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39、マイク・スコールズ

 マイクは21歳なのだが、その、童顔に低身長という姿とのんびり屋でマイペースな性格が相まって、16歳くらいに見られることが多かった。


 今も、襲撃されている基地に対し、場違いなほどに笑っている。

 救世主の登場に、戦士達は希望を見出した。

「マイク!て、手伝ってくれ!人手が足りないんだ!」

「うん、いーよー。倒しちゃうね」

 ニコニコしながら、マイクは手を絡めて祈るようなポーズを取り、何かを呟いた。

「!?」

 襲撃犯の1人が、何かに気づき、止めようと手を伸ばす。が、もう遅い。


「神よ。どうか、害を与える悪しき者に報いを。正義を司る勇者に、恵みを」


 その一言と同時に、マイクから淡い光が飛び出し、()()()を絡めて拘束する。そして、残った光が戦士達に降り注いだ。当然、マイクにもだ。

 その瞬間、体がスーッと軽くなり、体力に余裕が出来た気がした。

 対して、同じ光に拘束された襲撃犯は身動き1つ出来ない。それくらい、強い拘束だ。

 あの光は、襲撃犯が使っていた火属性のものとは違う、光属性のものだ。そして光属性の魔術は、ほとんどが体力回復や、傷の治療などの治癒魔術である。だが、光属性の魔術を操れる者はめったにいない。それこそ、ここシェラール王国でも数人だけだ。

 そのうちの1人、“祈念(きねん)の戦士”マイク・スコールズは、光属性の中でもトップクラスに強いことで有名である。同じ属性でも、擦り傷を治す程度しかできない者もいるし、大衆に大規模な癒しを与えられる者もいるのだ。マイクは言うまでもなく後者である。

 マイクは治癒魔術だけでなく、攻撃や拘束もできるので、戦士達はとても頼りにしていた。


 当の本人は、この状況を見て首を傾げる。

「で、今はどういう状況?僕、せっかく任務早く終わったのに、帰ってきたらこれでびっくりしたんだけど?」

ごもっともです、、、、、と誰もが思う中、隊長が声を上げる。

「すまんな、助かった、マイク。礼を言う、、、、、だがな、正直俺達もわからないんだ。突然襲撃されて、何がどうなのかもわからないまま戦っていた」

 その答えに、マイクは、ふーん、と言って榛色の髪を揺らす。

「じゃあ、王宮騎士団に身柄を渡して尋問してもらうしかないかー、、、、、ねぇウェイド、いい?」

 名前を呼ばれた、ウェイド――ウェイド・スカーレットは眉をひそめた。

「良いけどよぉ、魔力がねぇんだ。これじゃあ王宮まで持たねぇよ」

 ウェイドは、隊の誰よりも飛行魔術が得意で、必然的に遠くの任務は彼に任されることが多かった。

 そして、マイクの魔術は体力は回復させられるが、魔力は回復させられないという欠点がある。

「そっか。じゃあこれあーげる」

 そう言ってマイクは透明なキャンディーを差し出した。

 マイクの実家は薬師で、魔力回復の飴を彼はいくつか持っていたのだ。

「お、サンキュー」

 キャンディーを口に入れたウェイドは、焦げ茶の髪をゲシゲシとかきながら飴をコロコロと転がす。


 しばらく経った後、ウェイドは勢いよく立ち上がった。

「よっしゃー!魔力回復完了!」

「わー、よかったぁ〜」

 のんびり呟くマイクに、おう!と返事をしてから、ウェイドは襲撃犯を魔術で浮かせて拠点を出る。

 そのとき、エラがものすごい形相でウェイドを睨んでいた。それをナイラが、まぁまぁ、とたしなめている。たぶん、王宮にいるウニに会いに行きたいのだと思うが、いくらなんでも執着しすぎだと思う。


 外から「おらぁ!行くぞ悪者らぁ!!」という元気な声が聞こえてきたが、みんな慣れているので無視。ただし、エラは「わたしも!行かせて頂戴っ!ウーニちゃぁぁぁん!!」と叫んでいた。


 そうして、“戦士の基地”は再び安穏を取り戻した。



――、、、、、これじゃあ、贄が手に入らない。



、、、、、あれは、一体何だったのだろうか?

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