二人の主人公1
二人が周りを見渡すと、かなりの数の魔物に取り囲まれているのがわかる
オルトロス、サンダーバード、グランドボア、etc
数十体の魔物
「ここはあたしに任せて」
「ちょっと数多いから一気に行くよ!」
銃を構え、力を込める
「パイロフレア!」
火炎放射機のように銃の先から燃え盛る炎が出る
それが一気に魔物を焼き尽くした
「すごい、火力ですね・・・」
「やば、ちょっとやりすぎた」
「木に燃え移ってる!」
「...消します」
白皮を伸ばし、火を覆って消す
「悪いね」
「いえ、大事にならなくてよかったですよ」
「ごめんなさ・・・」
「ごめん、ごめんて、そんな怒んないでよ」
「いえ、怒ってないのですが?」
「あ、いや、フユノがさ」
詩季の色が変わる
「まったく!いつもいつもナツキは周りが見えていないというか、突っ走るというか」
「イアさんもしかってやってくださいね!」
「は、はい」
突如怒りながら出てきたフユノの人格に少し目を丸くした
「あら、まだ来るようですわね」
「魔物たちの巣だったのかしら」
銃をイアに向ける
「イアさん、行きますわよ」
「わたくしの能力は強化」
「力馬鹿のナツキと違って暴走することはありませんから」
力を込め、弾を撃ちこむ
イアは自分の内側から力が沸き上がってくるのを感じる
すでに襲ってきている魔物を今まで味わったことのないようなスピードでかわすと
即座に攻撃に転じた
白皮で出来た武器を魔物に切りつけると、一撃を加えただけなのに細切れになった
「す、すごい威力、ですね」
「フフ、でしょ?」
「いろいろ効果を付与できんですのよ」
その油断していたところを影から飛び出たオルトロスにとびかかられた
オートで防御するが爪が少し皮膚を切り裂いてしまった
オルトロスを切り刻み、倒す
傷口から毒が侵食していくのがわかった
「く、油断しました」
「大丈夫、任せてくださいね」
色が変わり、アキナに変わっている
銃を構えてまたイアを撃つ
そのとたん、毒物は浄化され、すぐに傷口がふさがった
「治りました・・・」
驚いたように傷のあった腕を見る
「まだ来るよ、気を付けて!」
いつの間にか詩季は桜色になっている
「私が出るなんてめったにないんだけど」
「イアさんには特別に見せてあげよう!」
「ストップ!」
そう詩季が言った途端イアと詩季以外の周りのすべての動きが止まる
襲い掛かろうとしていた魔物たちは空中に制止していた
「こ、これは...」
「時間が、止まってる?」
「せいか~い」
「ほらほら、処理して、20秒しかもたないから」
「はい」
「しゃがんでください」
「ん」
詩季がしゃがむのを確認すると、白皮を大きく広げ、回転させた
それで周囲の魔物は全滅する
「お、終わったみたいだねぇ」
「じゃ、私はまた寝るよ」
ハルミがひっこみナツキに変わった
「ハルミめ、いいとこだけ持っていったな」
「時間停止なんて、圧倒的すぎませんか?」
「いや、それがそうでもないんだよ」
「攻撃しようにもハルミに攻撃力は皆無だし」
「あたしらに変わると時間停止は解けちゃうし」
「他の人に攻撃してもらおうにも動けるのはハルミが許可した一人までだし」
「なるほど、それは確かに・・・」
「あ、いえ、素晴らしい力ですよ?」
そんなことを話しながら歩いていると、セレニティア聖王国の大門が見えてきた
「ここのようですね」
「そうだね」
「着いたらまずはえーっと・・・」
「うん、ギルドがあるみたいだ」
「そこで登録しよう」
「はい」
二人はセレニティアへと入国した
二人の能力紹介です




