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高位次元3

 今僕の目の前には凶悪を体現したような理不尽がいます

 僕の手はどこへ消えたのでしょうか?

 あぁ、足も片方見当たりません

 いえ、それどころか僕の半身がないのです

 逃げ…いえ、もうだめでしょうね

 凶悪な少女の右手が僕に触れています

 このまま、僕は、消え…


 この日一人の救世界メンバーが消えた

 名前をルカニアという

 彼はまだ新人であり、これから世界を守ると言う目的のため動くところだった

 

 彼らは下位次元に助言を与えたり、滅びに向かう世界を救世したり、場合によっては力を与え導く

 すべては反存在である者たちから世界を救うため

 

 消えゆく彼もそんな一人だった

 下位次元へと向かう途中、突如現れた少女に襲われ、成すすべなく消えた

 どんなものでも消してしまう右手は彼をとらえその端から消してしまう

 

 最後に彼は少女がニコリと笑うのを見た

 そして力を振り絞り、仲間にメッセージを残した

 そのメッセージが届くかどうかは分からない

 それでも届けと一身に願い、飛ばした


ほら、幸せになれたでしょ~♪


 歌いながらそういう彼女をぎろりと睨め付け、ルカニアは消滅した


もう消えちゃった~、つまんな~い


 そういうと、彼女、ロナは自身の所属する混沌へと戻った


さてと~、ラドム様に報告~♪

きっとほめてくれるよ~♪

なでなでかなぁ~?なでなでがいいなぁ~♪


 嬉しそうに楽しそうにロナは戻っていった

 



――――――――――――――


そんな、彼はまだ…


 メシアの嘆きが聞こえる

 周りにいた救世界の住人たちは一斉に目を向けた


どうされました?メシア様


 そう聞くのはメシアお付きの勇英、大賢者だったポロン・ティノルビアだ

 老衰で死んだ彼女はその後、力を認められこの世界へと呼ばれた

 死ぬ間際は老婆だったのだが、今は不老の身になり若返っている

 

彼が、あぁ、わたくしのせいです

よもや混沌が出てくるとは…


 ポロンがひとまずメシアを落ち着かせる

 そして落ち着いた彼女から新人のルカニアが消されたことを聞いた

 彼が死ぬ間際に残したメッセージが届いたのだ

 それによると、相手の詳細な能力、姿かたちがはっきりと描かれ、役に立てなくなったことへの謝罪が込められていたそうだ

 

謝罪など、こちらがしなければなりませんのに


 涙を流すメシア

 彼女は仲間思いだ

 それゆえ仲間が傷つくことを恐れている


 ポロンは彼女にハンカチを渡す

 

 消えながらもメッセージを残した彼のおかげで混沌の一人、恐らくは幹部クラスと思われる者の情報を得られた

 それだけでも彼は本当によくやったと言えるだろう

 救世界のメンバーは彼に黙とうをささげ、彼が命がけでもたらした情報で混沌の一人を討つ決意を固めた


おまけです

読んでもらっても無視してもらってもいいです

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