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幼獣たちは復讐に燃える6

 タイラントベアを倒してから数週間後

アナフィアの指示によってこの辺りに出る魔物を苦も無く倒すことができるようになった

そのおかげか、カナタは白狐に進化することができた


「これもミミさんのおかげです」

「僕も、これで、ようやく彼女に追いつけそうです」


「彼女?」


 アナフィアが聞き返す


「はい、テテトの姉、僕の幼馴染のナズミという女の子です」

「彼女は僕なんかよりすごくて、巫女適正を持っていて、一番白狐への進化が近いと言われていました」


 ナズミは最も神との同調性が高い巫女という特殊な職業適性があり

幼いころから神と対話ができた


「いつも僕たちとは違うナズミを尊敬していました」

「でも、これからは違う」

「僕がナズミもテテトも、村のみんなも守るんです」


 カナタは自らが持つうっすら青く光る宝剣を握る

宝剣アメノムラクモ、イズナ族が代々守る神に与えられた神刀だ

その刀の一薙ぎで天災級の嵐すら切り裂くと言われている


 二人で談笑していると、村の男が走って来た


「大変だカナタ、ミミさん!」

「テテトがいないんだ!」


「なんだって!?」


 カナタとアナフィアは男について走り出す

テテトは農作業をしていたらしい

男とあいさつを交わし、ちょっと目をはなした隙に「きゃっ」という短い悲鳴と共に消えたという

 周辺を探したが、痕跡すら見つからないのだ


「一体どこに…」

「そうだ!神降ろしを行えば見つかるかも」


 白狐になったことでカナタは神降ろしを行えるようになっていた

ナズミと違って高位の神を下ろすことはできないが、それでも人探しの神くらいならば降ろせる


 カナタが力を解放する


「御神降ろし、アタゴサマ!」


 探し物の神、アタゴサマを自身に降ろし、テテトの位置を探る

遥か離れた場所上空にその気配があった

 姿が見えてくる

どうやら竜に攫われたようだ


「竜!?」

「なぜこんなところに」


「竜だと?」

「そんなもん数十年目撃されてすらいないんだぞ」


 ひとまず戦闘の準備を整える

竜と戦うとなれば相手は天災級

一筋縄ではいかない

SSランク10人がかりでようやく倒せるかどうか

それでも危険を顧みず村人は一丸となって竜を追った


 再び神降ろしを行う


「御神降ろし、オニワタリ!」


 鳥の神を下ろすと、巨大で真っ白な鶏が現れた


「オニワタリ様!僕らをテテトノもとへ運んでください」


 オニワタリはカナタを見るとうなずき、カナタとアナフィア、他数名を背に乗せた


「クワァアア!!」といななく


 翼を羽ばたかせると宙を舞い、一気に上空へと上がる

そのまま急激なスピードで竜の後を追った


 一方テテトの方は竜の腕に捕まれ苦しそうにしていた

幸にも潰されてはいない

だが高度とスピードにより呼吸がままならず、気絶しているようだ


 オニワタリと竜との距離は約12キロ

オニワタリのスピードなら30分ほどで追いつける距離だった


オニワタリは御鶏と書き、鳥の神様です

白い鳥信仰によって生まれた神様だそうです

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