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12 混沌を撃つ3

 五王はシームルグを取り囲むと、まずはナーシェインが“冥界の呼び手”を使い、シームルグの動きを止めた

真っ白な生気のない手がシームルグをガッチリと捕らえる

そこをフェンラッテの雷撃が襲う

激しい轟音と共に噴煙が上がった


「まだ行きますわよ!」


アスタロトが手を振り下ろすと、空間から真っ黒な剣や鎌、ありとあらゆる武器が現れ

それらすべてがシームルグに降り注ぐ


「ギィギャァアアアア!!」


噴煙から鳥のような悲鳴が聞こえる


噴煙が消え、シームルグの姿が現れる

体中に武器が突き刺さっているが、まだピンピンしているようだ


「妖術、天燐の風」


キラキラと輝く風がヌエから吹き荒れ、シームルグに向かう

天燐がヌエに突き刺さり、またも悲鳴を上げた


怒り狂ったシームルグが口から火炎を吹き出し薙いだ

それがシェイナたちに向かう、が、結界を張り簡単に防いだ


「うわ、えぐいくらい硬い結界だね」

「あんな高温の炎防いじゃうんだ」


詩季が驚いている


「よしたまった!」

「撃つよ、離れて!」


詩季の力が銃にたまったようだ


「フルボルト・レイ!」


高圧縮されたエネルギーのラインがシームルグに向かって放たれる

それはシームルグの翼を焼き、右前足を消し飛ばした


痛みで暴れるシームルグ

ナーシェインの拘束を解いてしまった


「う、動き出します」

「距離を、取ってください」


ナーシェインが慌てて叫んだ


「問題ねぇ!このままぶっ飛ばす!」


ラスカがその剛腕で思いっきり殴りつけた

シームルグの頭が地面に叩きつけられ、脳震盪を起こす

それをまた殴る、殴る、殴る

その拳一つでシームルグを圧倒していた


最早フラフラのシームルグ


「とどめです!」


イアが白皮でシームルグを包み込み

そのまま喰らった


後には干からび切ったシームルグの死体が残る


「うわ、何したの?」


詩季が聞くと

恥ずかしそうにイアが答えた


「そ、その、食べちゃい、ました」


ケプッと小さなげっぷをするイア

脳内に声が響く

―スキル、神の息吹を獲得しました―


「あ、圧倒的、でしたね」


出番のなかったリモット、ハノラ、ミューがきょとんとしている


「さすがですマスター!」


マーキナがシェイナに抱き着いた


「な!わたくしたちの主様ですのよ!」


アスタロトたち五王がマーキナを引きはがしてシェイナに飛びつく

魔昆虫のころからシェイナに懐いていた彼女たち

その思いはもはや尊敬を通り越して愛に変わっていた


「ずるいぞアスタロト!あたいが一番頑張ったんだぞ!」

「あたいが先に褒めてもらうんだ!」


「いやそれは違うぞラスカ、拙が弱体化させたからその後の攻撃が通ったのだ」

「なれば拙が一番の功労者であろう」

「のぉ、主殿」


冷静なヌエまでもがべっとりと抱き着く


「わ、私だって、頑張った、もん」


ナーシェインがギュッと足に縋りついている


フェンラッテは何も言わずなぜか服を脱がしていた


「ちょ、フェンラッテ、やめて」

「みんなも離れて、ご褒美なら後であげるから」


「あら、わたくしたちが欲しいのは主様の寵愛ですわ」


背中を指でそっとなでるアスタロトに少しゾッとした


育て方・・・間違えたかなぁ・・・


そう思ったが後の祭りだと気づき、そっと召喚を解除した


「あぁあん、主様のいけずぅ~」


アスタロトの声が聞こえたが、無視しておく


服を脱がされ負傷していないのにボロボロのシェイナ


「ア、アハハ、何ていうか、大変だね?」

「な、これでお互いの実力は分かった感じ?」

「まぁあたしはまだとっておきがあるけどね~」


詩季が胸を張ってドヤっている


無事シームルグの討伐を果たし、オベロンに報告した

あまりの速さにオベロンは少し目を丸くしていたが


「さすがですね」

「こんなに早く終わると歯思ってもみませんでしたが・・」

「では、僕たちも協力しますよ」

「ギルドの方にはこちらから連絡しておきますので、魔王への報告はお願いします」


これでファーリーンの協力は得られた

各国が混沌討伐へと動き始める


主人公ズの実力はSSランクくらいになってます

混沌はさらにその何段階か上の別次元クラスです

まさに次元が違うので

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