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29、良い知らせと最悪の知らせ

 たっぷり野菜の入ったスープを飲み干し、ウニは満足して食堂を出た。


 すると、ウニより少し遅く起きた他の使用人達が、通路で何やら騒いでいる。

 今度は何事だー?と思いながら、ウニは会話に耳を傾けた。

「ああ、本当に良かった、、、、、!」

「神様に感謝しなければっ」

「まだ油断ならない。また急変するかもしれないぞ」

 もしかして、、、、、と思い、ウニは会話に割って入った。

「あの!陛下の容態が、、、、、?」

話していた3人組は、急に入ってきたウニに面食らった顔をしたが、すぐに教えてくれた。

「あ、ああ。完全に治ったとは言えないが、ひとまず安定したらしい」

「聴覚は失ったらしいが、それ以外は無事だったらしい」

「そうなんですね、、、、、よかった」

 ウニは陛下の体調が良くなったと聞き、とても安心した。もし国王になにかあったら、王位継承者問題が今より深刻化すると思ったのだ。

 もちろん統率者がいなくなったら、それだけで国は悲しみに包まれパニックになるし、国の存続が大変になるだろう。だがウニは、国王陛下と話したこともないし会ったこともないので、さほど興味がないし、政治や国の(まつりごと)に巻き込まれるのはできれば避けたいところである。そのため、王位継承者問題で王宮や王都がゴタゴタするのが正直1番心配だったのだ。


 胸を撫でて自分の気持ちを落ち着け、ウニは西の塔へ向かった。



***



「国王陛下のご病気が治ってよかったですね」

 開口一番そう言ってニッコリ笑うウニに、ミーアは複雑そうな顔を返した。

「気が早すぎですわ。まだ完治したとは言えないですもの」

「だけど、ひとまず、これでこの国は安泰ですね」

その言葉に、ミーアは不安が滲む顔で透明な窓の外を眺める。


「本当にそうだと良いのですけれど、、、、、」



***



 ウニがその日の仕事を終え、自室で寝ていたときにその知らせは届いた。


 王宮中の非常ベルが騒ぎだし、スピーカーの機能がついた魔導具から声が響く。


「急報!急報!隣国のストオーム王国が攻めてきました!」

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