68、紙
「姉貴?」
サラスが怪訝そうな顔をして、ウニの顔を覗き込む。
しかし、思考に没頭するウニにその声は届かない。
(なんで?なんで?どうして?)
なぜ。ただその一言しか出てこない。
仮にサラスの言葉、考えが本当だとすれば、まさに今正式な王位継承者が決められてる最中にミーアがここの存在を知っているのはおかしくないだろうか?
(例えば、、、、、ミーア様は国王陛下のお気に入りで、たまたま教えられた、とか?)
しかし、ミーアは家族である王族にさえ恥ずかしがり屋を発揮するほどシャイな方だ。そんな人が、この国の最高権力者である国王ただ1人にだけ、萎縮せずに心を開くことがあるのだろうか。
(それとも、、、、、サラスのように噂で知ったとか?)
ミーアは侍女をそばにおいていない。せいぜい部屋の外に護衛が数人だ。そんな状況で、噂を耳に入れることがあるのだろうか?仮に、もしお茶会などの行事で聞いていたとしても、その頃はきっとミーアは緊張して、周りの声などろくに聞いていないだろう。
(だったら、なんで?なんでなの?)
どれだけ考えても、結局スタート時点に戻ってしまう。また、脳内が疑問の声で埋め尽くされる。
それでもウニが絶えず思考していると、デタラメに動かしていた手に、本がぶつかった。
その拍子で、本棚に挟まれていたであろう1枚の紙が、ピラリ、と床に落ちる。
「、、、、、?」
ウニは一旦考えるのをやめ、紙を持ち上げた。




