢れ出してきた。


 かつての友情、そして裏切りに近い出来事。


 カズはその記憶を振り払うように、目を伏せた。


「マサシには⋯⋯もう会いたくないんだ、オレ」


 ハヤトは少し驚いた表情を見せたが、すぐに納得したようにうなずいた。


「そうか。でも、お前が戻ってきたって知ったら、絶対会いに来るぜ。昔から、お前が何をしてても、マサシは気にしすぎなくらい応援してたみたいだからな」


 カズは、少しの間沈黙した。


 そして、静かに口を開いた。


「オレがいなくなったのは、ただ逃げたかったからじゃない。本当は⋯⋯マサシに会いたくなかったんだ」


 ハヤトは黙ってカズの話を聞いていた。


「あの時、オレが行方をくらました理由、マサシは知ってるのか?」


「いや、誰にも言ってなかったからな。お前が急にいなくなって、マサシも必死に探したけど、連絡もつかないし、住所も分からなくて、結局諦めたんだ」


 カズは、少し苦しそうに眉をひそめた。


「オレ、あの時、マサシに裏切られたって思ってたんだ。でも、今なら分かる。マサシはオレのことを思ってくれてたんだってことが」


「どういうことだ?」


「オレが漫画を描いてた頃、マサシはよく『無理してるんじゃない?』って言って心配してた。でもオレ、売れたい一心で、彼の言葉を邪険にしてた。そして、ある時、彼が他の奴と仲良くしているのを見て嫉妬したんだ⋯⋯。オレはマサシを責めようとした。その時、マサシが『オレが悪かった』って泣いてたのを思い出した。オレはその時、マサシを責めたかったんだ。でも、本当はオレが全部、自分で招いたことだったんだ」


ハヤトは静かにうなずいた。


「だから、オレ、一人でいる必要があった。自分の人生を、自分の手で立て直すまで、誰にも会いたくなかった。でも、今なら⋯⋯もう大丈夫だと思う」


 カズは、少し笑みを浮かべた。


「オレ、もう漫画は描かないかもしれない。でも、小説は書き続けたいって思ってる。自分の言葉で、自分の物語を伝えたいんだ」


 ハヤトは、少し驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔になった。


「お前が小説家を選ぶか⋯⋯。なんか、似合いそうだな」


 カズは、はにかんだように目を細めた。


「でも、まだ誰にも言わないでくれよ。まだ、続けていく自信ないし⋯⋯」


「分かった。でも、マサシには会ってやれよ。お前が戻ってきたって知ったら、きっと喜ぶ」


 カズは少し考えた後、静かにうなずいた。


「⋯⋯分かった。今度、誘ってみてくれないか?」


 ハヤトは嬉しそうに笑った。


「ああ、いいぜ。お前らがまた会えるの、楽しみだ」


 それから数日後、カズはマサシと再会した。


 場所は、かつて彼らがよく集まった喫茶店。


 時が経ち、店内の雰囲気も少し変わっていたが、カズにはどこか懐かしい場所だった。


 マサシは、カズを見た瞬間、涙を流した。


 それほどまでに、カズのことを心配していたのだ。


「カズ⋯⋯本当に、どこに行ってたんだよ」


 カズは、マサシの顔を見て、自分の人生を支えてくれた友人の存在に、心から感謝した。


「ゴメンな、マサシ。オレ、もう大丈夫だ。これからは、ちゃんと前に進むよ」


 マサシは、涙を拭いながら笑った。


「お前が戻ってきてくれただけで、それだけで十分だよ」


 カズは、少しの間沈黙した。


 そして、静かに口を開いた。


「実はな、マサシ。言いにくい事なんだが⋯⋯オレ、お前と初めて出逢った時から、お前のことが好きだったんだ」


「⋯⋯えっ!?」


 動揺したようにマサシが言う。


「お前と出逢った時、ものすごく懐かしいような運命を感じたんだ。それからずっと、お前のことが好きだった」


「実は俺も⋯⋯初めて声をかけられた時からカズの事が気になっていたんだ」


 カズはその答えを聞いて目を見開いた。


「なら、オレたち⋯⋯一緒に暮らさないか?」


 カズのその言葉に、マサシは一瞬考えた後、


「うん、いいよ」


 と笑って答えた。


「おいおい、お二人さん。俺がいることも忘れるなよ?」


 そう言って、ハヤトが二人の話を遮る。


「でも、ハッピーエンドになりそうで安心した。ま、カズはオレと一緒になるのかとも思ったりもしてたけど(笑)」


 ウインクしながら言うハヤトに、


「それもあり得たかも(笑)」


 と、カズが答える。


 カズは、ようやく心の傷を癒し、新たな人生を歩み始めた。


 小説家として、そして恋人として、マサシと共に歩む未来を信じて。


 そして、ハヤトという良き親友の存在も、カズの人生を支えてくれた。


 カズは、ようやく自分自身を受け入れ、本当の幸せを見つけた。


――そして、その物語は、これからも続いていく。






☆☆☆END☆☆☆







 この物語は、私の過去を思い返し「こうだったら良かったのに」という内容を書き連ねて来ました。


 ハヤトは完全に想像上の人物ですが、ケンゴやマサシには性格は違いますがモデルがいます。


 カズは自分の理想を重ねました。


 実は私もだいぶ過去にマンガと小説で賞を頂くような経験があったのですが、親に反対をされて未来の全ての可能性をダメにされた経験があります。


 その為、マンガでも小説でも他の方に賞が渡り、私は受賞することが叶いませんでした。


 だからこそカズには自由にして欲しかった。


 未来を叶えて欲しかった。


 そんな思いを込めて書きました。


 それから、私にもマサシのように感じる人物がいました。


 出逢った瞬間に運命を感じた人。


 でも、その方とは1年半で別れました。


 だから、カズには幸せになって貰いたかったのです。


 本当にこの物語は私の想像上の理想の思い出です。


 ここまで読んで下さった方、お気に入りやいいねをつけて下さった方には本当に感謝致します!!


 もしかすると、未来のカズとマサシ(ハヤトも)を書くかも知れませんが、今のところは予定はありません。


 読んで下さった方、本当に、本当にありがとうございました!!




追伸:作品の中に出て来た「ON@獅子丸」は実在の人物です。


 SNSサイトを中心にファンを集めて世界中に無料で音楽を配信している人物です。


 実際のことも書いてありますが、本名や住所などは明かせませんので架空のものにしてあります。


 「赤い糸2」という曲は、これを書いている時点ではまだ未発表の曲です。


 ON@獅子丸は普段はPOPSを中心に活動してますが、ROCKや演歌も手掛けています。


 中国人の偽物やなりすましが現れた事でSNSでの配信をやめてしまいましたが、どうかON@獅子丸の活動を応援してやって下さい。


 8月11日(月)から全世界の配信サイトで世界に向けて昔の曲から配信され始めました。楽曲の順番は違うようですが、確かに配信されています。


 SpotifyやAppleMusic、iTuneMusic、LINEMusic、AmazonMusic、その他150を超える配信サイトにて配信が始まっています。


 皆さんもON@獅子丸の曲を聴いてみて下さい。


 あなたのお気に入りの曲に出逢えるかも知れません。




2025年9月25日よりON@獅子丸さん作詞作曲の性春時代のイメージソングがTikTokにより発表されました✨

期間限定という事で、今年中には削除するかも、、、という事ですが、お聴きになりたかったら早目にTikTokで「作詞作曲家ON@獅子丸」で検索してみて下さい(=^・^=)

カズ目線で曲が作られています。

皆さん聴いてみて下さ~い✌

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