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高位次元2

 私、ロナ・ウェナ・メロロミロナは怒っています

 だって、そうでしょう?

 あれ以来私に下位次元に降りる許可が出ないんですもの

 そりゃ鼻歌だって止まってしまいます

 だから今はイヌになったヘクトという男をもふもふしています


 右手で触ると存在ごと消しちゃうので気をつけなきゃね

 何やらヘクトは唸っているけど、だんだん目がトロンとして来てるからいいんでしょ?


 あぁ、それにしてもなんて気持ちのいい毛皮かしら

 ふんふん~♪


おい、おいロナ

ラドム様が来られたぞ


何よヘクト、もう少しくらいいいじゃない


馬鹿か、ラドム様に消されるぞ!



 そんな私たちの後ろにいきなり一人の男が立っていました

 いきなりです。びっくりします

 彼が私たち、混沌と呼ばれる集団のお目付け役ラドム・キグ・アルウェイト様です

 私たちの直属の上司に当たります


ロナ、ヘクトを放しなさい


は~い、ラドム様~♪


 私はこの方が好きです

 だって、私にいっぱい楽しいことをさせてくれるんですもの

 そりゃ鼻歌もでますよ


ふんふん~ふふ~ん♪


機嫌がよさそうですね、ロナ


そりゃそうですよ~

だって~、ラドム様に会えたんですもの~♪


ではもう一つ吉報をあげましょう


へ?なんですか~?


君にあちら側の一人を消してもらいたい


あ!それって~、私の邪魔したやつですか~?


いえ、それとは違いますね

あれはあなたでは荷が重いでしょう

消滅しないまでも力は完全に奪われるでしょうからね


てか~、あいつらの目的ってなんなんですか~?


そうですね、あれらは自分たちの次元まで上がれる者を探している

私たちに対抗するために、ですね

私たちは世界を消す

あれらは世界を作る

要するに反存在ということですよ


はんそんざい~?


えぇ、大きな力には必ず代償があるように

私たちと同じように力ある存在には必ず相対する力が存在する

それがあれらです


なるほど~

じゃぁその一人をけしちゃえばいいんですね~?


えぇ、相手はまだこの次元に登ったばかりの新人らしいので

君なら苦も無く消せるでしょう


りょうかいしました~♪

頑張りま~っす♪

きっとその新人くんを幸せにしてあげますよ~♪


 ロナは嬉しそうにヘクトを放すとヒュッと消えた

 

 アハハ、やっと~、楽しめますよ~

 私、頑張っちゃいます~♪



―――――――――――――――――



 僕、ルカニア・カム・ライソウは“救世の輪”という方々に迎えられました

 もともと僕は一世界の神です

 そんな僕がこんな高次元に来ていいのでしょうか?

 僕を迎えてくれた女性、アリュルーテ様はにこやかに笑っています

 彼女もまた僕と同じように神だったそうです

 しかし、彼女は複数の世界をかけ持つ神様です

 僕とは格が違うんです


ルカニア、ここがわたくしたちの住む救世界です

ここに住む者はみな救世を目的とし、世界のために動きます

あなたもその一員になったのです、その行動は全て世界のためになるよう頑張ってくださいね?


 あぁ、なんて癒される声と笑顔なのでしょう

 さすが格上の女神さまです

 

 優男の印象を受けるルカニアは一つの世界を救った

 その結果、見習いではあるが高次元である救世界へと呼ばれたのだ

 神の後任はその世界の勇英である男が担う

 彼もまたその世界を救った立役者であり、ルカニアが力を貸した一人である

 

 このように世界を救世した神や勇者、英雄、高次元世界を作り出した創造主などは実力を認められれば高次元へと至ることができる

 その実力といっても多種多様様々で、ルカニアの場合は与える力の大きさ、アリュルーテは監視力である

 他にも創造の力が強い者、滅する力が強い者など本当にさまざまである


さぁルカニア、あのお方がこの場所の管理者、メシア様です


 メシア様と呼ばれた女性、周りにいる神や救世主、勇者や英雄、創造主たちの中でもひときわ異彩と威光、尊敬や畏怖といった感情、それらを一身に受けたまさに神の中の神といった存在が目の前に立っている

 あまりに格が違う

 

 あぁ、僕は、この方に仕えるため神生を受けたのだろう

 

 そう思わせるには十分な神々しさだった

 

 彼女の名前は誰も知らない

 ただメシア(救世神)とだけ呼ばれている

 彼女はここのトップに思われがちだが実は違う

 ここのトップはメシア以外誰も見たことがない

 神々神(しんじんしん)と呼ばれるまさしく神々の神がここのトップらしい

 ちなみにメシアと同じ立場の者があと二人いる(それぞれクリエイター、オブザーバーという)

 

 僕はメシア様の前に行くとその美しさと力に自然と頭を垂れていた

 そして、そのお声を拝承し、命をとす覚悟で与えられた任につくことを決めた


 危なくなれば逃げなさいとメシア様は仰られたけれども

 僕は、この任を命がけでこなす

 かならず、救世の一員として、こなして見せる


 ルカニアは一人心で決意した

 そして、彼は、ここに二度と戻ることはなかった


おまけです

特に気にしないでください

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