表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/185

二人の主人公3

 ホビットたちがチマチマとせわしなく走り回っている

彼らは別に急いでいるわけではなく

歩幅が小さいため移動を早くしなければ通常の人間種の倍はかかるからだ


「なんかこう、ちっちゃくてかわいいね」


「そうですね、私も小人族は初めてみました」


「あっちにはいなかったの?」


「はい、いた亜種族はエルフや竜人などですね」


「なるほど」

「この世界は種族が多いみたいだから、そういう人たちに会うのも楽しみだね」


「ええ」


ホビットや小人族はせわしいが、聞き込みをすると立ち止まり、丁寧に教えてくれる


情報によると、女王は冒険者でもあるため現在旅に出ているだろうとのこと

どこにいるかは分からないためやはりマシニアに行くしかない


「マシニアかぁ」

「たぶんだけど、機械の発展した国なんじゃない?」

「もしかしたら面白い武器とかあるかも」


「武器、ですか?」


「うん」

「私の持ってるこの武器に改良くわえられたらなぁって思ってね」


詩季がしまっていた銃を取り出す

手入れはされているが使いこまれているのがわかる

力の込められた弾もあるが、この弾は自分が使うものではない

例えば回復の込められた弾なら割れやすいこの弾を砕くことで砕いた本人を治癒することができる

詩季のそれぞれの能力が込められているのだ

弾になっているのは彼女がいた場所には銃を使う者も多かったゆえ

銃にこめてつかえば遠距離から他者や敵に当てることもできる

便利ではあったがこの世界ではあまり役に立たないため使っていない


「これ使わなくても能力は発揮できるんだけど」

「なんかこっちのが体に合ってるっていうか」

「慣れちゃってるからね」


「では、着いたら聞き込みをしつつ改良についても聞いてみましょう」


「うん」


ホビットの国ドゥラメンテの先にある海

そこの海岸からはマシニアへと向かう巨大な船が出ている

マシニアの技術で作られた高速船だ

ここからマシニアをつなぐ航路を日に3往復している


海岸にある港から高速船へと乗り込み、マシニアへと出立した

驚くことに、揺れもなく、走行音も静かだ


「こういう船なら酔いませんのに」


フユノに変わっている


「私も船は苦手です」

「でも、この船は揺れないので問題ないみたいです」


「えぇ、とっても助かってますわ」


船の中は快適で、飲食は自由にできるようだ

さらに、娯楽施設まである

これなら子供も飽きないだろう


なかなかに楽しい時間を過ごし

およそ3時間でマシニアについた


目にしたこの国の技術は驚くべきものだった

そこかしこにある転移装置

宙を浮く車のような乗り物

多数のロボットやアンドロイド

三つ目の人々はそれらを難なく使いこなしているようだ


「恐らく、あの方たちがマキナ族なのでしょう」

「ホビットの方々が言っていたように額に第三の目があります」


「そうね、フフフ、ここにはどんなおもしろいものがあるのかなぁ」


ハルミにシフトした詩季

どうやらマシニアの技術に興味があるようだ


「詩季さん、ちゃんと聞き込みもしてくださいね」


「わかってるって~」

「んじゃ、行ってきま~っす」


「あ」


いつの間にか目の前から消えていた

能力を使ったのだろう


と思っていたら詩季は後ろに立っていた


「?、ど、どうしたんです?」


「ハルミが暴走気味でしたので抑え込みました」

「申し訳ありません、イアさん」


フユノが頭を下げる


「いえ、私も少し観光したいと思ってましたので」


二人は連れ立って国を見て回りながら聞き込み始める


マキナ族はみな女王を尊敬しているようで

どの住人からも賛辞の言葉が聞かれた

曰く、大変お美しい方、絶世の美少女

曰く、ファンクラブ会員ナンバー22番、俺は7番だ

曰く、グッズ展開してますよ~


「なんていうか、すごいね・・・」


「え、えぇ、よっぽど信頼されているのですね」


「う~ん、それとは、なんか、違うような・・・」

「アイドル的な・・・」

「ま、まぁ、もうちょっと聞き込みしてみよう」


「はい」


それから約2時間ほどの聞き込みでようやく居場所が判明した

妖精の国ファーリーン

そこの国賓としてよばれているとのこと


「妖精の国だって!」

「うっわぁ、これは楽しみだよ!」


「そうですね、妖精、きっと綺麗で可憐で」

「そういうイメージしか湧きませんね」


二人は妖精に幻想を抱きながらその日はマシニアに滞在

詩季は武器の改良のためショップに寄る

ショップには銃のようなものも売っていたのだが

改良についてはとあるアンドロイドに聞いてみないとわからないとのこと

そのアンドロイドは現在女王と行動を共にしている

名前はマーキナ

かつてこの国の技術を数百年引き上げた天才である


追って追われて追いつかれて

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ