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12 混沌を撃つ1

 ファーリーンで観光を楽しむ5人

ミューはイタズラグッズを買い込み、リモットとハノラはアクセサリーを見ている

マーキナは様々な食材で料理のレシピを考え?ているようだ

シェイナはそれをニコニコと見つめていた


そこに、異様な気配の少女が近づいてくる

振り返ろうとしたそのとたんマーキナが少女の首元に剣を当てていた


「あなた、今マスターに何をしようとしていたのですか?」

「危害を加えるのならば、消去します」


「ちょ、ダメだよマーキナ!」

「他の人に迷惑かけちゃ」


「ですがマスター、この者、マスターに何かしようと」


「あ、あの!」

そこでようやく口を開くことができた


「わ、私、イアと言います」

「零番目、と言えばわかるでしょうか?」

「その方からの使いです」


「・・・」

「マーキナ、放して」

「僕はその人と大事な話があるから」


「・・・はい」


彼女たちは零番目のことを知っている

それは、自分を幾度となく助けてくれたナンバーの付いた女神と同格の存在

つまり彼女たちは自分と同じなのだ

シェイナはそう理解した


二人を連れてオベロンの居城へ戻ると

すぐにその二人を連れて部屋に入る

入ったのはシェイナとイア、詩季と名乗る二人


シェイナが見た感じ、イアの方は魔物、魔人の類

詩季は異質な力を持つヒュームだった


「あなたたちは、僕と同じように?」


最初にする質問としてはおかしいが、それでも聞いてみたかった


「えぇ、そうなりますね」

「ただ、私たちはこことは違う世界にいました」

「その世界の危機を救った後に零番目のノル様に助けていただきここにいます」


「あたしらはその使いってわけ」

「あんた、混沌って知ってる?」


「混沌?闇じゃ、ないんですか?」


二人はうなずく


「そうだよ」

「混沌は闇じゃない」

「それよりもっとやばい」


「その混沌が、この世界の種族の器を得て動き出しています」

「覚醒すれば、ここを喰らいつくし、やがて、私たちのいた世界」

「そして、その外にまで牙を広げていくそうです」


「だから、覚醒する前に叩くってこと?」


「えぇ、そう言うことですわね」


口調の変わった詩季に驚く

口調だけではない、その姿も赤から青に変わっていた


「え?だれ?いつの間に」


驚いているとかまわず続けられた


「ひとまずわたくしたちもあなたと行動を共に致します」

「異論はありませんね?」


二人がウソを言っているようにも見えない


「僕はまぁ、構わない、です」


「よかった、断られなくて」

「それでですね」

「少し、お願いがあるのですが」


「「お願い?」」


詩季も寝耳に水といった感じで同時に聞く


「その、シェイナさんの美しい羽を、触らせていただきたいのです」


「あ、え?」

「う、う~ん」

「別に、いいけど・・・」


「そうですか!では失礼して」


サワサワ


「これは!」


サワサワ


「なんとも」

「まるでシルクのようです」


サワサワ


「う、くっ」

「くすぐったい」


サワサワサワサワ


「くぅ、ふっ、ん、くっ」


サワサワサワサワ


「あぁ、なんと気持ちのいい触り心地でしょうか」

「ずっと、触っていたい」


「はいそこまでだよ~」

「シェイナさんが悶絶してるから」


「ッハ」


我に返るイア

目の前ではシェイナがもだえてピクピクしていた


「す、すいません!」

「妖精さんの羽を一度触ってみたかったもので・・・」


「あ、ハァ、ん、だ、大丈夫」

「大丈夫、んくっ、だから」


シェイナのもだえる様子は女である二人から見ても妖艶に映った


「とりあえず、このことは魔王や各国に通達しておくよ」

「誰かそれらしきものを見てるかもしれないし」

頬を赤らめて恥ずかし気なシェイナ


懐からマシニア国製の通信機を取り出すと、どこかへ連絡し始めた


「そういえば、この世界の魔王は友好的なのですね?」


「うん、とってもいい人だよ」

「今度会わせるね」


サラッとそう言われ、二人は少し驚いた


「あ、そうそう、マーキナさんってアンドロイドにようがあるんだよね~」

「さっきのメンツにいるの~?」


そう聞いてくる詩季の姿は今度は桜色に変わっていた


「え?あ、うん」

「イアさんに剣を突き付けてた彼女がそうだよ」


「うわ、意外と武闘派だったのか」

「まぁいいや、紹介してほしいなぁ~」


「じゃぁ後で紹介するよ」


「やったね~」

「いろいろ聞いちゃおうっと」


まるで子供のように喜んでいる


「ね、ねぇイアさん、詩季さんってどの性格が本当なの?」


「あ、そう言えば言ってませんでしたね」

「彼女の中には4っつの人格があるんです」

「どの人格も本当ですよ」

「なんせもともと4人ですから」


「あ、なるほど・・・」

「え?4人で一つの体つかってるの?」


「えぇ、そう言うことになりますね」


「それは、大変そうだね」


「ですね」

そういって二人で少し笑いあう


三人は打ち解けることができたようだ

他のメンバーとも話がはずんでいる

詩季ハルミとマーキナは特に仲良くなったようで

武器の新性能について話し合っていた


7人パーティと大所帯となったが

恐らくこのメンツでも混沌たる存在には勝てない

一つの世界を壊しつくすまで止まらない混沌


彼女たちはそれがいたいけな少女の姿で歩き回っていることを知らない


本編再開

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