44、マシーラ
「贄、、、、、?」
ウニは首をひねる。
「なにかの儀式で使うものなんですか?」
「それはわからない。ただ、“生贄”ではないから、死体か何かが必要だったのかもしれないな」
その言葉にますます混乱したウニは、一旦頭を整理したい衝動に駆られた。
「、、、、、すみません、ちょっと今日は早めに帰らせていただきます。皆さんが無事でよかったです。それでは」
「ウーニちゃぁぁぁぁぁんっ、もう行くのぉぉぉ?」
「はい。では、さようなら」
疲れた顔をして挨拶をするウニに、ヘンリーが口を開いた。
「ウニ、あんまり気を負いすぎないように」
「大丈夫です。わたしは頑張ります」
そういうことじゃない――そう言いかけたが、ウニはノアを連れて逃げるように帰ってしまった。
「壊れなければいいんだが、、、、、」
そう思わずにはいられない隊長なのであった。
***
戦場の基地と王宮は、結構離れている。
なので、ウニ達がついたときには、閉門ギリギリであった。
面倒くさそうに門を開ける門番に、ウニはペコペコと頭を下げ、王宮の東の塔へ向かった。
その間、ウニは凄まじい勢いで考えていた。
(舞踏会では単独、そして戦場の基地では集団で、、、、、なにかがおかしい、、、、、なにか見落としていることはない?今までの事件で、、、、、あ)
そういえば、連合軍の戦争のとき、敵の1人が何か気になることを言っていた気がする。
(えーっと、えーとえーと、、、、、そう!マシーラ!!)
――クソ、、、、、クソぉッ!全部、全部マシーラのせいだ!!
あのときは意識が朦朧としていて、聞き流していたけど、よく考えてみれば重要な手がかりではないか。
なんの手がかりなのかはちょっとわからないけれど、、、、、と、すこし残念に思いながらも、ウニは他になにかないかと遡る。
そして、ついにはユウマに拾われた時期にまで遡った。




