紅くて赤い恋心
掲載日:2019/12/25
恋心にも似た赤いバラは、
君の言葉に摘み取られてしまった
私の庭、いっぱいに広がったこの想いも、
消えてしまうのは一瞬で
耳もとをくすぐる君の声も
不自然に揺れる私の瞳も
全て花びらに包まれたまま
甘い香りが、身体に毒を回し、
鋭いトゲが、胸を刺す
抱きしめた赤いバラは、
はらりと花びらを落とした
その花びらを両手で掬い上げ、
そっと口づけをする
唇がふわりと包まれて、ほんのりと
赤く色づく
首筋をつたって鎖骨を埋め尽くす
花びらは、涙のようで
赤い波に埋もれて、
君の後ろ姿を反芻する
アスハァルトの上に、紅一点の
花びらが際立つ
落とした花びらが過去の恋なら、
新たに芽生え始めたこの想いは——
凛と咲いた恋心は、紅くて赤い




