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黒鬼のクラハ

 白鬼ハクラの姉、黒鬼クラハ

鬼人族の母と仙族の父の間に生まれた二人

仙力と鬼の力を宿した二人には明確に実力の差があった


 仙力と鬼の力を自在に操り、組み合わせることでより強力な力として昇華させていた姉クラハに対し

妹ハクラは仙力をまともに使えなかった

当然実力的にも姉クラハが鬼人族の姫になると思われていた

しかし妹を溺愛するクラハはハクラを守るために武者修行に出てしまった

そのためハクラが姫となったのだが

その人懐っこい性格と優しさ、クラハには及ばないまでも姫に見合った実力に、すぐに認められた


一方武者修行に出たクラハは仙族が住まう桃源郷へと旅に出ていた


桃源郷は特殊な場所で、仙力を持つもの以外は入れない

そこには不老長寿の仙人たちが住み、絶えず桃の香りのする幻想的な場所


 仙人の中には数百年生きている者が幾人もおり、魔王よりはるかに強い者までいた

しかし彼らは桃源郷から出ることはない

それは争いのある浮世を嫌うため


桃源郷にたどりついたクラハはそこで血のにじむような努力をした

童子に進化し、さらに誰もたどり着けなかった境地、鬼子母神にまで進化を果たした


神に至ると言われるその力は圧倒的で、仙人の実力者たちも驚いていた

最高の力を手に入れたクラハは妹を守るためにキガシマへと戻る

その道中にハクラがグランドルに攫われ、ひどい目にあったといううわさを聞いた


激怒したクラハはいの一番にグランドルを滅ぼそうと思った

キガシマに戻ったクラハはまずハクラを思いっきり抱きしめようとしたが、どういうわけか国中が騒がしい

きくところによると、ハクラが急にいなくなったとのこと

気が気でないクラハは手掛かりはないかと聞いて回った

すると、侍女の一人がグランドル奪還に向かったのでは?と言った


グランドル奪還?

疑問に思った

なぜ被害を受けたハクラがあんな国のために動くのかと

どうせ優しい妹のことだ、甘い考えで撃どいているに違いないと思った

それでも、そのやさしさに幼いころはいつも助けられてきた

優しすぎる妹はいつも自分が損をしてきた

だから、だからこそ自分が守る

彼女を傷つけようとする全てから

今度こそ、絶対に


グランドルへと仙力スキル、浮遊で急ぎ向かうと

今まさに命を散らそうとする妹の姿

数キロ先からだろうと絶対に見間違うことはない

愛しい妹

それを傷つけようとする女

ユルサナイ


妹を、傷つける者は、殺す


間一髪で助けに入れた


久方ぶりに見る妹

童子に進化したのが一目でわかった

さらに美しくなった妹をすぐに抱きしめたい気持ちをぐっとこらえ、目前の敵を屠った


もう、誰にも傷つけさせない

絶対にそばを離れない

クラハはそう固く決意した

白黒つけるぜ

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