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白鬼の姫武者修行中6

 カンショウシは笛を吹いている

 その美しい旋律は思わず聞きほれてしまうほどだった

 

 音色に聞き入っていると、カンショウシが笛を吹くのをやめて近づいてきた

 

「来ましたね」


 まるで来ることが分かっていたようだ


「さて、私との修行は瞑想です」

「あなたにはある種の予言能力、“予見”を会得してもらいます」


「予見?」


「はい、先読みの力ですね」

「これを取得できれば相手が攻撃する前からどこにどう打ち込んでくるのかがわかるようになります」


 カンショウシはその場に座り込むと瞑想を始めた

 それに習ってハクラも横に座り瞑想を始める


 その直後だ

 いきなり頭に何かで穿たれたような衝撃が走った

 いきなりすぎて目をぱちくりさせるが、カンショウシは普通に瞑想を続けている


「どうしたんですか?」

「早く座りなさい」


「は、はい」


なんじゃったのじゃ?今のは


 不思議に思いながらもまた瞑想を始めた

 深く深呼吸し、呼吸を整える

 余計なことは考えず、ゆっくりと瞑想に浸る


 そこにまた衝撃が走った

 痛みは少ないが、十二分に驚く


一体何が攻撃しとるんじゃ?


 あたりをきょろきょろと見渡すが、何もおかしいものはない

 気配を探るもリョドウヒンしかいない

 当然彼が怪しいと思い、手も武器も届かない範囲まで離れて瞑想を始める


 しかしまたしても何かに頭を穿たれる


「痛い!誰じゃ!」


 思わず声を出すと、カンショウシに怒られた

 訝し気にカンショウシを見てまた瞑想を始めるが、今度は薄目を開けてみてみた

 だが今度は何も起こらない

 あれ?と不思議に思いながら仕方なくまた目を閉じる

 するとまたパシッと頭をはたかれた

 その時自動的な動きで自らの手が反応し、何者かの腕をつかんだ

 ランサイカとの修行の成果と言えるだろう

 

 その腕はやはりカンショウシのものだった


「ようやくですか、瞑想しながらも常に気を張っておきなさい」


 どうやらずっと頭を小突いていたのはやはりと言うべきか、カンショウシだった

 だとすれば途轍もなく動きが速い

 離れて座った時など100メートルは離れたのだ

 小突かれて一秒もたたずに目を開けているのにその一瞬で元の位置に戻ったことになる

 仙力で移動したのだろうか?それは分からなかった


 ともかくまた瞑想に戻り、小突かれ、受け止めを繰り返していくうちにだんだんと何かがつかめてきた

 カンショウシの繰り出す攻撃の動き、その流れ、繰り出すまでの気配

 それらが一つの予想として脳内に見えてくる

 初めは何かがおかしい程度にしか思わなかったが、その予想が当たり始め、ついにはどの攻撃も完全に予見できるようになった

 あらゆる方向からの攻撃を目を閉じたまま、さらには座ったままで受けきれるようになる


「ほぉ、見事です」

「まさかここまで仙力を使いこなせるようになるとは予想外ですね」

「やはりクラハ以上、でしょうか」


 だんだんと仙力を己のものとし始めたハクラ

 姉のクラハもこれほど使いこなせてはいない

 彼女は予見を習得出来てはいないのだ

 持ち前の動体視力で予見がいらないほどまで研ぎ澄まされているだけである


 ハクラのここに来ての習得のペースはクラハを越えてきている

 彼女は覚醒しようとしていた


 次の相手はカセンコという女仙だ

 いよいよ本格的に仙力を使う修行だそうだ

 カセンコは仙力の扱いに長け、空すらも飛ぶ

 また、巫女としての力も高く、神力も多少操るらしい


 八仙はいよいよカセンコ含めあと三人となった 


八仙書くのは楽しいです

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