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ラバーズ3

 ドミラウラの宿で宿泊した後、宿に直接とある人物が来た

二人は動揺を隠せない

ドミラウラの王ミノス

迷宮を作り出した王族の子孫で、この迷宮の管理人でもある


 なぜ直接会いに来たのかはわからない

一国の王が来るような理由が全く分からない


「君たちが魔王殿の配下の方かね?」


隆起した筋肉に、粗暴そうな見た目

それに反して柔らかな口調

それがアンバランスな印象を与える


「はい、そうですます」


「ます?」


「あ、いえ、気にしないでください」

「コープライの方言みたいなもんです」


「そうかね」

「して、君たちに頼みたいことがあるのだが」


「僕たちにですか?」


「あぁ、魔王殿にこれをな」


ミノス王は懐から書状と箱を取り出した


「これは?なんでましょう?」


コープライが箱と書状を受け取る


「つい最近のことなのだがな」


ミノスはつらつらと語りだした

なんでも最近見たことのない鉱石が近くの山で見つかったが

あまりの硬さに加工できないとのこと

好物の扱いに長けたドワーフに鑑定を依頼したが何もわからない

加工もできないし正体もわからない金属

山で見つかったが、そこは鉱山ではない

空から光る何かが落ちてきて、地面に穴を開け、その中心にこの鉱物があったらしい

その鉱物は鈍く輝き、七色に光っていたという

今はただの黒い塊となってしまっている


「これを、魔王様にわたすのがいいのですことね?」


「あぁ、そうしてもらいたい」

「賢明な魔王殿なら何かわかるかもしれないからな」


「わかりましたです」

「帰りましたら渡してますよ」


コープライは箱と書状をしまう


「すまん、恩に着るぞ」


それだけ言うとミノスは去っていった


「びっくりしたね、コープライ」


「は、はい、驚かされてきました」


目を丸くしているコープライ


「ともかく、ゴライオに向かおう」


「はい」


ドミナウラの北方に位置する雷獣族の国ゴライオ

年中雷の降り注ぐ土地で、雷獣は雷の加護を得ている

彼らは雷の仲を移動することができ、雷とともに現れるという

正確はいたって温和

強いが、自衛以外では戦わない

その代わり、いざ戦うとなると雷を纏い、超高速での攻撃を可能にする


ドミナウラとは隣国なのでそこまで遠くない道のり

朝である今出れば昼過ぎにはつく計算


荷物をまとめ、宿を出るとその足でゴライオへ出立

来た時とは別の案内人の女性に迷宮を案内してもらい、外へ出た


「この道をまっすぐ行けばゴライオです」

「道中魔物も出ますのでお気をつけてください」


ミノタウロス族は誰も彼も筋肉隆々彼女も例外ではないが、男性ほどではなく

単に引き締まった体と言っていい

まぁ、腹筋は割れているが


「案内ありがとうですございました」


お礼を言って歩き出す


順調に進み、予定通りつくことができた


轟雷、轟雷、轟雷


兎に角雷が鳴り続けている

街の周りに複数の避雷針が設けてあるため街の中には落ちない仕組みだ


街はガラスのようにきらめく素材で出来た建物が多く

雷の光に反射して幻想的だった


街を歩く観光客、冒険者


雷獣たちの姿は青色や黄色い毛並み

頭の上に生えた獣耳は長く、リンクスの耳のよう尻尾はふさふさで長く、常に静電気を帯びている

触れば当然痺れる

しかし、しびれてもいいから触りたいというものが多いほどふさふさでもふもふして柔らかい

恐らく獣人界随一の毛ざわりだ


この国は双子の姫王が治める国で

名産は雷饅頭、特殊な技術で餡に雷を練り込んであり、食べるとピリピリ舌を刺激するため

癖になる味

そのほかにも、雷が落ちた後の砂地にガラスができ、それを加工して作ったアクセサリーも人気だ


二人はさっそく宿をとって住人に聞き込みを開始した

種族は多いにこしたことはない

多様性が好き

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