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無能力者の邪龍憑依  作者: 鶏くん
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第一章 蛇龍降臨 第九話〜第十話

第九話 邂逅かいこう

病院から退院した俺は今までと変わらない日々を送っていた。

だが、あそこでアブソープに敵わなかったことが今でも時々悔やまれる。


「異能が使えてもあいつにはかなわないのか。」


公園でジュース片手にたそがれる。月は煌々と照っていたが、外灯ほどではなく。深い闇を柔らかく照らしていた。


「そろそろ帰るか。」


勢いをつけて立ち上がり、自販機の横にあるゴミ箱に缶をほおりなげる。


「なぁ。今日はいい夜じゃねぇか。何飲んでたんだ?」


ある男。いや女のようにも見える人間が、ゆっくりこちらに近づいてきた。


「あんたは?」


「俺か?俺は【反発重力】(ダークエナジー)だ。

名前くらいは聞いたことあんだろ?」


「さぁ。俺は聞いたことないけどな。」


「それよりも、お前、ヒュドラっつうバケモンに憑依されてるんだってぇな。」


「なんで俺のことを?」


「見てたんだよ。お前が最近事件を起こしてる犯人と戦っていたところをなぁ。良い戦いっぷりだったじゃねぇか。まぁ仕留めきれなかったようだけどなぁ。」


「俺じゃ所詮あいつに勝てねぇ。いいところまではいくが、その先がねぇんだ。」


「その力について俺が教えてやろうか。、、、。」


「なんであんたに俺の異能が分かるんだよ。俺ですらまだ知らないことだらけなのに。」


「それはどうかな。他人の方が案外自分の知らない側面のことを知ってるってもんだ。

例えばソイツの力をお前は体に取り込むことができる。ヒュドラーには飛行能力があるから必然的にその力もお前に継承されるはずだぁ。他にもヒュドラーの筋力をお前が使うこともできるはずだ。いわゆる【増強筋肉】(マッスルゲイン)の容量だなぁ。」




「そうか。俺にはそんな隠された能力があったのか。、、、。なるほどな。」


「それに、アイツには他にも【温度操作】(サーモコントロール)も使えるみたいだったしなぁ。だから氷柱を生み出して攻撃することもできたって寸法だろうなぁ。」

(まぁ俺の力に比べたらショボい能力だがぁ。)


「まぁ、


とりあえず今日の講義はここまでだなぁ。また暇があったらこの公園で会おうぜぇ。じゃあなぁ。」







第十話 死神

「それにしてもアイツはなんだったんだ。まぁ教えてくれたのはありがたいけど。嵐のようなやつだったな。またあの公園に行ったら、色々教えてもらえるのか。いや、それも大事だがアブソープの情報も集めないとなぁ。ダークエナジーか?また話してぇなあ。」



「ヒュドラーの力はまだ分からないが、可能性を感じやがる。アイツがどんなふうに使いこなすのかぁ。そしてぇ、

どんな能力に目覚めるのかぁ。見ものだなぁ。だが、今はそれよりも、」


「そこにいるのはだれだぁ?」


「、、、、、、あらぁバレていましたか。」


そう言って、物陰からピエロの仮面を被った黒いスーツ姿の男が現れた。


「さっきからずっとうじ虫みてぇについてきやがって、そんなに俺のことが好きなのか?ストーカーか(笑)」


「いえいえ~私共も好き好んであなたのストーカーをやってるわけではないのですよ。御依頼主様があなたの監視をご希望のようでして。それで

一生懸命お仕事させているのです。」


首を横に曲げ両手を広げてアピールしてきた。


「どちらにしてもよぉ。ずっと俺に張り付いてんのは気持ちわりぃし、ここでおねんねしてもらおうかぁあ。」


ダークエナジーは重力波によってできた4本の翼でゆっくりと空に浮かんでいく。


そして半透明で渦巻いた竜巻のような重力波を右手からピエロに向かって放った。地面もろとも重力波が彼を襲い。周りに小さなクレーターができる。


「いやー。さすがダークエナジーさん(笑)ルーラーズ最強の能力者と言われるだけありますねぇ。」


「チッ。無傷かよ。、、、。」


今度は4本の重力波によってできた翼がダークエナジーの背中からピエロ目掛けて一直線に波打ちながら向かっていく。


するとピエロがやれやれと首を振り、その攻撃を真正面から受ける。


「ふぅ~。イヤーまいったまいった。いくら無傷とはいえ、あの衝撃を目にすると私も怖いんですよ。」


「おめぇ。やっぱり死神かぁ?」


「あら。あらあらあら。やっぱりバレてたかぁ。」

頭を掻きむしりながら、ピエロを呟く。


「そのとうり。

私は肌に触れたすべての能力を無力化することができる皆さんご存知の死神です(笑)」


「何ニヤついてやがる三流。」


そう言ってダークエナジーは死神の真ん前に瞬間移動し、拳を振り上げるが


パンッ


乾いた音が鳴り響き、その拳を死神は受け止めていた。そして、その受け止めていた拳を引き寄せ、左手でダークエナジーの顔目掛けて殴りかかる。

ダークエナジーは翼を自分の前に移動させ、逆噴射の容量で後ろに距離を取った。


「あぶないですねぇ。腕が持っていかれるかと思いましたよ。

あとねぇ、いくら能力が通用しないからって、暴力で抑えつけようとしても無駄ですよ。そんな輩はいくらでもいますからねぇ。近接戦闘で殺られないように、武道を嗜んでるんですよ。」


「ほぉ~ん。それで自信満々ってわけか三流?

だがなぁ。お前には決定的な弱点がぁあ、、、、、、」


「Mx.ψ!! (マクス、プサイ!!)」


「あ?何だ?使用人達サーヴァンツか。」


「困ります。こんなところで騒ぎを起こされちゃあ。」


「あ?うるせぇなぁ?こいつはここでぶっ潰さねぇといけねぇんだよ。」


「従者の言うことも聞くべきですよぉ。ふふふ。」

死神はそうダークエナジーを嘲る。


「お前。マジで殺られてぇのか?」


「今は戦うときではありません。とにかくここでは戦闘を回避すべきです。」

サーヴァンツは必死に説得を試みる。


「まぁ確かに。今回は調査だけですからねぇ。今は貴方と戦う必要はありません。今は。」


「くそ、あいつに尻尾まいて逃げるのは癪に障るがぁ、まぁ仕方ねぇ。」

そう言って、サーヴァントを連れて空に舞い上がる。そして空の彼方へと消えていった。


「ふぅ。また捜索ですか。まぁ仕方ありません。御依頼主様に情報を収集するとしましょう。

ふふふ。また彼と会うのが楽しみです。」

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