表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/78

70、最初からおかしかった。


 しばらくそのまま呆然としていたウニだったが、ハッ、と我に返った。

(こんなことをしている場合じゃないっ、早く、戻らないと!)



「サラス!もう十分です、戻りましょうっ!」

「ええ!もういいんですか!?」



 うん、とウニには頷き、急いで“国王の知識棚”を出て、扉を閉める。

 東の塔へ向かう途中、ウニはずっとミーアについて考えていた。

 なぜなら、ミーアの一言で、ウニはここまで来たからだ。

 ミーアがあのとき、“国王の知識棚”を口にしていたから。

 逆に言えば、あれがなければ、ウニは底と一生関わりがなかったと言える。

 もし、ミーアが今の状況を望んで呟いたのだとしたら、、、、、一番怪しいのは彼女ではないだろうか?

 自分の主君を疑うのは、とてつもなく苦しい。そうではないと願いたい。だが、今は情報が欲しい。ウニの頭の中は、色とりどりの首飾りが絡まり合って取れないように、こんがらがりすぎなのだ。


(なにか、、、、、変なことはなかった?)


 はじめから、、、、、。



***



 思えば、最初からおかしかった。

 ミーアは、とても恥ずかしがり屋だと聞いていた。だったら、なぜそんなすぐに、赤の他人であるウニを受け入れられたのか?

 ウニはシャイどころか、フレンドリーな性格(?)なので、全くわからないが、侍女を一人も入れないなどとあれだけ人を寄せ付けないでいて、ウニにすぐ心を開くなど、どれだけ良い人柄でもそれはないのではないかと思ってしまう。


 もちろんわからない。もしかしたらあの時、ウニの発した言葉に心を打たれたのかもしれない。だが、それとは別に、そんなにすぐに信じるだろうか?

 少し響いた程度じゃ、その翌日に、彼女を信じてみよう、などと急に懐くのは、おかしくないだろうか。“その人を信じる”と“その人に少し好意を抱く”は、似ているようで似ていない。もしも、本当に感じたのだとすれば、ウニが来るまでに、そういう存在はいなかったのだろうか?

 ウニの前任や、召使い。使用人に、そう思える者はいなかったのだろうか?

 いたとしても、裏切られたのなら、もっと警戒してもいいと思うが、、、、、。


 ミーアはウニの一つ下。今年で18になる。逆に言えば、それほどまでずっと部屋に閉じこもってたのだ。物語の中ならまだしも、どれだけ優しい言葉をかけられても、そんなすんなりうまくいくものなのか。

 ウニにはよくわからない。こんな事を考えて、失礼だ、王家に対する侮辱だ、と捉えられても変だとは思わない。ミーアと同じような境遇の人に怒られても仕方ないかもしれない。だが、おかしいと感じてしまうのだ。



(もしかして、、、、、ミーア様は、本当は、人見知りではない?)



 だったら、なぜ、あれだけ部屋に人を入れなかったのだろう?



(もしも、、、、、もしも、なにか隠し事や、知られたらいけないことを、ミーア様にあるとすれば、、、、、)

――すべての、辻褄が合う。


 もし、、、、、その、隠し事が、()()()()と関係あるのだとしたら?



「――、、、、、!」


、、、、、これで、すべてが、つながった。


(でも、本人に確認しなければ、何も始まらない。それに、すべて私の想像だし……まだわからないことだって、ある)


 では、行こうではないか。――“西の塔”に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ