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世界樹の国 ユグドラシオン

 世界樹のふもとから西へ約3キロ

そこに、世界樹を守る国があった

名をユグドラシオン

エルフの女王が統括するこの国は世界樹の守り手として代々その役目を担っていた

その国の城、その場内の女王の部屋に一人のエルフの伝令が駆け込んだ

ノックもせずに


「陛下!大変です!」


「どうしたのです?騒がしいですよ」


女王とは言ってもその姿は若さと力にあふれていた

錫杖を手にし、優雅に椅子から立ち上がり、歩き出す


「守護者が、誕生しました!」


そう、兵士が言うと

女王はコクリとうなずいた


「やはり、あの光は、そうでしたか」

「ごくろう、下がりなさい」


「は!」


窓から世界樹の方を見つめる女王

頂上が突如輝き始めた

それはつい昨日のこと

その数時間後、また突如として光は消えた

それの意味するところ

それは、世界樹の花が咲いたということ

そして、世界樹に選ばれた守護者が誕生したということだ

 

 守護者とは世界を守る役目を担うもの

すぐにその守護者を保護する必要があった

生まれたばかりの守護者はまだ戦うすべも知らず

悪ければ魔物に殺される恐れがあるからだ

そうなれば、世界の災悪たる存在にすべてが滅ぼされる


 女王はすぐに準備を整える

城の女王がおわす場所

その椅子に腰かけると

すでに国の主要人物たちは集まっていた

どの顔も例外なく美しく

エルフという種族の美麗を体現していた


「忙しい中よく集まってくれました」


頭を下げる女王


「いえ、陛下のお頼みとあらば、われらどこからでも駆け付ける所存でございます」


中で一番年上の男エルフが答えた

魔術師協会を束ねるオールス・クライムセル老だ

彼は、年齢とその信頼からこの中でも女王の側近を許されている数少ないエルフの一人


「オールス、貴方には苦労をかけます」


「陛下、もったいなきお言葉にございます」

深々と頭を下げるオールス老


「皆に集まってもらったのは言うまでもありません」

「守護者のことです」


皆一様にうなずく

すでに国中にいきわたっていたその情報を改めて確認したといった感じだ


「守護者、本当にそうなのでしょうか?」


そう聞いたのはクラム・ハッシバー大司教

世界樹信仰の司教である


「それを、確かめてもらいたいのです」

「カノン、貴方には調査隊を率いて世界樹へと向かってもらいます」

「もし、守護者がいたならばその保護を最優先に行動しなさい」


「ハッ!」


返事をしたのはこの中で一番若く、女王に負けるとも劣らない美しさをもつ女性エルフ

カノン・ミスティレイ騎士長だ

若いながらも騎士としての実力は他国にまで轟いている


カノンは敬礼をするとすぐに任務へと向かう準備をするため、王の間を出た


「彼女が返ったとき、国は忙しくなるでしょう」

「オールス、魔術師たちをすぐにでも動かせるよう準備させてください」

「場合によっては魔族が動く可能性があります」


「承知いたしました」


「それと、各国に伝令を」

「すでに事態を把握している国もあるでしょうが」

「すべての国と種族に知ってもらわねばなりません」

「それと、妖精族の方々にはいち早く連絡を」

「守護者となれば、ティターニアの帰還も考えられます」

「そうなれば守護者は世界樹だけではなく...」


「陛下、考えすぎでは?」

「ティターニアはもう何千年も現れておりません」

「神に近しいともいわれるその存在はすでに多種族の間ではおとぎ話となって語られるほど」


「ええ、しかし、昨日のあの輝き」

「あれは、今までの守護者のどんな光よりも輝いていました」


昨日のことを思い出し、目をつむる女王

かつての守護者が生まれたときの光を比べる


「わかりました、陛下」

「かならずや、守護者を守り通します」

「ティターニアの誕生は我々の希望となりえます」

「光輝く世界を作り出したかつての妖精女王ティターニアモルガナのように」


おとぎ話に語られる妖精女王

かつて世界を光で照らし、闇を打ち払ったティターニアモルガナ

確たる証拠も存在の照明も今となってはできないが

エルフの女王は確実に存在したと考える

エルフの女王は代々その血を受け継いできたと語られているからだ


エルフ早めに出しました

いろんな種族をいっぱい出したいです

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