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5 闇の侵攻1

 夢を見た

とても、とても怖い夢

自分が自分でなくなる

それを食い止めるために永遠詩に続ける夢


いや、夢じゃない

これは僕の記憶

この世界に生まれる前の僕の記憶


僕は、一度闇になった

思い出せる

全てではないけど...



トントンと扉が叩かれた

そこに、ダークエルフのテュポルが立っていた


「訓練の時間だ」

「朝食を食べたら来い」


「はい」


それだけ言うとテュポルは出ていった

服を着替えて用意する


ミューはまだ寝ている

まもなくアマツユさんが呼びに来るだろう


ミューの力は飛躍的に上がっていた

スキルも覚えた


ミューが覚えたのは瞬身、怒涛、閃激一刀、天滅烈火、雷撃一閃、双牙


 瞬身


速度を上昇させる


もともと早いミューがさらに速くなるのは素晴らしい


 怒涛


1分間息切れせずに攻撃できる


 閃激一刀


広範囲の横なぎ


 天滅烈火


炎を刀身に付与できる

攻撃を受けた相手は燃え尽きるまで炎が消えない


何それ怖い


 雷撃一閃


雷を刀身に付与し、攻撃を受けた相手を感電させる


 双牙


一撃で二回の攻撃ができる


これは、つまり一回剣を振るともう一つ同時に攻撃ができるってことかな?



ミューはこんな感じだった

少し前に比べて体力も筋力もついてきている

以前開拓村を襲った盗賊位なら何とかなるくらいに


僕はというと

ミューみたいに見ただけでは習得できないので

僕の高い魔法耐性と、攻撃を受けるとスキル、もしくは魔法を覚えれるという

僕特有のスキルを使ってテュポルさんに攻撃してもらって覚える感じになっている

でも、このやり方だとどんなに高位な魔法でも、下位の魔法しか覚えれないみたいで

いくつか下位の魔法は覚えれたけど、それ以上の魔法は全く覚えなかった

だから、今日から魔物を狩って覚えることにした

どうやら、そうしてスキルをとると下位ではなくそのままの魔法を覚えれるようだった


テュポルさんから攻撃を受けて習得した魔法は

アイシクル、ロックシュート、ペインくらい

どれも下位魔法だから威力はさほど高くない

まぁなぜか僕の放つ魔法は中位程度の威力になってるらしいけど


 アイシクル


氷の塊を相手にぶつける


 ロックシュート


礫を相手にぶつける


こんなの普通に手でできる...


 ペイン


痛みを継続して相手に与え続ける



ここまで訓練して気づいたけど

僕はなぜか魔法の使い方を知っていた

恐らく、前世と関係がある

どういうことかは分からない

前世、突如闇が世界を覆った後から全世界の人が闇にのまれ

最後に生き残った僕が闇になるまでの間の記憶がない

この空白の記憶に何かがある

そして、その記憶は

この世界に迫る闇と関係がある

そう思えてならない


闇は、多分だけど、まだ僕の中にあるから


カオスソウル

原初魔法と書いてあるこの魔法

同じくレディアントワールドという原初魔法とどうやら対をなしている

まだ使うことはできない

でも、カオスソウルは何があっても使ってはいけない、気がする


とりあえず僕は頭を切り替えた


「テュポルさん、どこへ行くんですか?」


「ふむ、まず魔王国から出る」

「ここから外へ出るとヒュームの領なのだが」

「そこにいい狩場がある」

「魔物が協力すぎてヒュームもめったなことでは近づかん」


「あの、魔物って、どのくらいの強さなんですか?」


「そうだな、一番弱いものでお前くらい、強いもので私の数十倍だな」


「げ!」


「どうした?」


「そんなの出てきたらどうするつもりですか?」


「逃げる」

「もちろんお前が私を抱えて飛んでくれ」


「は、はぁ...」


多分だけど人ひとり、いや、5人くらいは抱えれる自信がある

けど、なんか釈然としない

まぁいいけど...


テュポルさんが闇の扉を開く

この闇の扉、どうやらマジックアイテムで地点と地点をつないでいるらしい

なんでも伝説の転移という魔法をまねして作ったものだとか

ただ、同時に移動できる人数が闇の扉と転移では大きく違う

闇の扉が10人ほどまでなのに対して転移は万単位の移動が可能なんだそうだ

なるほど、それは確かに伝説だね

単純に兵を移動させれるし

突然国の中心部に万単位の兵が現れれば一気に国落としができるもんね


さて、いよいよヒューム領に入る

一応この辺りに人はいないらしいが

テュポルさんが隠匿という魔法をかけてくれた

人の姿、気配を完全に消せるらしい

うん、魔法ってホント便利です


やがて、くだんの森へ着いた

少し入っただけで暗い

ものすごく暗い

回りを見ると、ねじれた木々が生えている

よく見ると薬草らしき草もそこかしこに生えていた

僕は薬草など効能がある草花を食べてもスキルを獲得できる(まれにだけど)

後で食べてみよう


「おい」


「は、はい!」


「ぼさっとするな」

「早速いたぞ」


目の前にはかなりでかいエリマキトカゲみたいなのがいた


 クルディックリザード


クルディックの森に広く生息するトカゲ型の魔物

強力な毒性の液体を吐きかけ、弱った獲物を喰らう


毒かぁ

でも、僕には耐性がある

毒、麻痺、魅了は無効なのだ

これも進化したときに手に入れたスキル

すごく有益有益


思った通り、毒をこちらに射出してきた


遅い

簡単に避けると、下位魔法のウィンドカッターを打ち付けた


倒したと思ったが、薄皮が切れる程度であまり効いていないようだ


だめか、それなら


宙を舞う

そこから鱗粉を振りかけた

麻痺効果のある鱗粉だ


目論見はうまくいき、大量に鱗粉をかぶったトカゲはしびれて動けなくなった

そこを一気に妖精魔法で攻めた

効果は絶大

いや、ちょっとやばいくらいだ

タクトで撃ったため、その威力は最小限だったんだけど

フレイム一発ではじけ飛んでしまった


テュポルも目を丸くしている


「おま、なん」

「なんだその威力は!」

「聞いてないぞ!」


なぜかテュポルは怒っている


「いや、抑えてるんですけど」


「馬鹿言え!それで抑えている!?」

「私の大魔法とあまり変わらんではないか!」


「で、でも、開放するとやばいことに」


「ふぅ、お前、私より強いんじゃないか?」


「いえ、そんなことはないと思うんですが」

「テュポルさんの方が圧倒的に魔法の数多いし」

「それに、あの魔法の連携、ほれぼれしましたもん」

「テュポルさんが先生になってくれてよかったって思いましたよ」


「む...そ、そうか」

「いやすまん、取り乱した」


テュポルさんは普段冷静だ

取り乱したところを見られて恥ずかしかったのだろう

顔を赤くしていた


「よし、お前の強さはもうわかった」

「もっと奥へ行く」

「今のとは比べ物にならんほど強力な魔物が跋扈しているところへな」


「あ、うぅ...はい」


僕は妖精魔法を放ったことを後悔した


テュポルという名前はとある海外ドラマからとってます

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