終わりと始まり
書き換えられる世界
彼女たちの願ったように
それを見つめる双子の創造主は満足そうに微笑む
すべてが順調に進んだようだ
双子の傍らには少女が不思議そうな顔で立っている
双子が少女をそばに呼んだ
もはや共に居れる時間はあとわずかだった
だから、最後に精いっぱいの愛情と思いをささげる
少女は両親に抱えられ嬉しそうだ
双子の持った本が光り輝きこちらの世界を塗り替えていく
それは双子の作った世界の誕生の瞬間でもあった
と同時に双子の姿が擦れ始める
少女は不安に駆られた
大丈夫だよ
男の方が少女の頭を撫でる
私たちはあなたのそばにいつでもいるから
女の方が少女を抱きしめる
少女はそっと目を閉じ両親の温かさを感じ、力が流れ込むのを受け入れた
元気でね、“プリシラ”
愛してるわ“プリシラ”
双子はそのままゆっくりと消えた
あとに残された少女は思いっきり泣いた
これで泣くのは終わりだと言わんばかりに大声を上げて
世界は誕生し、無事定着する
本のストーリーだった世界は現実として少女のいた世界に重なった
シェイナのいる世界、イアの世界、詩季の世界はそれぞれ別世界として新たに生まれ出ている
それと同時にそれぞれがそれぞれの世界へと戻った
この三つの世界を管理するのは唯一残った女神のシエティ
姉たちの遺志を継ぎ、世界を監視する
シェイナは平和になった自分の世界で戻って来た仲間たちと抱き合う
イア、詩季もそれぞれの世界へと戻っていった
シエティが転送したのだ
戻った世界でイアは妹のような存在のアルマと再会を喜び合う
イアは死んだと思っていたアルマ
泣きながらイアに抱き着いた
戻った世界で詩季は仲間たちに帰還を告げた
一斉に詩季の元へ駆け寄る仲間たち
彼女たちもまた詩季は先の戦闘の最中殉職したと思っていた
思わぬ英雄の帰還に喚起した
三人はそれぞれがそれぞれの世界で新たに歩み始める
少女の傍らに立つ青年
とても物腰は柔らかく、優し気な印象
彼は少女プリシラに手を差し伸べる
行こう、君のお父さんたちが行くはずだった場所へ
プリシラにあてはない
生まれて間もない彼女は彼の手を取った
プリシラは救世界へと迎えられた
そこは世界の管理をしている場所
ある時は滅びから救い、ある時は手助けをする
救世界と混沌の長きにわたる戦い
プリシラは決意した
父と母のようになろう
小さな体に秘めた思いと大きな力でプリシラの救世が始まる
シェイナ編は終わります
いよいよ本来の話が始まります
長かった…
少女プリシラの話は別作として投稿を開始します
実はこれ含めた過去三作品は救世の女神プリシラの物語のプロローグです
彼女が生まれるまでが過去三作品です