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7 世界を見て回ろう リザードマンの国5

 さっそくギルドに報告

アッチェマインは嬉しそうに笑っていた

あんなに気だるそうな顔をしていただけあって、一瞬誰だか分らなかった


「よっ、ありがとうね」

「おかげでケルティも無事帰ってこれたよ」

「まだ気を失ってるけど、目が覚めたらお礼に行かすよ」

「ほれ、これは報酬だ」


大き目の袋が渡される


「おも!」


中身を確認すると、金貨が10枚、銀貨が100枚ほど入っていた


「ちょ、多すぎますって!」


「いいからいいから、これはギルドからの依頼だし」

「それに、高級食材のローパー、しかもあんなでかいやつ」

「あと、グリーンスライムの核とか」

「すごいもの持って帰ってきてくれてるしさ」

「遠慮すんなって!」


ニヤッと笑うアッチェマイン

笑っている方が可愛らしいなぁと思うが口には出さなかった


「さて、あんたらランクアップできるけど、どうする?」

「もちろんやるでしょ?」


「あ、はい、お願いします」


「じゃ、ギルドカード出して」

「すぐできるからさ」


三人はアッチェマインにカードを渡す

ごそごそと紙に何かを書き込み、ハンコを押していく

それをどこかに持っていくと、数分して戻って来た


「ほい、これでランクアップだよ」

「おめでとう」


これで、リモットはランクC、シェイナとミューはランクDになった


「一人はらんくCってことは、これからはより危険な魔物や大型の魔物と戦えることになるけど」

「C以上の魔物は人間種、亜人種たちが束になって倒すようなのばっかりだ」

「もう一人くらいパーティにいれることをお勧めするよ」


「そうなんですか、考えときます」

正直ずっと三人で行こうと思っていたから何も考えていなかった

確かに、もう一人くらいいた方がいろいろとできるかもしれない


後でサクラに相談してみよう


「どうする?依頼受けていく?」


あの気だるさはどこ行ったの?ってくらい元気だな、アッチェマインさん

こっちが本性なのかな?


「いえ、ちょっとやることがあるのでまた来ます」


「あいよ、じゃぁまたね」


ギルドを後にし、宿へ戻った

宿ではすでに料理が用意されており、とりあえず食べてから魔王に連絡することにした


「うわぁ、おいしそう」


昼食、シェイナの料理はネギのポワレ、ニンジンのステーキに玉ねぎとキノコのソースに野菜スープ

他の二人は牛?肉のシチューだった

主人いわく、いい肉が入ったんだだそう

その料理を無口なリザードマンの少女が運んでくる


「めしあ、がれ」


少し慣れてくれたのか、話してくれようにはなった

会話はしてくれないが


「ありがとう」


早速いただく

ネギのポワレ

うまい、ほろ苦くて

それに、ニンジンのステーキは甘い、その甘さにソースがベストマッチしてくる


リモットはビーフシチューをほおばる

「!」

「これは!お肉が!お肉がとろけますよ!」

「あああ、幸せです!」


「うん、すっごくとろとろ、口にいれたら溶けちゃうみたい」


最近分かったことだが、リモットは途轍もなくよく食べる

おかわりなんてしょっちゅうだし、今もシチューのお替りをすでに三杯目を頼んでいる


り、リモットさん、速い、速すぎるよ・・・


おいしかった

リモットは食べ過ぎてうめいている


「部屋に戻るよ」


二人に声をかけて部屋に戻ると、通信用のマジックアイテムを取り出す


「サクラ、サクラ、もしも~し」


向こうから声が聞こえてきた


「はい、シェイナ?どうしたの?」


「今リザードマンの集落にいるんだけど」

「この辺りには黒い魔物の気配はないみたいだよ」

「念のためもう一日滞在してもう少し調べてみるけどね」


「そうですか、こちらは得体のしれない黒い兵たちに遭遇しました」

「セレニティア聖国が襲われ、数多くの命が奪われました」


「黒い兵?魔物じゃなくて?」


「えぇ、人型の影のようだったと聞いています」

「おそらく闇の手のものでしょうが、率いている者がいなかった上に」

「死体もすぐ消えてしまいましたので、詳しくはわかりませんが...」

「あ、それとですね」

「セレニティア聖国と同盟が結ばれましたよ」

「なんと、セレニティア聖国の聖王女様とグランドルのデュルク王が婚約なされたんです」

「幼いころの約束が実を結んだそうですよ」

「あぁ、いつか私も、そのような素敵な、恋を」


通信の向こうから愛に悶える魔王の声が聞こえてきた


「サクラならきっといい人が見つかるよ」


「そうですか?」

「では、いつでも結婚できるように花嫁修業をしなくてはいけませんね」


「アハハ」

どこまでが冗談なの?


「じゃぁ、報告は終わるね」

「また何かあったら連絡するよ」


「はい、よろしくお願いしますね」


「あ!ちょっと待ってサクラ」

「聞きたいことがあったんだ」


「はい、なんでしょう?」


先ほどアッチェマインに言われた新しいパーティメンバーのことを話した


「そうですね、今実をいうとこちらから出せる人材がいませんの」

「ごめんなさい」


「いや、いないならいいんだ」

「ギルドに頼んで聞いてみるよ」

「ありがとう、サクラ」


「いえ、お役に立てなくてすいません」


通信を切った


しょうがない、ギルドに頼んでみるか

でも、今日はもう疲れちゃった

ちょっと休んで、街でポーションとかの買い足しして

そしたら、晩御飯になるだろうから、食べて、お風呂入って

寝よう!


ふかふかのベッドに寝ころびながら今後の予定を立てた


あ、リモットとミューのやつ、寝てる

まぁいっか

後で起こして買い物に連れて行こう


その日の午後の予定を立てたシェイナはひと眠りするため再びベッドに倒れ込んだ


報告するだけの日常的な風景

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