51、降参
「ちょっと、ウニぃ!黙っちゃってどうしたの?あ、怪我しちゃった!?ごめんね、気をつけてい、、、、、」
「姉さん、ごめんなさい」
突然の謝罪にユウマは目をパチパチとさせる。
「何言ってるの!たった数ヶ月でこんなに強くなるなんて、、、、、規格外にも程があるわ!」
結構、的を射抜いている発言をして、抱きしめてくるユウマ。
ウニは相変わらず俯いたままま、透明な雫を落とす。
当然、ユウマはそれを涙だと認識し、頭を撫でてきた。
「ごめんね、泣くとは思ってなくて、、、、、ちょっとやりすぎちゃったかもしれないわねぇ、、、、、でもまぁ!ポジティブに考えましょうか!ほら、これからもここにいるってことは、もっと強くなれるってことでしょう?だから、、、、、」
「姉さん」
ユウマは手を止めずに、優しく話しかける。
「なあに?」
ウニは顔を上げる。
――そこには笑みが浮かんでいた。
「わたし、まだ1度も“降参”してませんよ」
「!?」
その瞬間、ユウマの体は大きく崩れ、地面に力なく膝をついた。
「う、ウニ。何をしたの?」
ユウマは己の弟子を見上げる。
「別に、特別なことは何もしていません。少し動けなくしただけです」
淡々と話すウニを見て、ユウマはやっと何かに気がついたように笑みを作る。
「、、、、、なるほどね。隙をついたってわけか」
「その通りです」
ウニは人差し指を立てる。
「これまで姉さんと過ごしてきた中で、あなたは非常に情に厚く、もし泣いている子供がいたら、放っておけない性格だということがわかりました」
「ええ、事実、あなたを拾って弟子にしているんだもの」
「はい。なので、“私が勝負をして泣く=自分は勝ったと錯覚する”とも考えられます」
ウニは試すようにユウマの目を見た。
対してユウマは恐ろしいものを見るような目でウニを見つめる。
「、、、、、まさか」
「そのまさかです。姉さんが抱きついて隙を作ったタイミングで、私は事前に準備していた水を垂らしさも降参したかのように見せ、姉さんをやっつけました」
ユウマは説明を聞いた後、両手を上げる。
「“降参”」




