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23、シェミル山

 ナイラは王都にある某建物の警備を担当していたんだそうだ。もともと長期間の任務だったのだが、ある理由を境に結果的に基地に帰るのが遅くなってしまったらしく――


「よくわかんないんだけど、その建物の近くにシェミル山があってね」


 シェミル山は王宮近くにもある国の代表的な山だ。そこで何があったのか。


「警備を遂行してる途中にね、誰かが山の方を指さして騒ぎ始めてー。そしたら近くにいたみんなも山の方見てなんか言っててさ。おっかしいなーって思ってわたしもそっち見たっけ、光が見えたのよ」

 山の頂上付近に強い光が点滅していたのだそうだ。それをナイラ達が見ていると、依頼主が彼女に、見に行ってこい、と言ったそうで。

「ええーって嫌そうな顔したら、怒鳴られちゃった」

「なにやってるんだお前は」

「しょうがないじゃん!だって急だよ?急に追加任務されてさ。めんどくさいじゃん」

 話がそれている様子に、ノアが口を挟む。

「それで、登ってみたらなにかわかったんですか?」

「え、あ、ううん。私も頑張ったんだけどね、誰もなにもいなかった」

 それを騒いでいた人々に知らせたところ、すべてが有耶無耶になり、ナイラはそのままその流れに乗って帰ってきたそうだ。

 話を聞き終えたヘンリーは腕を組み、眉間にシワを寄せた。

「とても興味深い話だが、、、、、なぜ有耶無耶になったんだか、そこが問題だ」

「だよね!私も気になっちゃってさー。もううずうず」

 普通王宮の周囲で怪しい動きがあったのなら、警備を厳重に敷き、住民にも注意を呼びかけるはずだ。なのになぜ、なにもなかったかのように振る舞うのか。

「ウニ達は王宮でなにか見なかったか?」

ウニがなにか言おうとしたとき、ノアに先を越されてしまった。

「俺が担当していた北の塔では特になにも、、、、、お前は?」

 ようやく話を振られたウニは、一同に身を乗り出して言葉を紡ぐ。



「私の方では、、、、、、、、、、、、、、、、、、、何もなかったです」

「ないんかい」

 ナイラから突っ込みが入る。

 笑い合っている2人に、ヘンリーがそこにあったゴミ箱の蓋をそれぞれ頭に叩き、話を戻した。

「いでで、、、、」

「隊長ひどい」

「うるさい。それにしても、、、、、最近の王都は動きがあるな」

ノアもそれに便乗する。

「そうですね、、、、、これからはもっと目を光らせないと」


 痛みに悶絶する二人をおいて、ヘンリーとノアは互いに頷きあった。

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