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10 旅の終わり、旅の始まり3

 マシニア国

女王付きであるアンドロイドマーキナはやっとシェイナの棺を安置する決意ができた

歴代の王や女王が眠る王墓

シェイナの棺は未だその王墓の献花台の上に置かれている

マーキナはもう一度その棺をのぞき込んだ



ドクン


どこからか鼓動が聞こえる


「?」


マーキナは周りを見渡したがおかしなところはない


ドクン


やはり気のせいではない

今度はサーチモードで周りを見る


すると、生体反応を指し示す表示


ありえません

ここは、王墓、今他に生きた者は入っていないはず

侵入者?


マーキナの思考回路が回転する


生体反応をたどる


そこでまたあり得ないと思った


生体反応は、シェイナの棺からだった


ドクン


鼓動は、やはりそこからしている


マーキナは恐る恐る棺を開けた

そこにあるはずの死体は、まったく別のものに変わっていた

それは、蛹

その蛹が脈打っていた


「これ、は?」

「マスター...あなたは、生きて?」


ドクンドクンと鼓動を繰り返すシェイナの蛹をそっと触る


温かい


マーキナはうれしかった

生きていたことに

またマスターに会えることに


蛹に寄り添い、その復活を待つ



―――――――――――――――――

 ミューたちはモルガナに言われた通り、マシニア国へと戻る

マシニアはすでに騒がしくなっていた

女王の復活はもう国中に広まっているようだった

蛹に万が一のことがあってはいけないので親しい者以外の王墓への入場は許されていなかったが

ミューたちはもちろんあっさりと通れた


「こちらです」


マーキナが棺まで案内してくれた

その顔は笑顔に満ちていた


棺を開くと、虹色に輝く蛹が動いていた


「シェイナ、ちゃん?」


ミューが蛹に触れると、それにこたえるように嬉しそうに動いた


「生きてる、よかった...」

「よかったよぉ~」


その後、魔王たちも訪れその蛹に触れ、鼓動を感じた


それから数日後—


羽化の兆しが見えた

ミューや魔王、マーキナが見守る中、蛹に亀裂が入る


パキパキと音を立て蛹から美しい女性が出てきた

黄金の髪は長くのび、澄んだ薄い青色の肌

瞳は金色に輝き、七色の羽を背中に生やしている


その羽化を見た者はみな息をのんだ

かの美姫、ハクラ姫と並んでも何ら遜色ない美麗さ


「...」


こちらを驚いたように見つめるシェイナ

皆心配そうにしている

首をかしげる


「シェイナ、ちゃん?」

ミューが近寄って話しかける


「...」

「ミュ、ウ」

「僕は、どうしてこんなとこに?」


声が発せられた瞬間その場にいた者は一気に魅了された

まるで奏でられた美しい旋律のように脳の奥底まで響く声


「シェイナちゃんは、敵にやられて...」


「敵?」

そこで記憶がよみがえって来た

自分の心臓をえぐりだした腕

その心臓から血を飲み下す女の姿


「あいつは?」

「グランドルはどうなったの?」


「シェイナ、もう、大丈夫です」

「あなたのおかげで奪還することができました」

「あの時あなたが私を守ってくれなかったらそれはかなわなかったでしょう」


魔王の告げる言葉にホッと安心した


「マスター、生きていてくれて、本当に、よかったです」


マーキナがシェイナのそばまで寄って来た


「マスターこれを」

「お召し物です」


マーキナが差し出したのはマシニアの服

機能性に優れ、重による攻撃でもはじくもの


そこでようやく自分の姿に気づいた


自分自身をみてみると

妖精女王ティターニアに進化していた


 妖精女王ティターニア


妖精族をまとめ上げる長

究極の妖精魔法、原初魔法の扱いに長ける

その者はいずれ神へと至る


とんでもないことが書かれていた

妖精女王のさらにその先

その道が示されていた


そして

僕は、妖精女王となったことで、妖精の住まう国ファーリーンへと向かわなければならなくなった

その前にまずマシニア国で盛大な復活祭が行われた

この祭りは永遠に行いますとマーキナに言われたが、それは遠慮させてもらった

主人公復活

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