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8 ホビットの国1

 リザードマンの集落を後にして、通行止めの解除された道を行くことにする

目指すはホビットの国、トゥラレンテ

温厚な慎重1mほどの小人族が暮らす平和な国だ

主にマジックアイテムのアクセサリーを生産しており、それを貿易の要としている


「僕、小人族に初めて会うよ」


「私も私も~」


シェイナとミューは意気揚々と歩いた


「私は一度、故郷に行商で来ていたのを見たことがあります」

「あれは多分、ホビットよりさらに小さいコロポックル族だと思いますが」

と、リモットがちょっと得意げに言った


「へぇ~、小人族にもいろいろいるんだね」


「はい、私が見たコロポックル族は手のひらサイズの可愛い種族でして」

「薬草術にたけています」

「それに、雪を操る術も持っているみたいですね」


「ほぇえ、そんなにちっちゃいのに雪を操るってすごいね」


「あの、私魔王国で見たのですが」

と、新入りのハノラが言う


「え?そうなの?」

「僕は会ってないなぁ」

「今度サクラに合わせてもらおっと」


「可愛らしい方でしたよ」

「たしか、ブラウニー族の方です」

「名前はトットさんとおっしゃってました」


「よし、この国にしばらく滞在したら一旦魔王国に帰ってみよう」

「黒いゴブリンの調査結果も見ておきたいしね」


「うん、私、アマツユ先生に強くなったとこ見てもらうんだ」


シュッシュとシャドーボクシングのような動きをするミュー


「私、魔王国はまだ行ったことないです」

「魔王様は間接的にしろ私の恩人なので一度お礼も言っておきたいですし」

「もしかなうならデュルク王様にもお礼を言いたいのですが」


「うん、じゃぁサクラに頼んどくよ」

「たぶん、大丈夫だと思うよ」


「あの、魔王様をお名前で呼んでいるみたいですが」

「どのような関係なのですか?」

「魔王様もあなたたちのことをお友達のように話していましたし」

たじりながらハノラは尋ねてみた


「ん?あれ?サクラから聞いてないの?」

「僕らの関係は友達であってるよ」


「「ええ!?」」

リモットとハノラが同時に声をあげた


「そ、そんなこととはつゆ知らず、ご無礼を!」

「申し訳ありません!」

ハノラがすごい勢いで謝る

地面に頭をこすりつけん勢いだ


「あばばばばあわわばべばば」

リモットに至っては何を言ってるのか分からない


「やめてよ、僕はそんなの気にしないから今まで通り普通にしてよ」

そう言いながらもちょっとしたいたずら心、というか興味心がわいた


「あ、それと実は、僕たちは守護者と勇者なのでした!」

ババーンと手を腰に当ててドヤって見せる


「そ、そんな、そこまで、すごい方だったなんて」

とうとうハノラは土下座してしまった


やばい、やりすぎた

うわ、リモット固まって白くなってる


「わわ、やめて、人が見てる!」

「あげて!頭あげて!」


通行止めが解除されたせいか、人の往来がかなりある

視線が、痛い


何とか二人を落ち着かせて、街道をそれた岩陰に連れてきた


「ごめん、調子に乗っちゃった」

「いいから、お願いだから崇めるのはやめて」

「ほんとに、ほんとに、お願いします」

心の底からの願い

ハノラの信仰がすごすぎて運ぶのが大変だった


「でも、そういうわけには」

「あぁ、勇者様や守護者様にお仕えできるなんてなんと幸せなことなのでしょう!」


うわぁ、宗教家って怖い


「とにかく、僕とミューに様付けはやめてね」

「それと、土下座も」

「なんでそんなにきれいな土下座してるの」


ずっと土下座をやめないハノラだったが

やっと立ち上がってくれた

その顔は感動の涙でぬれていた。ぐしょぐしょに...


あれ?リモットは?

あ、まだ固まってた


「お~い、リモット、大丈夫?」

手をひらひらとリモットの顔の前で振ってみた


「あわわわわ、だだだ大丈夫べべべ」

勇者と守護者だということは知っているので

魔王の友達ってとこに反応したのだろう

動いた


よかった、大丈夫そうだ(だいじょばない)


とりあえず固まったリモットを抱えていくことにした

予定では30分ほどで着くはずだったが、予想外に時間を食ってしまい

着いたのは2時間後だった

それでも、日はまだ高い


これなら、ギルドに寄って、宿を探すくらいはできるかな

僕たちのサイズに合った宿ってあるのかな?


その疑問ももっともで、周りは小さな家ばかり

扉も1メートルちょっとしかない

小さい種族だから大きな建物は必要ないのだろう


街は広いが全体的に建物が小さい(大きな建物もあるにはあるが)

その通りを小さな小人たちがせわしなく動いている


ギルドがなかなか見つからないので、歩いている冒険者と思しき獣人に聞いてみた

その獣人はこれから自分も行くところなのでと言って案内してくれる


見つからないわけだ

看板がない

その代わりに建物に冒険者ギルドと手書きで書かれていた

なんでも、最近できた建物らしく

運営までに看板が間に合わなかったので手書きで書いたらしい


小さいのにおおざっぱ...


一応、ギルドは多種族に会わせてあり、普通のギルドと変わらない大きさだった

中にいる受付も、小人族ではなく、ダークエルフとコボルトが務めていた

ダークエルフの方はティクロ、コボルトの方はウィトというそうだ


 ティクロはテュポルと同じダークエルフの国ソリュドの出身だそうで

冒険者を目指して旅をしていたら自分の国がなくなったことを聞いたそうだ

途方に暮れていたところをギルドに拾われ、今に至る

テュポルと違って非常に落ち着いており、大人のお姉さんといった感じだ


 ウィトはコボルトという種族で、犬のような顔(といっても少し人間より)で

目が可愛い

甘えるかのようなその顔は、来る人を和ませていた


受付で挨拶を済ませると、他種族用に作られた宿の場所を聞き

その日は旅の疲れをいやすためにしっかりと休んだ


お休みって大事

モチベーションをあげるためにもね

宗教家って怖いは私個人の意見でもありますね

別に宗教画悪いわけではないです

信じるものを信じればいいと思いますが

信仰心のない私を誘うのはやめてください

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