表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とあるなろう作家の末路

作者: 酒井カサ

 

 なろう作家の活動報告(非公開)


 ――Dec.9,2017


 文芸部のスズキとタナカ、演劇部の脚本家ヤマダがなろうに小説を投稿しやがった。

 ヤマダの奴、なろうなんかには絶対投稿しないと誓ってたのに、評価されるとこのザマだ。

 クソッ、俺の事を置いていきやがって。


 ――Dec.10,2017

 

 今日、ヤマダから諭されて異世界転生小説をなろうに投稿することになった。

 皮をひんむいたゴリラのような奴が美青年に転生し、チートとハーレムを繰り返す内容だ。

 やけくそで書いた為、内容も文章もぶっ飛んでいるが、不思議とポイントの入りが良い。

 感想には誠心誠意の返信をしよう。


 ――Dec.11,2017


 今朝5時頃、酸欠の鯉みたいな顔をしたスズキからメールがあり、日間ランキングのスクショが送られてきた。なんでも俺の小説がランクインしたらしい。

 部活の連中ときたら、夜も寝ないで小説を連投していたのに適当に書いた俺の小説に負けるなんて。

 正直笑いが止まらない。


 ――Dec.12,2017


 昨日から小説を更新しているが、ブックマークしか付かず順位が段々落ちてきやがった。背中がむずむずして妙にかゆい。

 いらいらしたので、腹いせにポイントが全く入らないタナカの小説を酷評してやった。

 いい気味だ。


 ――Dec.13,2017


 あまりに順位が落ちるので他のなろう作家に相談したら、相互評価サイトのURLを貼られた。

 それから、レビューが付き俺はもうポイントの事を気にしなくていいと作家がいった。

 おかげで今夜はよく眠れそうだ。


 ――Dec.14,2017

 

 朝起きたら、コメント欄がアンチによって荒らされていやがった。

 信者どものコメがやけに静かなので、小説情報を見に行ったらブクマの数が全然たりねえ。

 更新を一日抜いたぐらいで逃げやがって。

 運営に見つかったら大変だ。


 ――Dec.16,2017


 昨日、この評かサイトから逃げ出そうとした作かが一人、BAンされた、て はなしだ。

 夜、ついった^ あんちだらけ。

 ぶくま催そく おねがいしたら ブロックされやがた。

 いったいおれ 小せつ どうな て


 ――Dec.19,2017


 やと あnち ひいた も ぶくまほしい

 今日 はらへったの、さぶ のアカ つくる


 ――Dec.21,2017


 ほしい ほしい すずきーきた

 ひどいかおなんで ぶくま

 うまかっ です。


 4


 ほしい

 ぶく


 

読んでいただきありがとうございました。

以上がポイント評価主義という感染症にかかってしまったなろう作家のお話でした。


ポイント評価はモチベーションの維持・向上に繋がる一方で、ポイントが絶対視されやすく、必要以上に欲してしまうと思い、今作を執筆しました。

作品に対してのご意見やご指摘がありましたら、コメントにて教えていただけると幸いです。


ちなみに今作の元ネタは【バイオハザード】の飼育係の日記でございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] かゆ…うま←ですね [一言] 継続は力なり 諦めない心が大切 と学んできました ブクマが増えまいが一時審査落ちようが 頑張って書こうと思います
[良い点] ブクマもらえると凄いモチベーション高くなるけど、催促してもらったものってやっぱり虚しいですし、自分の力で貰えるようになりたいと思いました [一言] かゆうま日記だ……
[良い点] 書き始めて、なろうのシステムを理解してくると、誰でも1度はかかりますよね、この病気。 ブクマ〰、ポイント〰、ランキング〰!! そのときにどう動くのかは、人間性が出るものなのかもしれません…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ