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鼻歌交じりの殺戮者3

 今はまだ行き当たりばったりでどこに向かっているのかもわからない

ただただ歩いて目についたものを片っ端から殺して歩く

手に握られているのは小ぶりのメイス

殺した誰かから奪ったのだろう

銀色のメイスは真っ赤に染まり、血が滴っていた


「みんな喜んでくれてる!」

「あ~、私は幸せ者だなぁ~」

「み~んなに幸せをあげれるから~」

「お父さんも~、喜んでくれる?」

「・・・」

「ほんとっ!じゃぁもっと頑張るね!」


そう言いながら村から逃げようとする女性の頭にメイスを投げる


女性の頭ははじけ飛んでその場にばたりと倒れた


「あら~、喜ぶ声が聞けなかったよ~」


辺りを見回すが、村には人影がない


「もうみんな死んじゃった~?」

「フフ、楽しんでもらえてよかった~」


その危険な少女ロナの様子を震えながら見る村唯一の生き残りの兄妹がいた

まだ子供

兄の方は14歳、妹は10歳

この村で平和にのどかに暮らしていただけの普通の兄妹

兄は妹を守るために妹を牧草の中に隠した

その過程で牧草がガサガサとくずれ、音がしてしまった


気づかれた


「あれぇ~?まだいるんですかぁ~?」

「じゃぁ私が幸せにしてあげないといけないなぁ~」


隠れてろミナ

俺が、あいつを引き付ける

いいか?絶対に出てくるなよ


小声で妹にそう促す


妹ミナはぎゅっと目をつむってうなずいた

兄はゆっくりと小屋を出ていく


「来いよ化け物!こっちdっ」


彼は


頭から潰され絶命した


その様子を妹は見てしまった


「お兄ちゃん!」


思わずそう叫ぶ


「あらら~?」

「もう一人いるのね~?」


目の前にロナが立っている


「ひぃ!」


足がすくんで逃げ出せない


「あなたもきっと楽しいよ~」

「じゃぁ、また会いましょう!」


メイスを振り上げ、降ろした


空振り、地面をたたくメイス


「あら?あらららら~?」

「どこ行っちゃったの~?」


ミナの姿がない

探すロナ

自分の後ろに少女を抱える男の姿

背中に天使のような翼をはやした男


「くっ、よもや私が滅ぼすべき世界の者を助けようとはな」

「お前、ここに入っていなさい」


その男は懐から何かを取り出すとそれを発動させる

異空間のようなものが開くと、少女を投げ入れた


「行きますよ、皆さん!」


そう男が言うと、13人の男の部下がロナを取り囲んだ


狂乱葬送


その総戦力をもってロナを討つ


翼の男、セプテリルが手を振り上げると、狂乱葬送の面々の身体能力が大幅に強化された


「かかれ!」


一斉に13人がロナに攻撃を仕掛けた


「アヒヒヒヒ!血ぃ!血を!!」


クイニーがロナにつかみかかる

その掴んだ手からクイニーは一瞬で消滅した


「グルrrr!!何が起き」


オウロウがその言葉を最後にバラバラにきりとばされる


「「オウロウ!!」」

双子のルコリアとリコリスがオウロウに駆け寄ろうとするが、二人とも足をいつの間にか切り落とされ

地面に突っ伏した

そこにメイスが振り下ろされる

が、間一髪でセプテリルが助けに入り、二人を異空間に収納した


「引きます!」

「今の我らでは勝てない!」

「私の・・・判断ミスです・・・」


異空間を広げると、全員+遺体を収納し、逃げた


「あらあらあら?」

「逃げちゃいました~」

「まぁいっかぁ~」

「今度会った時は楽しみましょうね~」


手をフリフリと振るロナ




「ううぅ、グスッ、ううう、ああああ、おにい、ぢゃぁあん」


泣きじゃくるミナ


「参りましたね」

「連れてくるつもりはなかったのですが・・・」

「まぁ、どこかの村で降ろしましょう」


そう言うセプテリルに爆葬のメルリが反論した


「だめですわ主様、この子は今助けを必要としています」

「なれば手を差し伸べるべきです」

「わたくしたちを助けていただいたように」


「・・・」

「好きにするといいよ」


セプテリルがオウロウとクイニーの遺体に蘇生と再生を施す

足りない部分は闇で補った

オウロウとクイニーは無事復活を果たす


「!!」


ミナはそれを見て思わず言ってしまった


「その力で、お兄ちゃんを!お兄ちゃんを生き返らせて!」


セプテリルは少し何かを考え首を横に振った


「だめです」


「どうして!?」


「この蘇生は闇を使うためまったく別の生命体へと変化してしまいます」

「そんなことをあなたたちのような子供にしたくはありません」


自分でも思ってもみない言葉だった

滅ぼすべき世界の住人になぜこのようなことを言ったのかもわからない

だが、彼は少女たちにこれよりさらにつらい思いをさせたくない

そう思っていた


私は今何を思っている!?

なぜ・・・


その思いを払拭しようと頭を振った


敵はあまりにも強すぎた

恐らく自分が本気を出しても勝てる気がしない

セプテリルは親友ソロストイへ救援を求めることにした


敵がチート

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