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ラバーズ2

 コープライは今、恋人のマーローと一緒行きます

ドライアド、探す行くの、もっと東、ドルイドの集落からもっと


マーローとコープライは今ヒュームの領土から少し離れ、隣国のミノタウロス族の国、ドミナウラにいた

といってもまだ領土に入ったばかりで辺境も辺境

ミノタウロス族は大地に癒着し、自然を愛する種族らしい

姿は大柄で強靭な筋肉に体を包んでおり、大きな角を持っている

見た目はヒュームとそんなに変わらない

自然とともに暮らすミノタウロス族ならばドライアドたちを傷つけることもないだろう


「ミノタウロス族にはまだあったことないなぁ」

「コープライは?」


「私、会ったことないまだです」


「そっかー、どんな種族なんだろう?」


「見たことない、しかし聞いたことあるます」

「牛の角生えて、筋肉すごいですらしい」

「とても強い、でも優しいと聞きます」


「そっか、じゃぁ僕たちが行っても平気かな?」


「もしダメでも、私マーロー守るます」


「アハハ、それは頼もしいな」


コープライはマーローに寄り添う


ミノタウロス族の国は小さい

小さいながらも他国に侵略されたことがない

その理由は、国全体に張り巡らされた巨大迷路によるものだ

その迷路の構造はミノタウロスの案内係しか知らされておらず

観光や貿易などでくる旅人はその案内係が迷路の中心にある街へと案内する

迷宮は毎朝その全容を変えるため、一度訪れたことがあっても抜けることはできない


その迷宮が見えてくる

迷宮の壁は高く、上には屋根もあるため、空から侵入することもできない

迷宮の入り口の前には案内人のミノタウロスがいた

筋肉隆々の男、大きな角に巨大な斧を背中に抱え、身長は二メートルほどもある


「止まれ、ドミラウラに何用だ」


マーローはこれまでのいきさつを話した


「おお、そうか、魔王様の」

「ならば問題はない、案内しよう」

「ドライアドのことは道中話そう」


別の案内人に交代すると、彼はマーローたちを案内し始める


「確かに数日前ドライアドたちはここに来た」

「とても美しい種族だったぞ」

「だが残念ながらもうこの国にはいない」

「先日旅立ったのでな」


「そうですか...」


「ドライアドたちは次はゴライオへ向かうと言っていたぞ」


「ゴライオ?」


「あぁ、雷獣族の住む国だ」

「年中雷が降っているらしい」

「この国から北東へ進むと山があるんだが、その山のふもとにある」


ほの暗い迷宮を迷うことなく進む

彼ら案内人は迷宮と深いつながりを持つため

毎回変わる迷宮のルートを完全に把握している

さらに、ミノタウロス族固有の種族スキル“絶対方向感覚”も作用している

子のスキルはどれだけ深い霧だろうが、初めて来る土地だろうが問題なく目的地にたどり着く


迷宮に入ってから一時間ほどで街に着いた


「これであんないは終わりだ」

「まぁ、楽しんで行ってくれ」

「ゴライオへは北の出口から行ける」

「帰りはそこにいる案内係に頼むといい」


「いろいろありがとう」


「あぁ、こちらこそいい話を聞けた」

「では、機会があればまたいずれ会おう」


それだけ言うと、彼はまた迷宮の入口へと戻っていった


ドミナウラは周りと天井を迷宮に囲まれているため、常にかがり火をたいている

それでも窒息しないのは、常に新鮮な空気が外界から送られているためだ


町並みは赤褐色のレンガ造りで、頑健さと美しさが見事に共存していた


「きれいなとこだね」


「はい、そう思います」

「私、こんなとこ、初めてきてますよ」


二人はひとまず旅の疲れをいやすために宿へ向かった


宿はひときわ大きな建物で、温泉もついていた

すっかり疲れの癒えた二人は翌日、意外な人物に会うこととなった

恋人らしいとこがあまりないね

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