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ちっちゃなイズナの大冒険6

 白狐となってからはペースも上がった

狐火によって周囲を温めながら(雪を溶かすことなく)進む

今度は速い

まるで駆けるかのようにだ

もともと寒さを感じないシャドーのシャーズロットと悪霊のクスクも

このペースにちゃんとついて行っている


現在地は中層上部

まもなく上層

上層に着けば注意深くいかなくてはならない

そこら一帯にイエティやサスカッチといったB~Aランク魔物が出始めるからだ

そして、フェニックスたちの住む場所でもある

彼らを探す意味でも注意は必要となる

兎に角目撃症例が少なく、いるのは確実だが、人前に姿を見せない

確実と言える根拠は数百年単位に一度だけ王が山を下りてくるからだ


「ずいぶん強くなったものね」

「この吹雪をものともしないなんて」


「私らシャドーや悪霊のお前にとっちゃ平気なんだがな」

「ナズミ、どうだ?体力は大丈夫か?」


「はい、力が有り余ってます」

「まだまだ行けますよ」


「まぁ無理はしないことね」

「つらくなったらすぐに言いなさいな」


「はい」


そんな三人の行く手を突如大柄な猿のような魔物がふさいだ

一匹や二匹ではない

30匹ほどの大群


「出たわねくそ猿」

「あれはサスカッチね」

「こいつら統率が無駄に取れてるから厄介なのよね」


「ふん、どうせ猿だろ」

「問題ないな」


「甘くみんなって言ってんの」

「殺されちゃうわよ」


「来ます!迎え撃ちましょう!」


サスカッチはその剛腕から氷の塊を投げつける


「焔狐火!」


大きな炎の塊がその氷を溶かしつくす


「シャドーブレイブ」


シャーズロットを覆う影が剣として形を成す


「影斬りの舞い」


シャーズロットが影剣を振りかざし、舞うようにサスカッチの影を切りつける

斬られたサスカッチはその場で絶命した

シャドーである彼女に影を斬られるということは魂を斬られるのと同義である


「ポルターガイスト!」


クスクが氷塊を浮かび上がらせ、ぶつけていった

それは正確にサスカッチの頭をとらえ、砕いていく


不意にサスカッチが後ろに大きく飛び下がる


「!」

「まずい!引いて!」


その号令で三人は後ろに飛びのいた


そこを襲う巨大な氷塊

10メートルはあろうかという大きさだ

クスクの号令がなければ押しつぶされていただろう


「やってくれるわね」

「こいつらは陽動ね」

「ずっと上から狙ってたんだわ」

「道をふさがれた」


その氷塊によって頂上へ続く唯一の道がふさがってしまった

う回路はなく、氷の崖も登るには反り返りすぎている


「任せてください!」


「何とかできるの?」


「はい!」


「そう、んじゃ任せるわ」


「行きます!」


ナズミは両手を氷塊に向ける


「御神降ろし、ヒノカグツチ!」


これこそ神の御使いたる白狐の力、神降ろし

自らの体に火の神を下ろしたナズミ

メラメラと燃える火炎を氷塊にぶつけた


一瞬で蒸発


それにより起こる雪崩を


「御神降ろし、ツゲノイナギオオヤマヌシノミコト!」


氷を作ったという神を降ろし、防いだ


道は通れるようになったどころか、サスカッチの群れすら一網打尽にする


「な、ナズミ、あんたすごいわね」


「神降ろし、これ白狐の力か」

「恐ろしいほどの力だな」


ナズミは誉められ少し照れた

相変わらずふぶいてはいるものの、これで先に進めるようになる

そろそろ上層中腹

未だフェニックスの姿は見えない

神様おろすとか強くしすぎたかな?

ま、まぁ、本来の神様の力じゃないですよ?

借りものですから

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