緋和皐月の徒然話 〜緋和皐月、誕生話〜
とあるところの大きな建物。
その中に、緋和は佇んで居た。
「はぁ……」
蕩けるような熱い吐息を零し、緋和は手の中の物を左手で、つぅっとなぞる。
硬い感触に、恍惚とした表情を浮かべ、そっとそれを開く。
中には、小さな言葉がずらりと並んでいる。……挿絵が1つも無いので、本嫌いな緋和の友人が見たら、顔を顰めて睨まれることだろう。
そんな文字の羅列を見つめながら、満足げに、また、静かに吐息を漏らす緋和だった。
*☆*
緋和皐月、と書いて。ひよりこうつき、と読む。
この特別な読み方の名前を、知らない人に「振り仮名無しで読め」と言っても、無理な話だと思う。
そもそも、元々この名前は、実は下のような名前だったのだ。
日和高月。
まだ、こちらの方が読みやすい。
だが。この名前を紙に書いた時、緋和皐月は思ったのだ。
……なんだか、捻りが無くてつまらない。
だから、読みは同じのまま、漢字を変えようと思った。
「日和」を「緋和」にしたのは、名前を考える幾日か前に参加した、ボランティアの紙に「緋」がついた苗字のスタッフさんの名前を偶然、目にしたから。
まるで、引き寄せられるように、その漢字はスッと視界に入ってきた。
そして高月を皐月にしたのは、誕生月が5月だから。
……こんな、安直すぎる2つの理由で決まった、この名前。
何故そんなに、こだわる必要があったのか? と、訝しむ方もいるやもしれないが。
“パッと見ただけでは分からない”
……そんな文字を見ると、緋和は昔から、わくわくと心躍るのだ。
聞いてみるまで分からない、だなんて、面白い以外なにでも無いじゃあないか、と思っているのである。
だから、初めて自分の名前を見た人にも、自分のように、楽しさを感じて欲しかった。
緋和の本名も、実は少し、工夫がある。
だから、よく名前を間違えて呼ばれたものだ。
素直に当てられると、ちょっと悔しくて。間違えられると、違うんだと教えたくなる。
……要に昔から、お節介で格好つけたがりの、面倒臭い奴だったのである。
それから、緋和皐月、の名前は実は、作家になりたいなぁと思って、随分前に作った名前だったりする。ちなみに、サインも決まっている。……知りたい? 一見、ピエロみたいなサインだよ。
昔から……というか、幼少期から、私は言葉や文章に触れるのが大好きだった。
残念ながら作家には到底なれそうに無いから、せめて、書籍関係の仕事がしたい、と、何度か思った。
まぁ、「そんな緋和の夢は叶ったのか」という結果については、どうか、皆様のご想像にお任せしたい。
作家になりたい、と思ったのは、随分と前のことだが、そんなことを願うきっかけとなったのは、とある2人の作家様の小説のお陰である。
……ここに勝手にその御名前を載せるのは、大変失礼なことだと思うので、非公開とさせて頂くが。
しかしその作家大先生様お2人の名前を知ったのは、一昨年と、5、6年前あたり……だったと思う。
わりと最近の話である。
でも、その先生様の作品は、ずっと昔から知っていた。
振り返ってみると、先生様の御名を知らないあの時も、ずっと先生様の作品のファンだったのだ。
どんな小説が好きかと問われた時、真っ先に思い浮かぶ複数の小説タイトルは、そのほとんどが、2人の先生様の作品だった。……いや、「だった」というのは間違いだろう。今でも現在進行形だ。
私が神だと崇める作家、ダントツトップの2人である。
(小説界の)神だと思う作家は、他にも、なろう作家を含め数名いるものの。ダントツトップはあの方たちしか居ないな、としか思えないほど、心酔していたりする。
……あ、ちなみに私は、一旦信じたら、とことん信じて最後に騙されて終わる人間です。まだ騙されたこと無いですけども。
……話を戻そう。
まぁその先生様たちに憧れて、作家になりたいという夢を持ち、しかし直ぐにその夢を仕方なく諦めた私だが。
1年前、とあるサイトを見つけたのだ。
それが、このサイト。小説家になろう、である。
見つけた当時、久しぶりに昔の夢を思い出した私は、「これはまさか、私を私の神様が導いてくださったのか?!」とか、信仰なぞ全然してない癖に思ったりした。
今でも宗教には興味は無いが、神話は好きである。……え? それとこれとは話が違う? いやいや、神様は神様なんだから、ひっくるめたら同じことじゃんね。ね?
む、話がよく脱線するな……まぁ、いっか。
そんなこんなで、約1年間。「なろう」にお世話になってきた。
1年もしてきたから、時には日間ランキングや月間ランキングのトップの座を頂いたり、PV400なんて数字に吃驚したり、お気に入りユーザ様が何人も増えて嬉しかったり。
……まぁ、色々とあった。とても、楽しかった。
ちなみに、現在の私のお気に入りユーザ様は、とある3名を除くと、逆お気に入りユーザ様だった方々だったりする。お気に入りされるとお気に入りしたくなるので、もしそのユーザ様が活動報告を1つでも書いていたら、絶対にお気に入りにしてしまう甘い人間である。
……おかげでお気に入り様の活動報告が流れるのが早く、コメントが追いつかなくて困るこの頃だ。
お気に入りしてくれる人=良い人=好き、という阿呆な三段論法が緋和の中にある限り、お気に入りされたら私は必ずお気に入りすることだろう……ただ、お気に入りユーザ様は200人しかできないらしいので、もし200人に達したら……その時は、三段論法を諦めようと思う。
こんな阿呆に、いつも付き合ってくれている、緋和のお気に入り様へ。
どうか、これからも末長く仲良くしてください。緋和は貴方たちが大好きなんです。
……え? それは無条件の愛だろって? ううん、そんな軽く無いよ、貴方たちの優しいところが好きなんだから。
怒ったり、怒られたり、なんか私が超絶失礼な発言かましてたり……なんだかんだ、こんな変人に付き合ってくれる人って、リアルでもネットでも貴重なんですよ。
……え? 重い? すみません、わかりました、軽くなります。一応、標準体重より軽いんだけども……明日からダイエットだ!(←そういう重さじゃねぇ!)
さ〜てと。そろそろ結構、いやだいぶ長いですねw
ここで『緋和皐月、誕生話』という名の雑談は、終わらせることにしましょうか。
それでは皆様。
おやすみ、の人には、「良い夢を」。
おはよう、の人には、「良い1日を」。
今日はこれで、筆を置こうと思います。それでは皆さん、また会う日まで! ……と、格好良く締めてみたいものだが、どこか気恥ずかしいので、最後の最後でふざける。
ふとんが、ふっとんだ〜!
……画面の向こうの貴方様が、せめて、失笑くらいしてくださることを願う。
(ああ、緋和、最後の最後で、真面目な雰囲気に耐えられなかったんだな……なんてことは思ってはいけない。いけないのですよ、皆様よ)