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獣人国ガルードラ防衛戦線1

閲覧注意

 グランドルが落とされて数日、悪夢のような国が建国された

国というのもおぞましく、絶えず悲鳴が聞こえていた

周辺の村、街からヒュームを連れてきては、残酷に拷問し、殺しているらしい

理由は分からないが、ただただ殺し続けるだけ


この国にいるのは狂乱葬送と名乗る二人組

自分たちを王というわけでもなく、ただ殺すのを楽しむ狂気の二人組だ


「グルrrrr」

「リコルコ、フォロソスの方はどうなっている?」


彼は、リコルコとペアを組む狂乱葬送の一人

犬神族、惨葬のオウロウ


「あ、うーうぅ、あっあっ、うぅう、う」


リコルコと呼ばれたヒュームの女性は真っ白く濁った眼をぎょろりと動かし、オウロウを見つめる

顔の右半分には真っ白な何も書かれていない仮面をつけている

彼女も同じく狂乱葬送、滅葬のリコルコ


「そうか、まぁ奴らはガルードラまでの長旅だ」

「一応捕捉はしておいてくれ」


「あっ、うぅ」


リコルコはうなずいた

その拍子に仮面が落ちる

その仮面の下からは黒い目

左と同じ顔で、その境目には継ぎ目があった


「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


激しい叫びをあげるリコルコ


「ああああ!!うっあぁ!!」

「よくも!ルコを!私の!可愛い!いもうとをぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

暴れる


「やめろリコルコ!落ち着け!」


城を無差別に破壊していく

連れてきた人間たちが無残にも爆散していく


「リコルコ!それ、仮面だ!」

オウロウが一瞬のうちにリコルコと間合いを詰めた

そして、仮面をはめる


「うううううああああああああああ、あ、あ、あ、う」

「あぁう、あぁああ」


「大丈夫か?」


「う、あぁ」

そのままへたり込む

左の目からは血涙が流れ出ている

それほどまでに彼女の恨みは深い




 ホビットの国から少し離れた場所に狂乱葬送の二人、アスティレットとフォロソスはいた

盗賊討伐依頼

冒険者を隠れ蓑に大手を振って人を殺せる数少ない仕事

それが盗賊団の壊滅

デッドオアアライブのこの仕事は殺人鬼たる二人には夢のような仕事であるともいえる


「ふんふんふ~ん♪」


「機嫌がいいな、アスティレット」


「まぁね~、もうすぐね、盗賊の人達に痛みと死の素晴らしさを教えれるんだもん」


「フフ、僕も心なしかワクワクしてきたよ」


「でしょ~」


「ほら、もう囲まれているぞ」

「早速、楽しませてもらうとするか」


デスサイズを手に構える


アスティレットは鋭いレイピアを手に持つ


「そこで止まれ!」


周囲の藪から盗賊たちが飛び出す


「金目のものすべて置いていけ、それと、そこの女もな」


その言葉に思わず吹き出してしまうフォロソス


「何笑ってやがる!」


「いや、失礼、あまりにもお約束のようなセリフを吐いてくれるのでな」


その言葉に盗賊はキレた

「お前は殺す、ズタボロにしてやる!」


しかし、踏み出そうとした瞬間に囲んでいた盗賊の体が切り裂かれ、崩れた


「ああああああああ!!私の獲物は!?」


「大丈夫だアスティレット、女5人ほどを残しておいたぞ」


「さっすが~じゃぁ、楽しんでくるね」

隠れていたのを悟られ、近づくアスティレットに恐れをなして逃げ出す女盗賊たち


「あぁ、本拠地の場所も忘れず聞いておけ」


「うん~」


「ひぃ!やめ!」

生き残った女盗賊たちが何かに足止めされ、動けなくなる

スキル“拘束”

拷問のために捕らえるアスティレットのスキルだ


フォロソスが女ばかりを残したのには理由がある

アスティレットが一番好きなのは、高い悲鳴だから


その場に悲鳴が上がり始めた


「なんで逃げようとするの?」

「大丈夫だよ、痛いのは最初だけだから」

「だんだんとね、死にそうになるにつれて気持ち良くなってくるの」

「きっと、死ぬ瞬間はさいっこ~に気持ちいいよ!」

アスティレットは懐から取り出したナイフでゆっくりを女盗賊を

生きたまま、あるいは解体し、あるいは足からスライスし、あるいは皮を剝いでいった


「見てみて、フォロソス、この子あの時の私と一緒でちびっちゃった」

「アハハ、そっからどんどん気持ちよくなるよ!」

「よかったね!」

その女盗賊は両手両足の関節すべてを外されていた

その外れた関節を指先からさらにグッと伸ばし、ゆっくりゆっくりナイフで切り外していく


悲鳴は夜になるまで続き、最後に残ったものが息絶えた頃にはすっかり辺りは暗くなっていた


「いい悲鳴だったな」

「なかなかうまいじゃないか」


「そう?ありがと~」


「さて、本拠地も聞き出せたし、ここの死体を焼いたら明日そこへ行くぞ」


「え?なんで焼くの?」


「この死体は明らかに拷問されて殺されているのがわかるだろう」

「足がつくのは厄介だからな」

「完全に焼き尽くして証拠は物品だけにすればいい」


「なるほど」


次の日、二人の狂気は盗賊たちの隠れ住む山へと向かった


その後しばらく、その山の中からは女の悲鳴が聞こえたが、やがて、何も聞こえなくなった



「終わったか、楽しめたか?」


「うん、すっきり!」

「みんな喜びの悲鳴を上げてくれたよ」

「まぁ、ちょっと数が少なかったけどね」


「では、報告を済ませてまたガルードラへ向けて旅をするとしよう」

「先はまだ長いからな」


「は~い」


すっかり機嫌のよくなったアスティレットの様子にフォロソスは満足してうなずいた


拷問って難しいね

生かさず殺さずのラインってどのくらいなんだろう?

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