56、同じ一族
泣いている成人男性を前に、ウニはうろたえた。
はぁ、まじで勘弁してほしい、、、、、本気で思った。直後――
「いやぁぁぁぁっ!助けてぇぇ!!」
街から若い女の悲鳴が上がった。
他の住民がギョッとする中、ウニとノアはすぐに身構え、臨戦態勢に入った。
すると、街の向こうから、何やら砂煙が見える。
今までそちらの方を見ていた者たちが、直後顔を真っ青にし、逃げ惑う。
「ちょっ、姉貴、一体何が、、、、、」
流石のサラスも泣き止んだらしい。知らないです、と一言呟き、ウニは驚くほど速い足でそちらへと向かった。
「おい、ウニ!」
ノアの呼ぶ声も聞こえたが、今はそれどころではない。
ウニは無我夢中で腕と足を振り回し、走った。
――もしかしたら、、、、、――かもしれない。
***
ほんの数秒で、ウニは騒ぎがあった場所へと着いた。そして、目を見開く。
「、、、、、っ」
そこには、この前“戦場の基地”を襲ったと思われる、ローブ集団が暴れていた。
「きゃぁぁっ」
「助けてくれっ!」
逃げ惑う人々に、彼らまたは彼女らが魔術を放つ。
「あっ、、、、、!」
撃たれた者は、バタバタと倒れていった。
そして、当たりそこねた攻撃は街をどんどん壊していった。
しばらく呆然としていたウニだったが、すぐに正気を取り戻し、ローブをめがけ走っていく。
「やめなさいっ!」
足を払い、転ばせる。顎に手を入れ、気絶させる。
無我夢中で攻撃するウニ。
その途中、犯人の一人が呟いた。
「贄が、、、、、」
ウニは確信した。
(やっぱり、“戦場の基地”を襲った犯人と同じ、、、、、いや)
――同じ一族。




