60、巻き込まれるノア
その夜、食堂の入口にノアとウニは集まった。無論、“国王の知識棚”に侵入するためだ。そう言い出したのは当然ウニであった、が、、、、、
「それで、どこですか?」
「は?」
「だから、“国王の知識棚”」
、、、、、と、この有り様であった。
今日のために眠い目をこすり来たノアは、すぐさま自室に戻ってベッドに潜りたい衝動に駆られた。
しかし、こいつ一人残したら何が起こるか知ったことじゃない、と、なんとか踏ん張った。
そんな心中を知らずに、ウニはのほほんとしている。その苛つく顔を見て、ノアはやっぱりこう思った。
(、、、、、部屋に戻りたい)
ノアの拳が震えだしたことも知らず、ウニは続ける。
「やっぱり、隠し部屋とかあるんですかね、、、、、あっ、じゃあ王宮の本体の方にあるのかも!!じゃあ、行きましょう!ノア」
と、手を取りさっさと行ってしまう。そして、そんなノアの心中は、、、、、
(やっぱり部屋に戻ろう。うん)
であった。しかし、ウニの手はびくともせず、この馬鹿力馬鹿娘!と心で罵ったノアであったが、結局諦めた。
***
「うーん、、、、、ないなぁ」
ウニとノアはさっきからずっと同じ場所をぐるぐるとまわっていた。が、“国王の知識棚”は一向に見つからない。
(それはそうだろう、素人にポンポン見つかってしまったら、元も子もない。そもそもあそこは、、、、、)
そこでノアは足を止めた。
ウニは怪訝そうに振り向き、どうしたの?と小さくたずねた。
「ウニ、、、、まさかお前、“王の知識棚”がどれだけ王族に重要か、どれだけ大切でどんなものを収めているのか、、、、、知っているよな?」
震える声で問うたノアに、ウニは屈託ない笑顔で応じる。
「そのためにノアがいるんですよ?」
ノアは本気で帰りたくなった。




