狂乱葬送 虐葬のアスティレット
ちょっと、というかかなりえぐめです
閲覧注意
アスティレットは獣人族の国ガルードラ辺境の村で生まれた
土地は荒れ、作物の育たないやせた土地
その日の食料すらえれない過酷な状況
子供は口減らしされる状況の中、アスティレットは両親と弟たちとともに必死に生きた
やせこけ、筋肉もなく、加えて体力も他の獣人たちにはるかに劣る小猫族
すでに両親ははやり病に倒れ、5人いた弟のうち4人は力尽き、死んでいた
悲しみをぐっとこらえ、アスティレットは食料を探し
毎日のように遠く離れた街に行きゴミ箱をあさる日々
そんなある日、邪神とも言われる古代の悪神を信仰している一派がガルードラの王ライオニル二世の暗殺をもくろんだ
たまたまこの村出身の男がそれにかかわっていたため、村人にも疑いがかかった
それに不運な偶然が重なった
その前日にアスティレットが街の路地裏で拾ったきれいなロザリオ
お金になると思って拾ってきた
ただそれだけだったのに、そのロザリオは邪教のシンボルだった
そのため、アスティレットたちは関係を完全に疑われ、激しい拷問にかけられ、仲間の居場所を問われた
当然知る由もなく
両親が耐え切れず死に、最後に残った弟までも目の前で殺された
アスティレットは何日にも及ぶ拷問に耐え続けた
泣き叫び、許しを請うアスティレットに情報を聞き出そうとする者はいない
すでに無実だとわかっていた
それでも、拷問し続けたのは快楽を得るがため
顔以外の体中を切りつけ、むち打ち、刺し、つぶし
耳を切り取られ、目をくりぬかれ
ようやく解放された時、アスティレットには何も残っていなかった
ボロボロで、目も見えず、砕かれた両足では歩くこともままならない
絶えず続いた拷問によって精神すらも壊れ、街道に倒れ、ずっと笑い続けていた
誰も手を貸そうとする者はいない
見るからに無残で、自らの糞尿にまみれて強烈なにおいを放ち、不気味に笑う死にかけの少女
そんなものに手を差し伸べようと誰も近寄らなかった
そんな中、ようやくアスティレットに声をかける者がいた
美しい白い翼を持った翼人族に見える長髪の男
見たこともない服を着、優雅な歩みでアスティレットに近づく
「かわいそうに」
そう、聞こえた
見えないが、前に男がいるのは分かった
その男が自分を抱きかかえる
「おいで、私のもとへ」
優しい声、温かい手
その手がそっとアスティレットの頭をなでる
その瞬間アスティレットに少し心が戻った
くりぬかれたその目から涙があふれ、ずっと笑っていた顔が崩れた
回りの者は驚いている
美しい男がその服が汚れることも構わず汚い少女を抱きしめているからだ
「落ち着いたかい?」
アスティレットはコクリとうなずいた
男はそのままアスティレットを抱えてどこかへと飛び去った
どこかの場所、どこかの屋敷
そこに連れてこられたアスティレット
「まずは汚れを落としましょう」
「それから、傷の治療ですね」
そういう男の声が聞こえた
アスティレットは侍女と思われる女性にお姫様抱っこのように風呂へと連れていかれた
だれも彼女を汚いなどと思っていないのか、優しく抱かれる
汚れを落とした後、治療が施されたが、深い傷や目までは治療できず、失明したままだった
その後、きれいな服を着せてもらい、再び男の前に出た
「ふむ、きれいになりましたね」
「怪我の具合はどうですか?」
「だい、じょうぶ、です」
「あなたはこれから私のものです」
「その証としてこれを授けます」
男はアスティレットに手をかざした
暖かな光が少女を包む
「あれ?周りが、見える?」
「色までは分からないけど、見えてます」
「それはよかった」
「あなたにレーダーのスキルを与えました」
「それで以前と変わらない、いえ、それ以上感覚が鋭くなっているはずです」
「あ、ありがとうございます!」
「あなたは、あなたたちをそんな目に合わせたものが憎いですか?」
「...」
その表情は笑っていた
「にくい?いえ、なぜかわからないけど楽しいです」
「楽しくてしょうがない」
「この楽しさをみんなにも分けてあげたい」
「私がされたことと同じことをすれば、みんな楽しんでくれますか?」
「あぁ、そうだね」
「きっと楽しんでくれますよ」
「なら私は、それを伝えてあげたい」
「死ぬ間際が一番うれしくて、楽しくて、幸せになれるんだって」
「そうしてあげなさい」
「僕が全面的に協力してあげるますからね」
アスティレットは喜んだ
心の奥から喜んだ
壊れた心の奥底から...
彼らは順に紹介する感じです




