ワタシね! 大人になったら幸佑君と結婚するの!
ワタシの人生は? 全て“有言実行”の人生だった。
ワタシが思った事は、どんな事でも願いを叶えるの。
例えば? ワタシの将来の夢は一流企業の受付の仕事だった。
今ワタシは、その夢を叶えている。
学生の時は、学年で1番になる事も叶えた。
スポーツも、当時入っていたバスケ部のキャプテンにまでなった。
初めての彼氏も、他校の一番カッコいいと言われていた男の子と
付き合う事ができた。
ワタシの人生は、順風満帆の人生だ。
両親もワタシを、“自慢の娘”と親戚や近所の人達に言っているそうだ。
ワタシに悩み事はない!
全てうまくいってはずだった、、、。
・・・たった一つを除いて。
ワタシの“初恋の男の子と約束”した事を今でも思い出す。
『大人になったら、美玖は幸佑君と結婚する!』
『・・・美玖ちゃん、』
『だから! 幸佑君も美玖と結婚するって約束して!』
『いいよ、分かった! お互いに大人になったら結婚しようね!』
『うん!』
・・・あれから23が年が経った。
ワタシは既に、29歳になり結婚適齢期をむかえている。
あの時の、幸佑君との約束をワタシは今も忘れてはいない!
絶対に、ワタシは幸佑君と結婚すると決めている。
他の男性はワタシは興味がない!
幸佑君じゃなきゃ、結婚は考えられない!
だから、30歳になる前に幸佑君を探し出して【結婚】すると
ワタシは心に誓ったわ!
ワタシは“探偵”まで雇って、幸佑君を探してもらったの。
そして幸佑君は、見つかったわ。
・・・でも? 既に幸佑君は結婚していて子供もいたの。
ワタシは凄くショックを受けたけど、それでも幸佑君と一度は会う事
を決めて彼に会いに行ったわ。
『久しぶりね、幸佑君!』
『あぁ、随分と美玖ちゃんもキレイになったね!』
『ありがとう。』
『・・・美玖ちゃんが僕を探してくれていたと? 美玖ちゃんが雇った
探偵の人に聞いたんだけど、話って何かな?』
『幸佑君! ワタシとの約束憶えてる?』
『・・・“約束?”』
『“お互いに大人になったら結婚しようね” って幸佑君、ワタシに
言ってくれたじゃない!』
『ごめん、僕は今“結婚して子供もいるんだよ。”』
『・・・だから何?』
『えぇ!?』
『あの時の約束はウソだったの?』
『嘘じゃないけど? あの時の僕は真剣だったと思う! でも今は大人に
なって、僕も家庭をもってるんだ! 美玖ちゃんにはすまないと思ってるよ。』
『すまないと想ってるなら? 奥さんと離婚して!』
『・・・急に僕に会いに来て、何を言ってんだよ、美玖ちゃん!』
『ワタシの気持ちは、あの頃のままなの!』
『頭でもおかしくなったのか? もう僕達は大人なんだ! 意味の分からない
事を言わないでほしい!』
『ワタシは冗談で言ってないわ。』
『・・・こんな事なら、僕は美玖ちゃんと会わなければよかったよ。』
『・・・幸佑君、』
幸佑君は、その後何も言わずに家に帰ってしまった。
ワタシはすべて、“幸佑君の奥さんのせいだと思い込んでしまった”
ワタシが幸佑君と今、結婚できないのは? 幸佑君の奥さんのせい!
奥さんがワタシから幸佑君を奪ったのよ。
本当なら、“幸佑君とワタシとの間に子供がデキるはずだった”
・・・それなのに、幸佑君の奥さんのせいでワタシ達は結婚できない
でいるのよ。
今まで、ワタシは何でも手に入れてきたわ。
何もかも、順風満帆にいっていたの。
願えば何でも叶ったのに。
それなのに、幸佑君だけが手に入らない!
幸佑君の奥さんさえ居なければ......。
・・・数日後。
ワタシは、幸佑君が仕事で居ない時に彼の家を訪ねたわ。
幸佑君の奥さんが居ると分かっててね。
【ピーポーン】
『はーい! どなたですか?』
『ワタシ、幸佑君の同級生の時の友達なんですが、幸佑君の奥様ですか?』
『・・・あぁ、はい。』
『少し幸佑君の事で奥様にお話したい事があるんですが、よろしいですか?』
『“夫の事でですか?”』
『そうです!』
『・・・じゃあ、ここで話すのも何なので、部屋が散らかってて汚いですが
どうぞ、お入りください!』
『ありがとうございます。』
・・・ワタシは、もったいぶってなかなか話を切り出さずにいると?
幸佑君の奥さんは、ワタシに気を遣ってお茶を入れてくれていた。
ワタシはそっと音を立てずに、彼女の背後から家から持ってきた包丁
で彼女の背中をブスッと一気に刺したわ。
彼女は苦しみながら、大声をあげたけど? ワタシは咄嗟にテレビを
つけてボリュームを一番大きくしたわ。
そして、置いてあった座布団を奥さんの顔に強く押し当てたの。
彼女は、もがき苦しみながら息を引き取った。
ワタシは、何事もなかったかのように家をサッと出たのよ。
この間、たった15分ほどだった。
誰にも見られていない。
包丁もキレイに水で洗い、ハンカチに包んでバックに入れたわ。
【サヨウナラ、そしてこれで今日から幸佑君はワタシのモノよ!】
ワタシは心の底から嬉しくて笑いが止まらなかったわ。
“やっと幸佑君が、ワタシだけのモノになるのね、嬉しい!”
最後までお読みいただきありがとうございます。