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14 最終決戦3

 デュオリムたちがたどり着いた時にはすでに全てが終わっていた

 シェイナも、イアも、詩季も、欠片を奪われ転がっている

 その目にはすでに光はなく、明らかに死んでいるのが分かった

 三人とも胸にぽっかりと穴が開いている


「シェイナ」


「イア…」


「詩季さん」


 デュオリム、シエティ、トレーシャがそれぞれの転生者に声をかける

 反応はない

 すでに彼女たちの体はゆっくりと砂のように消えて行っている


「おや、光の王の娘たちか」

「たった四人じゃ僕には勝てない」

「それに、僕はついにすべてを手に入れたんだ」

「邪魔するなら君たちも消すよ」


 優しげに笑ってはいるがその口調は強い

 それでも四人の女神ははまっすぐ前を見た

 勝てる訳のない相手を睨みつける


「これは、最終手段」


「えぇ、私たちは消えてしまいますわね」


「だが、それでもやらねばならん」


「何を言ってるの?お姉ちゃんたち」


 シエティだけは姉たちが何をするつもりなのか分らなかった


「お前には教えていなかったな」

「私たちはこれで消える」


「わたくしたちの可愛い妹、シエティ、あなたにはまだ荷が重いかもしれないけれど」

「あとは任せます」


「ごめん、シエティ」


「待って!一体何をするつもりなの!?」


 シエティが制止するのも聞かず、三人は消えゆきそうなシェイナたちに歩み寄る

 デュオリムはシェイナに、トレーシャは詩季に、フィーアはイアにそれぞれ手を添えた


「「「アブゾーブ!」」」


 三人の女神の体が光り輝き、シェイナたちに光の粒子となって降り注いだ


「デュオねぇ!トレーシャねぇ!フィーアねぇ!」


 三人の女神はシェイナたちに吸収され、消えた

 その直後に起き上がり始めるシェイナ

 何があったのか分からないという表情だ


「僕は、どうなって?確か闇の王に貫かれたはずなのに」


 体を見回しても傷一つない


「ほぉほぉ、これはまた興味深いですね」

「女神達が自らの存在を力に変えて君たちに託したのですよ」


 言われてみれば今までとは比べ物にならないほどの力が内からあふれてくる


 ふと、イアはシエティに気づいた

 自分を転生させた小さな女神

 それがシエティだった


「あなたは…」


「お願い、その男を、倒して!」

「私も力を貸すから!」


 シエティは翼の生えた光り輝く剣を取り出し、翼の装飾が施された盾を構える

 同じように力を得た三人は神具を装備できるようになった

 シェイナは自在に大きさを変える大楯、すべてを守り通す不滅の盾

 イアはどんな形状にも姿を変え、自分の翼と親和性の高い大剣

 詩季は自分の持っていた双銃剣がさらに変化した四連銃剣


 四人は闇の王に向き直る

 闇の王はそれまで待っていた

 まるで力を見せてみろと言わんばかりに

 彼の体内では光の王のかけらが融合し始めている

 早々に倒さなければもはや闇の王を倒せるものはいなくなるだろう


「さぁ、第二回戦といこうか」


 大きく手を広げると、右手に闇が、左手に光が集約する





始まったよ


えぇ、そしてもうすぐ終わるわ


この子も生まれた


あとは決着を待ってすべての力をこの子に注ぎましょう


あと少しでこの本は世界として生まれる

僕たちの願いは達成される



さぁ、最後の紡ぎを始めようか

さぁ、最後の語りを始めましょう


 二人の声が響く


もう少しで始まります

始まるんです

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