55、泣いている成人男性
なんやかんやあって、ウニ達は今、王都を並んで歩いている。ノアは普段と同じローブを来て、ウニは私服姿だ。無論、ノアの服を買うためと、ウニの用事を済ませるためなのだが、、、、、
なぜかその場にサラスもいた。
彼はシャツにジーンズという比較的シンプルな服装だった。
服は別にいいのだが、存在自体に気まずくなったウニはとうとう彼に声を掛ける。
「あのー、サラス」
「はい!なんでしょう姉貴!」
元気に返事をするサラスに、多少面を喰らいつつも、ウニは続けた。
「姉貴はいらないんですけど、、、、、なんであんたがここにいるんですか?」
その言葉に、サラスは明らかに傷ついた顔をした。
「だ、だって、、、、、姉貴が言ったんじゃないですか」
「は?」
「“着替えてこい”って、、、、、」
それに、あちゃー、とウニは頭を抱えた。
(そういう意味で言ったんじゃなかったんだけどなぁ、、、、、どう説明しようか?)
ウニは気を取り直して、サラスと向かい合う。
するとびっくり。サラスはすでに泣いていたのだ。
半ばドン引きしながら、ウニは現実逃避のため思考に没頭する。
(えっとぉぉぉぉ、、、、、サラスって、見た目的にもう成人しているよね。じゃあなんで道のど真ん中で泣いてんの?そもそも、何者?)
今頃の疑問に自問自答していると、サラスが口を開いた。
「う、うぅう、だっで、、、、、ぇ、あでぎが、いっだんじゃないでずがぁ、、、、、」
「はぁ、でも別にわたしはついてきていいとは言って、、、、、」
「ズビッ、だがら、だんだってきたのび、、、、さぐはふばばか、、、、、」
……ついに言っている意味もわからなくなってきた。
ノアの前では驕り高ぶっているくせに、ウニの前ではただ泣く俺様キャラと頭を抱える少女。そして我関せずとばかりに突っ立っているローブの男に、町の人々は首をひねるのであった。




