表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/185

白鬼の姫武者修行の旅3

 宝珠の果実は露店に大量に並んでいたのだが

値段が意外と張る

通常の果物であれば銅貨5~20枚ほどで買えるのだが

宝珠の果実は一つで銅貨100枚

幸いクラハにまぁまぁの額はもらっていたので50個ほど買い込んだ

保存も効き、それでいて劇的に甘く、香り高い果実

自分たち用にもいくつかを買った


 宿に戻ると意外なことにおとなしくネネコが待っていた

アカネと二人スースー寝息を立てている


「戻ったぞ」


アカネが慌てて飛び起きた


「も、もうしゅわけありゅましぇん!」


よだれが垂れ、口調もおかしなことになっている


「よいよい、寝ていろ、疲れたじゃろ」


「い、いえ、そういうわけには」


「おおそうじゃ、ならネネコも起こせ」

「お土産がある」


「はぁ、お土産、ですか?」


「宝珠の果実じゃ」

「きっとうまい、みなで食べるのじゃ」

「キリサメ、切り分けてくれるか?」


「はい」


キリサメは懐からナイフを取り出すと、果実をするすると斬り始めた


皿に並ぶ果実は豊満な香りと甘いにおいを放っており

その香りは桃に似ていた


その匂いを嗅ぎつけてか、起こさなくてもネネコが飛び起きた

ベッドからぴょんと跳ね上がり、トテトテと駆け寄ってくる


「美味しそうです」


「お、起きたかネネコ」

「おとなしくしていたご褒美じゃ」

「食べるがよい」


ネネコが手を伸ばして果実をムチャムチャ食べる


ネネコに衝撃が走った

動きが止まる

顔はほころび、目はトロンとしていた


「どうじゃ?」


「はぅ~、とっ・・・ってもおいしいです!」

「シャクシャクの甘々です!」


ネネコは次から次へと口に放り込んでいく


「慌てるな、まだたくさんあるからゆっくり食べるのじゃ」

「ほれ、お前たちも食うのじゃ」


皆果実をほおばり、幸せの時を過ごした


「よし、果実も買ったし、明日ここを出立するとしよう」

「目指す桃源郷はまだ少し遠いぞ」

「しっかり休んで備えるのじゃ」


ファーリーン最後の食事

果物のソースを使った肉料理や、独自の香草を使った野菜料理

宝珠の果実のジュースも絶品で、加工する前の果実の状態のものとは違ったおいしさがあった

デザートに宝珠の果実を使ったタルトタタン(この世界にタタン姉妹はいないので作り方が似ているだけ)

至福の時


次の日、早朝に用意を済ませると、昼前に国を後にした


架空の食べ物を書くのってたのしいですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ