狂乱動く1
一度は死んだ5人
いや、人としてはすでに死んでいたのかもしれない
彼らはセプテリルをよりどころとしている
その蘇った5人に加え、アスティレットとフォロソスを加えさらにもう幾人かを足した13人
それが今の狂乱葬送の人数
彼らは今セプテリルがこの世界に構えた屋敷にいた
「なんで~?よびもどしたの~?セプテリル様~」
「僕たち、比較的に順調だと思いますが?」
会議室、大きな部屋に円卓のテーブルが置かれている
そこにセプテリルを含めた14人が着席していた
「ふむ、状況が変わったのですよ」
「ぐるrrrr、変わった?」
「どういうことだ?」
オウロウは先の戦闘で負った傷を撫でまわす
「実はですね、イレギュラー、とんでもないものが動き出しているようなのです」
「とんでもないもの?何かしら?ねぇルコ」
「わからないわ、リコ」
双子がそろって首をかしげる
「少し前にそれはどこからか出現しました」
「正体も目的も全くの不明」
「あれはこの世界にいてはいけない」
「早急に消さなくては」
少し声を荒げる
それほどに焦っているように見えた
「そんなに?やばい?」
「どうしようクイニー」
「アフフ、そいつからぁああ、血をぉお、もらうぅうう」
「正体...それについては少し見当がついている」
頭を抱えながら言うセプテリル
この世界の神よりも上の存在である彼をして恐怖させている存在
「あれは、混沌だ」
「混沌?なんだそれは」
「我々より、上位の...」
「闇より深い闇です」
混沌、それは登場人物たる彼らには本来認識できないもの
創造主たる二人と対になるもの
それがこの世界にエンシェントヒュームとして体現していた
彼らは無と混沌をつかさどり、すべてを消すためだけに存在する
それが行動し始めた
猶予はない
世界を引き上げるための試練
彼女を乗り越えなければ二人で一人の創造主の世界ごと
全てが消える
「あれを、倒しましょう」
「倒さなければ、終わる」
「私たちもろとも全てが」
そこに二人の人影が急に現れた
—動かないでね―
その一言でその場の全員が動けなくなった
―あれ、僕らでも消せないんだ―
―君たちじゃァ絶対無理だと思うな―
―だから私たちが対抗策を用意しておいたわ―
―というよりも、私たちより高次元の存在が用意してくれたってとこかしら―
―君たちには守護者と協力してほしい―
―あの子がその対抗策だからね―
それだけ言うと彼らの拘束を解き、消えた
「...」
一同は言葉をのんだ
今のが何かも理解できない
協力すべきなのかもわからなかった