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76、それは長い始まりの物語

 なんだか最近全然投稿できなくてすみません!ちょっと忙しくて書く暇がなく、、、、、気長に待っていただけると嬉しいです!探偵メイドや光明の魔女の方もそのうち更新すると思います!ほんとすみません!!


 わたくし――いや、私、ユナ・マシーラは、“天候を操る一族”と呼ばれたヒレイアの一人だった。


 私の母は小さい頃から好奇心旺盛な性格で、一族にいた頃は、“外”の世界に興味があったためにその賢い頭を駆使して、よく“外”に出ようとした問題児だったらしい。

 しかし、子供の頃ならまだしも、年頃の少女に成長してもまだ外への興味を枯らさなかった母は、両親だけではなく、小さかった頃は『単なる子供の妄想』と片付けて可愛がってくれていた一族の叔父や叔母、そして一族が大きくなっていくにつれ増えた村の者、更には一族の長にまで厄介者にされていた。

 それでも一族の者である限り、山の外へ出すわけには行かず、母が持つ知識と頭脳を一族の繁栄に役立て、本人に対しては尊重も何もしないという、いわゆる飼い殺し状態だったという。


 しかし、そんな扱い、母が黙っているわけがなかった。母は昔からの取り柄だった賢い頭と魔術の腕を駆使して、一族が住む山から下りた。

 それが判明したとき、ヒレイアの者たちはとても慌てたが、長は動じず、母の好きにすれば良い、どうせそのうち帰って来る、と落ち着き払った。

 村の者もその落ち着きぶりに感化され、まぁそうだよなと、母が帰るのをのんびりと待つようになっていった。母の頭脳は、いつしか一族には必要不可欠のものとなっていたのだ。


 しかし、一族の考えは裏切られた。外へと下りた母は徐々に外の世界に慣れていき、戦士となり、そして国のお抱え魔術師を指す王宮魔術師となっていた。

 これには一族も驚いた。同時にひどく焦った。このままだと、一族の情報や秘術が漏れてしまうやもしれぬ、と。

 そのときにはとっくに長も死んでおり、新しくその役に着いた母の父方の祖父は、母を取り戻そうと躍起になった。

 しかし、一族がどうしようとも、母が再び山に入ることはなかった。


 母はその際、父と結婚し、私を産んだのだと思う。

 

 母は幸せの絶頂だった。

 大好きな人と幸せな家庭を作り、人々の役に立てる魔術師は天職だったと言えた。

 だが、その幸せも長くは続かなかった。

 母が扱える魔術には一族の秘術ももちろんあった。世の中では一族のことは一般的に“天候を操る一族”と呼ばれたが、天気を変える魔術の他にも、秘術と言える術はあった。

 そのことを母は父にしか言っていなかった。そんなことが漏れてしまえば、一族の存続に関わる。一族の中には、隠れて自分を大切にしてくれた人もいたのだ。情報が流出してしまえば、その人達に迷惑がかかってしまうかもしれない、と。

 父は最初はそのことに理解していた。が、だんだんと父は金に目がくらみ、そのことを国の頂点、国王に言ってしまった。

 王は激怒した。なぜそのことを我に申さなかった、そなたが国のために尽くすと誓ったのは、嘘であったのか、と。

 母は国家反逆罪として牢に入れられた。それは魔術師専用の、暗く、淀んだ檻だった。

 私は犯罪者の娘として、施設に入れられてあとはいじめの標的にされた。この時期は、私の嘘に塗られた人生の中で、一番辛かった。


 母は嘆き悲しんだ。こんなことになるならば、山を出なければよかった、自分がここに来たのは、やはり間違いだったのだ、と。

 しかし、今更後悔してももう遅いのだ。娘と父から引き離された母は、最初こそ泣いて悲しんだものの、一生檻から出ることができないと知ったとたん、母はおかしくなっていった。

 1日中笑い転げ、たまになにかに取り憑かれたように叫び、のたうち回った。その頃には、元気で好奇心旺盛で美しかった母の面影は、もうどこにもなかったという。

 そのうち、こんな虚言を言うこともあった。



――私は悪くないっ!全部、この国が悪いのよ!そう!私だってまだ一族の末端なの!その気になれば、この国を滅ぼすことだってできるわ!


 

 そんなこと不可能だった。なぜなら、母には魔術を封じる枷が何十にもはめられていたし、この監獄こそ、魔術師専用のものだったからだ。


 しかし、母はそれを可能にした。まだ明らかにはなっていないものの、その賢さを使って、牢から抜け出したのだ。


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