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14 最終決戦4

 女神たちの力を得てそれぞれの神具を手に闇の王へと駆けだす四人

 闇の王は先ほど皆を消した右手を彼女たちにかざす

 かけらごと消失させるのではなく、四人の体の一部を消して動けなくさせるつもりだった

 しかし、そうはならない

 四人とも何事もなかったように闇の王へと向かってきている


「へぇ、どうやら女神達を取り込んだことで耐性がついたみたいだね」

「でもおかしいな、本来この力は女神すら消し去るんだけど」


 もう一度手をかざすが、四人に効いた様子はない

 それを可能にしていたのがシェイナの盾だった

 どのような攻撃だろうと全てを受けきり相殺する力

 デュオリムの願いが注がれた盾


 シエティが自らの神具をふるう

 光を集約させ、闇の王の体へと吸い込まれるように切りつけた

 それを左手一本で掴む王

 王の左手もまた光で覆われていたためダメージを受け流した


「な!?」


「君たちの父親の力だ。君の攻撃では傷一つつか」


 そう言いかけたところをイアが変幻自在の剣で後ろから斬りつける

 しかしまるで金属を斬りつけたかのような手応えでまったく傷ついた様子はなかった


「話してる途中なんだけどなぁ」


 振り向きざまに闇の右手でイアの腹部を殴りつける

 

「あぐっ!」


 イアの腹部に大穴が開いた

 倒れ込むが、持ち前の高速再生ですぐに復帰する


「ほお、これで消滅しないなんて思わなかったよ」


 少し驚いた闇の王

 掴んでいた剣ごとシエティをイアにぶつけた


「ぐっ」

「キャァ!」


 二人は激しくぶつかりきりもみしながら飛ばされる

 大きく地面に叩きつけられそうになるのをシェイナが結界で覆うように守った

 ダメージは少ない


 少し離れた位置から詩季が銃を放つ

 アサルトライフルのように連撃を撃ち込んだ

 しかしそれすらまるで何事もなかったかのように受けきりほこりを払うようにふるい落としていた


「うっとうしい、少し本気を出してあげよう」


 闇の右手を詩季に向けると目に見えない何かを放った

 それで詩季は大きく吹き飛ばされ、シェイナが結界で受け止めるも重傷で動けなくなる

 イアが回復に向かうが闇の王に阻まれ頭を地面に叩きつけられぐしゃりと潰される

 驚いたことにイアはそれでも生きていた

 ゆっくりと再生が始まるが、しばらく動けそうにない


 視線をシエティに向ける闇の王

 瞬きをするうちにシエティの真正面へと移動した


 シエティの胸元に拳を叩き込む

 瞬間的にシェイナが結界を薄く張ったが破壊される

 威力は軽減したが、シエティは大量に吐血して白目をむき倒れる


 この場に残ったのはシェイナだけとなった


まずい、このままじゃ…


 シェイナは倒れた仲間を気遣いながらも闇の王に目を向ける

 彼は全くダメージを受けていない

 笑みを浮かべて余裕そうだ


 闇の王はガシリとシェイナの頭を掴む


「ぐぁ」


「じゃぁ、消えようか」


 悔しさに歯を食いしばるシェイナ

 このまま何もできずに自分は終わる

 仲間を守ることはできずただただ消されてしまう


 涙が頬を伝ってこぼれた


ごめん、みんな…

僕は…


 シェイナがあきらめたように腕をだらんと垂れ下げる

 

 あきらめきれない、こぶしを握りなおす


だめだ、今度こそ、この手で全部守るんだ!


 そう思うと力が湧いた

 垂れた手に力を込めて闇の王の右手を掴む


「なに」


 どうやったのか自分でもわからない

 気づくと闇の王の右手がちぎれ消し飛んでいた


「これは、この力、創造主の?」


 ちぎれ飛んだ右手を抑え驚愕する闇の王

 

「え?これ、どういう…」


 シェイナも自身の力に驚愕したが、内側からどんどん力が溢れてくるのがわかる 

 それはイアと詩季も同じだったようで、どちらもいつの間にか回復し、シェイナの隣に立った


 目を見開く闇の王

 三人で手をつなぎ、力を流す

 なぜだかわからないが三人はこの力の使い方を理解できていた


「「「リライト!」」」


 それは書き換える魔法

 創造主にしか使えない力だった


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