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57、藍色のローブ

「ウニ、そんなに落ち込むな」

「うん、、、、、」

 ここは王都1番の大きさを誇る総合病院。ついさきほど起こった無差別殺傷事件で傷を負った被害者たちが、治療を受けている。

 入ってすぐにある待合室。そこでウニ達は騎士団から事情聴取を受けたあと、のどが渇いた、と飲み物を買いに行ったサラスを待っていた。

 しかしながらウニは、自らがもっと早く動いていたら被害が少なく済んだかもしれないのに、と先ほどから頭をうなだれていた。


 ノアはそんな様子のウニを励ますように、わざとらしく明るい口調で言った。

「まぁ、お前はよくやった。そんなに責任を感じなくてもいいだろ」

 

 ウニはフルフルと首を振る。


「だって、亡くなった人もいたんですよ?」


 そう、今回の事件では死傷者がでていたのだ。しかも、行方不明者も何人かでている。

 しかし、ウニはその行方に覚えがあった。



「きっと、アイツらですよ。“戦場の基地”を襲った」



 事実、隊員から聞いた犯人の特徴と一致しているのだ。きっと同一人物、、、、、いや、同一ローブ集団だと、ウニは確信していた。

「それに、あのとき、、、、、確かに聞こえたんです。“贄が、、、、、”って!」

 そう、それがウニの確信の理由だった。

 “戦場の基地”を襲った犯人も“贄”とかなんとか言っていたはずだ。だったら、今回もその“贄”とやらが目的なはず、とウニは考えていた。

 ノアは考える素振りを見せ、ためらいがちに口を開く。

「いや、でも、、、、、そう考えるのは、まだ早いぞ」

「え?」

 目をパチパチと瞬かせるウニに、ノアは言った。



「だって、ローブの色が違かっただろ」



 その言葉に、ウニは、あっ、と声を漏らした。

 そういえば、“戦場の基地”襲撃事件のとき、犯人達のローブは真っ黒だったと聞いていた。

 しかし、ウニは確かに見た。今回の事件では藍色のローブだったことを。

「で、っでも!もしかしたら、わざと違う色の服を着て惑わせようと、、、、、」

「いや、それも考えたが、どうにも着古した感があった。動きも慣れていないローブ特有の不自然さもなかったし、その線は薄いと思う」


 ウニは顎に手を当てる。


 そして急にバッと立ち上がったかと思うと、すぐにノアに視線を向けた。


「わたし、ちょっと王宮に戻ります。サラスによろしく伝えてください!」

「えっ、ちょ」


 そう言うがすぐにウニは風のように去っていった。

 そして、ノアの、一体何なんだ、、、、、というつぶやきだけが残った。

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